青木安里磨の現在地。道半ばでパルセイロ退団も、再び走り出す
写真提供:アンテロープ塩尻
「いまは楽しくサッカーができている」。安曇野市出身のルーキーは、そう笑みをこぼす。今季、松本大学からAC長野パルセイロに加入した青木安里磨。開幕前から体調不良による離脱が続き、7月に双方合意のもとで契約解除となった。それでも療養を経てアンテロープ塩尻(北信越1部)に加わり、再びボールを追いかけている。
開幕前にアピールも、キャンプを途中離脱
大学1年時と4年時に長野へ練習参加。1年時は高橋勇太(現福井ユナイテッド)と同行するような形で呼ばれたが、体調不良によってプレーできず。4年時は長野との練習試合でゴールを決め、3年越しに声がかかる。練習参加でも一定のインパクトを残し、濱名真央(松本山雅FC)とともに松本大学から初のプロ入りをつかんだ。
今季は1月の始動日からチームに合流。「プロはプレッシャーが速い」と学生との差を感じながらも、得意のドリブルは少なからず通用した。キャンプでは主にウイングバックでプレー。大学時代は4-3-3のシャドーを担っていたため、不慣れなポジションではあったが、練習試合で随所に良さを示す。軽傷で一時離脱も強いられたが、「手応えがないわけではなかった」。
ピッチ外では同期の丹羽匠とともに過ごす時間が長かった。「引っ込み思案なので、溶け込むのが難しいところもあった」と吐露するも、それは時間によって解決できた部分もあっただろう。開幕に向けてまずまずのスタートを切ったが、思わぬ事態が待ち受けていた。
体調不良によってキャンプを途中離脱。静岡県から長野県に戻り、療養生活を余儀なくされる。チームが開幕から好調を示す中で、画面越しに見守ることしかできなかった。そこから徐々に復調し、母校の松本大学で体を慣らす。しかし、一度離れたプロの世界へ戻ることは、心身ともにハードルが高くあった。7月に双方合意のもとで契約解除となり、道半ばでチームを去ることになる。
5月にはホームで松本との信州ダービーを現地観戦。中学時代を同クラブで過ごした青木にとって、特別な試合だったことは容易に想像がつく。「すごかった。鳥肌が立った。この中でプレーできたら絶対に楽しいだろうし、やってみたいという思いはあった」。その願いは叶わなかったが、再び地元で走り出すことを決意する。
選手、指導者として。サッカーを楽しむ
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