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5月9日のニュース
・酸をかけられたファイサル・ハリムは今週皮膚移植手術を受ける見込み
・スランゴールFC会長のスランゴール州皇太子はファイサル選手の治療費を負担
・ジョホールは不戦勝?スランゴールはスンバンシー・カップ出場辞退を表明
・ジョホールはセランゴールの辞退に失望し、警察の保証を信じるべきと主張
・今季のマレーシアスーパーリーグは予定通り実施する- MFL

酸をかけられたファイサル・ハリムは今週皮膚移植手術を受ける見込み

酸をかけられ、第4度の火傷の診断を受けた代表FWファイサル・ハリムは、皮膚の移植手術を受けることになり、その移植手術に使用される皮膚が今週にも海外から届くと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

スランゴールFCスポーツ医学部長のハズワン・カイール医師は「皮膚は同種移植のために海外から持ち込む必要がある。移植手術は回復プロセスを助け、加速させるための手順の一部である。」と説明し、筋肉の回復などはその後になると説明しています。

スランゴールFC会長のスランゴール州皇太子はファイサル選手の治療費を負担

スランゴールFCの会長であるスランゴール州皇太子のトゥンク・アミール・シャー殿下は、酸をかけられたファイサル・ハリム選手は医療保険に加入しているにもかかわらず、回復するまでの治療費と医薬品費用を負担する準備があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。。

スランゴールFCのシャリル・モクタール理事は「ファイサル選手の医療費は保険でカバーされているが、我々は彼に最善を尽くしたいと思っている。最善の治療というものは通常、高額な費用がかかるが、(スランゴールFC会長の)トゥンク・アミール・シャー殿下は、そういった心配する必要はないと保証し、必要な場合には、医療費を負担する準備があると述べていると明かしています。

この日、シャリル理事はトゥンク・アミール・シャー殿下に同行し、2回目の手術を完了した後、集中治療室 (ICU) にいるファイサル選手を訪問しています。訪問後にメディアに対応したシャリル理事は、「ファイサル選手はすでに食事ができるようになてはいるが、まだ軟いものを摂取している。また、起きて軽い運動をしたがっているようで、サッカーに関連した運動をしたがっている」と説明しています。

ジョホールは不戦勝?スランゴールはスンバンシー・カップ出場辞退を表明

今週金曜日5月10日に開幕する今季のマレーシアスーパーリーグ(MSL)はスランゴールFC対ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が開幕戦で対戦する予定になっています。JDTのホーム、スルタン・イブラヒム・スタジアムで予定されているこの試合は前年のリーグ優勝チームとマレーシアカップ優勝チームが対戦するスンバンシー・カップを兼ねて行われます。

英国のFAコミュニティー・シールドを模して1995年から始まったいわばスーパーカップですが、スランゴールFCはこの試合を辞退することを発表しています。スランゴールFCは、「安全上の理由」をもとにリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)に対して試合の延期を要請したものの、MFLは警察と協力して十分な安全が確保できるとしてこの申請を拒否すると発表していました。

スランゴールFCは本日声明で、様々な関係者との詳細な調査と議論の後、この試合の出場を辞退するという難しい決断をしたと発表しています。「クラブ(スランゴールFC)は、長い間楽しみにしていた2024年スンバンシー・カップに参加しないという非常に難しい決定をしなければならなかった。」

さらに「現在の不安定な状況を考慮して、スランゴールFCは、チームの安全が最も重要であると考えており、あらゆる形態の暴力と脅威を真剣に受け止め、チームの安全に関する問題については一切妥協しないことを強く主張する」という声明を発表しています。

ジョホールはセランゴールの辞退に失望し、警察の保証を信じるべきと主張

スランゴールFCが開幕戦となるスンバンシー・カップ出場を辞退したことを受け、ジョホール・ダルル・タジムFCはクラブ公式SNSで声明を発表し、セランゴールFCの出場辞退という決定に失望していると表明しています。

JDTのアリスター・エドワーズCEO名で出された声明では、ラザルディン・フセイン警察庁長官とジョホール警察長官のM・クマール警視監は、チーム、選手、そしてサポーターの安全を最優先とすることを強調しています。

「スンバンシー・カップで選手を含むすべての人々の安全を確保するために、警察は1,500人の警官を配置して、安全面で妥協しないことを確認している。我々は、ファイサル・ハリムに関わる事件や、セランゴールFCの一部の個人に届いた脅迫を強く非難しますが、チームが試合に参加しないという決定を再考してくれることを期待しています。」

さらに「これは、警察の保証を受けても不安を感じるために、どのチームでも撤退する 『前例』を作ってしまう可能性があるためである」と声明は続いています。

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クラブの主力でもある代表選手が酸を浴びせられるという「前例のない」事件に対して、前例を作ることを非難するような声明は出さず、相手の出場辞退を受け入れて勝点を得る。また出場辞退についての処分はMFLに任せるという方法もあったはずですが、敢えてこの声明を出したことで、未だICUに入っているファイサル選手を思いやる国内サッカーファンの多くを敵に回してしまったことは間違いありません。

今季のマレーシアスーパーリーグは予定通り実施する- MFL

国内リーグのマレーシアスーパーリーグ(MSL)を運営するマレーシアン・フットボール・リーグ(MFL)は、今週開幕するMSLの試合日程を維持することを決定しています。

MFLによる声明では、警察が今シーズンの全てのMSLの試合においてセキュリティを強化することを保証したと発表しています。

その一例として、通常の3倍に当たる1,500人の警察官が、5月10日にスルタン・イブラヒム・スタジアムで行われるスンバンシー・カップで選手とファンの安全を確保するために配置され、厳重な管理とチェックが行われるとしています。

MFLは「警察によってセキュリティが保証されることから、安全レベルに対する懸念に基づいて申請されたスランゴールFCの試合延期要請を拒否した。」と声明で述べています。

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