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村山哲也強化Dが明かすチーム編成の背景と、新たな強化体制【インタビュー】

歴代最多となる16人の新戦力を加えれば、スタッフも増員した。“大改革”に出たのは現場だけでなく、フロントも同様。クラブOBの旗手真也氏を強化担当に据えるなど、多くの動きがあった。その狙いと意図は何なのか。村山哲也スポーツダイレクター/強化ダイレクターに訊く。

(取材日:1月24日)

編成の裏側。選手、スタッフともに増強

――今季の強化方針として掲げた『かける想い』については、昨年末のインタビューでお聞きしました。改めて新加入選手16人を迎えた中で、チームの印象はいかがでしょうか?

まず『懸ける』ところで言うと、キャンプの前は積雪で思うようにトレーニングができず、ボールを使ったのも1回だけでした。そこからキャンプに来て、すぐに実戦形式。シーズン中とほぼ変わらないような内容の中でも、パフォーマンスを見る限りでは、選手たちが懸ける想いを持ってきてくれたと感じました。既存選手も戦力が大幅に入れ替わった中で、しっかり準備してきてくれたはずです。全体のフィジカルコンディションのレベルが高くあったので、一つ目のポイントについてはうまくいっていると評価できます。

あとは二つ目の『走る』ところ。長野でのトレーニングは走るメニューがほとんどで、そこでもコンディションが良い状態で走れていました。その走りの中にも、細かな部分があります。あと一歩、あと数メートルの走りが出たり、中盤ではボックス・トゥ・ボックスで動くことを意識できている選手が多くいます。サイドの選手も、最終ラインから最前線まで駆け上がっています。1試合目の(トレーニングマッチ)藤枝戦は、始まってからまだ4日目でしたが、全員で走り切ることができていました。

――ボックス・トゥ・ボックスという点で言えば、西村恭史選手のパフォーマンスが際立っているように思います。

昨季はそれを出しきれなかったシーズンでしたが、今は顕著に出ているように思います。ボールを狩りに行く。あと一歩足を出してボールを奪う。攻撃でも一番底でボールを受けて、縦パスを入れてから駆け上がって最後のフィニッシュに関わる。新加入選手が良い姿勢を見せているからこそ、西村のような既存選手の量と質も上がってきています。小さな走りから大きな走りまで、全員が共通してやれている印象があります。

――3つ目の『掛ける』というポイントについてはいかがでしょうか?

掛け算の『掛ける』で言えば、まだ多くの試合数はこなしていないですが、徐々に組み合わせを考慮してメンバーを決めていくことは想像できます。一つは2月10日の京都戦。このあたりで公式戦を想定したメンバーを絞っていくかと思います。今は3チームを編成できる人数の中で、トレーニングの中でのメンバリングも含めて、いろいろと試している段階です。

その中でも藤枝戦は右サイドのコンビネーションが見られました。前線のプレッシングのコンビネーションも見えてきた部分はあります。ボランチをどう組み合わせるかはまだまだですが、ポジションごとに良い掛け合わせができるよう、ここから徐々に進んでいくと思います。そこは楽しみにしていてほしいところです。

――今季は36人と大所帯になりました。それもポジティブに作用していると言えるのでしょうか?

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