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タニガーン・デーンダーが来日初弾。I神戸相手に堂々のドロー【監督、選手コメント付き】

写真提供:WEリーグ

AC長野パルセイロ・レディースは12月9日、WEリーグ第5節をホーム・長野Uスタジアムで迎え、INAC神戸レオネッサに1-1と引き分けた。

I神戸の3-1-4-2に対し、長野は4-2-3-1の布陣。守備時はミスマッチが生じるものの、1トップのタニガーン・デーンダーを軸に、トップ下の宮本華乃が後方で支えながら相手を捕らえる。得意のショートカウンターで機をうかがうと、それが実ったのは33分だった。

相手のゴールキックからのビルドアップ。高い位置で稲村雪乃がボールを奪うと、折り返しをタニガーン・デーンダーが冷静に沈める。タイ代表FWの来日初ゴールで先制し、前半を1点リードで折り返した。

しかし後半は地力の差を見せつけられ、押し込まれるシーンが増えていく。システム変更によってさらにギアを上げられたものの、GK梅村真央が好セーブを連発。最終ラインも田中美南、髙瀬愛実らに最後まで食らいつき、セットプレーでの1失点のみに抑えた。

追いつかれてのドローとなったが、I神戸の開幕連勝記録を3でストップ。来週17日(日)の皇后杯5回戦・アルビレックス新潟レディース戦を挟み、次節はリーグ王者の三菱重工浦和レッズレディースとアウェイで戦う。

以下に廣瀬龍監督、タニガーン・デーンダー、宮本華乃、梅村真央、奥川千沙のコメントを掲載する。

 

■廣瀬 龍監督

――まずは試合の総括をお願いします。

前節にトップの川船(暁海)、トレーニングでキャプテンの伊藤めぐみと、攻撃の軸となる選手がケガをして、出場できませんでした。どうなることかと不安に思っていた部分もありましたけど、準備段階でいろんな選手を試した中で、チームとしてやるべきことをやろうと送り出しました。

マイ(タニガーン・デーンダー)が点を取ってくれて、ホームゲームではとても運が良いとしみじみ感じました。ただ、INACの個の能力が高いのはよく分かっていました。前回はカップ戦で3-1と勝利しましたけど、そのときのチームとは数段違う中で、後半は見ての通り攻め込まれました。

ディフェンスラインだけでなく運にも助けられて、セットプレーで点を取られましたが、よく辛抱して終えました。見事に勝ち点1を獲れたゲームでした。

――タニガーン・デーンダー選手を先発起用した理由と評価を聞かせてください。

マイもだいぶトレーニングを重ねて、トップの選手としてよくフォアチェックをしてくれるようになりました。(WEリーグカップ・グループステージ第5節)大宮戦のときはまだ慣れていなかったし、体力もついていない状況で送り出して、彼女に自信を失わせることがあったと私自身は反省しました。今日はトレーニングを重ねてきた甲斐もあって、見劣りせずによくハードワークしていたと思います。高さやリーチがある選手なので、またいろんな形で使っていきたいです。

――システム上のミスマッチもある中で、守備時は2度追い、3度追いをしながら相手をうまく捕らえていたように見えました。

トップ下の宮本(華乃)がフォローしてくれていました。前線からハードワークしてくれる選手なので、彼女を後ろに置いてマイを前に置いたことが、あまり悪いところが見えなかった部分だと思います。

――主力選手が数名不在の中で、代わりに入った選手たちが結果を残しました。

チームとして練習を重ねていく中で、サブの選手が這い上がってきてくれるような環境づくり、考え方を常にしています。我々の選手たちの質として、トップクラスのなでしこ(ジャパン)に入っている選手たちがいるわけではありません。チームとして競い合いながら、犠牲心を持ってやってくれる選手を育てないと、なかなか良い結果は出てこないと思います。

サブの選手にも常にチャンスを与えながら、とにかく練習で踏ん張るしかないということを常に言っています。そういう環境づくり、チームの方針が良い状況を作っていると思います。

 

■FW 10 タニガーン・デーンダー

――今季初先発となりました。試合を振り返ってください。

スタートのメンバーに入ったことは興奮したし、大変嬉しく思いました。シュートを決められたこと、チームの一員として決められたことは嬉しいです。タイ代表としての嬉しさもあります。これからもチームが勝つために、一生懸命頑張ります。

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