長野県フットボールマガジン『Nマガ』

上田西の2年生コンビが躍動。3戦連続アベック弾で4強進出

上田西の2年生コンビが止まらない。5月30日に行われた県高校総体・準々決勝。優勝候補の都市大塩尻に対し、松本翔琉と徳間陽向が3試合連続となるアベック弾を挙げ、2-1と競り勝った。

前後半とも絶好の時間に仕留め、勝負あり

「一番敵視していたチームだった」。そう語るのは、2点目を決めた松本だ。近年は都市大塩尻と松本国際による“2強”の壁に阻まれ、ベスト8に進むのが精一杯だった。直近の県リーグ1部・第6節での対戦が延期され、昨年の新人大会以来となる顔合わせ。その新人大会で優勝し、リーグ戦でも上位につける都市大塩尻が有利と見られていたが、開始から一歩も引くことはなかった。

上田西は4-2-3-1、都市大塩尻は4-4-2のシステム。互いに似た陣形を取る上、球際での強度も高く、前半は拮抗した戦いが続く。上田西は出川敦貴、都市大塩尻は中村玲央と、長身FWにボールを集める。どちらも厳しいマークに苦しんだが、都市大塩尻は27分、高橋圭太のアーリークロスを中村が頭で合わせてネットを揺らす。しかしGKと交錯してファウルを取られ、ノーゴールとなった。

その後は上田西の出川が見せ場を迎える。35+1分、GK牧野長太朗のロングフィードに出川が競り勝つと、中央での混戦から徳間が左足を振り抜く。これがネットを揺らし、直後に前半終了のホイッスルが鳴った。「(出川)敦貴さんが良い仕事をしてくれて、力を抜いてシュートが打てた」と徳間。エースが繋いだボールを逃さなかった。

先制点を決めた徳間陽向(14番)

勢いに乗る上田西は、後半の立ち上がりにも追加点を挙げる。40分、再び牧野のロンドフィードから柳澤広喜がボールを拾い、左サイドに展開。これを徳間がスルーし、ボールを受けた松本がGKとの1対1を迎えると、ループ気味のシュートを冷静に沈めた。スルーした徳間は「(松本)翔琉は自分より点を決めているので、スルーしようか迷った。それでもチームのためにスルーしたら、相手が自分に釣られてくれたので良かった」と本音を明かす。スコアラーの松本は「徳間とは普段から相性良くできている。ボールが来ると思ったら来たので、あとは決めるだけだった」。

追加点を決めた松本翔琉(右)

2点をリードして以降は、都市大の反撃に遭う。47分には河越大に強烈なボレーを見舞われるも、牧野がファインセーブ。50分にも松下温寛のミドルシュートを浴びると、54分には市川響己のミドルを牧野が弾ききれず、1点差に迫られる。「1点を取られて流れが変わってしまった。もう少し起用のところで落ち着かせてあげれば良かった」と白尾秀人監督。後半はボールを回し始めた都市大に対し、後手を踏む時間が続いた。それでも終盤にかけて選手交代を重ねながら、逃げ切りに向けてギアをアップ。左サイドバックの小山晃煌が負傷交代するアクシデントもあったが、全員で一丸となって乗り越えた。

2年生と3年生が噛み合い、強固な組織に

(残り 1049文字/全文: 2394文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ