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出川敦貴、エースの誓い。上田西を『王座奪還』に導けるか

得点欄に名前こそなかったが、白尾秀人監督は「出川が引っ張ってくれるから…」とキャプテンを讃えた。5月27日に行われた県高校総体2回戦、上田西は松本県ケ丘に5-0と大勝。松本翔琉がハットトリックを飾り、徳間陽向が2得点を挙げた。新主将を担うエース・出川敦貴は決定機を逃しながらも、先制点をお膳立てするなど存在感を示していた。

出川は得点ならずも、アシストなど存在感

1年から出場機会を得ていた出川にとって、3年となった今季は最後の年だ。前主将の白石斗夢に任命され、柳澤広喜とともに“W主将”へ就任。この日は柳澤がベンチスタートのため、キャプテンマークを巻いて出場した。

キャプテンマークを巻いた出川敦貴

立ち上がりから上田西がペースを握る。10分、カウンターから出川が松本にボールを預けると、ゴール前でリターンを受けてシュート。これはゴールの上に外れたが、直後に先制点が生まれる。11分、井上慶次のロングフィードを出川が収め、右サイドに展開。井田康平のクロスはファーに流れたが、小山晃煌が回収すると、中央での混戦から松本が蹴り込んだ。

15分にも徳間が追加点を挙げると、35分には出川のキープから松本が右足一閃。前半だけで3-0と突き放し、後半も終盤に2点を加える。前後半にポストを叩かれるシーンが1回ずつあったが、それ以外は目立ったピンチもなく、盤石の試合運びで無失点に抑えた。

「あがた(松本県ケ丘は個が強いが、そこを消せればというところで、ポストにも助けてもらった。詰めの甘さは出たが、無失点に抑えたことは評価したい」と白尾監督は評する。松本県ケ丘の技術力を備えた攻撃陣に対し、持ち前の強度で圧倒。1トップを張る出川がスイッチ役となり、2列目以降も連動することによって、相手に自由を与えなかった。

上田西イレブン

東信大会から立ち上がりに点が取れなくて、苦しい試合が続いた。そこで取れたことが大きかったし、先制できれば2点、3点と取れるチーム。先制点が自分たちの強みを引き出した」と出川。1回戦・長野東戦(○6-0)では、カテゴリーが3つ下の相手に対し、先制するまでに21分を要した。この日は昨季まで県リーグ1部で共に争った松本県ケ丘を相手に、11分で先制。それが起爆剤となり、ゴールラッシュに繋がった。

プロを見据える大器。「全然物足りない」

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