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2月19日のニュース
MFL-「紳士協定」には関与せず
スーパーリーグ14番目のチーム候補にプルリス・ユナイテッドが浮上
MFLはプルリス・ユナイテッドへの「招待」を否定
昨季M3リーグ優勝のイミグレセンFCのTDは今季のスーパーリーグ参入は時期尚早と述べる
元代表FWが給料未払い問題解決のためジョホールオーナーに助力を求める

先週末に国内フットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグ(MPFL)が開幕しています。詳細は明日のこのブログで取り上げますが、昨季優勝のパハン・レンジャーズFCがシャー・アラムシティFCと引き分ける波乱のスタートとなっています。

MFL-「紳士協定」には関与せず

ジョホール・ダルル・タジムFCからトレンガヌFCへ期限付き移籍したサファウィ・ラシドとアキヤ・ラシド両選手について、移籍条項の中に両チームが直接対戦する際には試合に出場しないという「紳士協定」が含まれていることが明らかになりましたが、リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、この「紳士協定」については両チーム間の取り決めであり、MFLは一切、関与していないとしています。

マレーシア語紙ブリタハリアンの取材に対してMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、「(元の所属クラブとの試合には出場しないという)『紳士協定』はあくまでも期限付き移籍先のクラブと元の所属のクラブ間での取り決めに基づくものであり、MFLによって設けられた規則ではない。」と答えています。

この紳士協定が明らかになった際には、FIFAによる規定に今回の紳士協定のような選手の出場を規制するような条項が含まれていないことから、その有効性に疑問の声が上がっていました。

同じ記事では、期限付き移籍中の選手が元所属のクラブとの試合に出場できない条項を設けているリーグの例として、英国1部プレミアリーグが挙げられています。またスペインでも多くのクラブが同様の条項を契約に含めていると報じられています。

その一方でドイツリーグにはこのような条項はないことを報じるこの記事では、バイエルン・ミュンヘンからバイヤー・レヴァークーゼンに期限付き移籍しているクロアチア代表DFヨシプ・スタニシッチが、今月11日のバイエルン戦に出場し、さらにゴールを挙げた例を紹介しています。

スーパーリーグ14番目のチーム候補にプルリス・ユナイテッドが浮上

給料未払い問題未解決を理由に、昨季14位のクランタンFCには1部スーパーリーグ出場のための国内クラブライセンスが発給されませんでした。そこでスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は急遽、今季3部リーグのM3リーグに出場したクラブの中で、今季のスーパーリーグに出場を希望する場合には、国内クラブライセンス申請を行うように求めています。(2部プレミアリーグは、昨季の1部と2部の合併により、一時的に休止中)

M3リーグのクラブは、実は既に昨年11月にスーパーリーグ昇格のための申請を行っていますが、このときにはクラブライセンスを発給する独立組織の第一審機関(FIB)は全てのクラブによる申請を不合格とし、今季昇格するクラブはないと発表していました。しかしクランタンFCが出場できなくなったスーパーリーグは13チーム編成となってしまうため、MFLはM3クラブに対して再申請可能であることを伝えていました。

そんな中、意外なクラブのスーパーリーグ入りの可能性が浮上していると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。その意外なクラブとは昨季のM3リーグ8位のプルリス・ユナイテッドFCです。優勝したイミグレセン(入国管理局)FCから勝点差23、リーグ成績は9勝5分10敗と負け越したプルリス・ユナイテッドFCがMFLから今季のスーパーリーグ出場の「招待」を受け取ったと報じているブリタハリアンは、マレーシア最北のプルリス州に本拠地を持つクラブがスーパーリーグにないことから、地域性を踏まえてての「招待」であること、さらに複数の「有名企業」がスポンサーを名乗り出ていることも報じています。

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プルリス州サッカー協会(PFA)が運営していたクラブチームのプルリスFAは、2019年に3部から2部プレミアリーグに昇格、これに合わせてマレーシア人選手や日本人の渡邉将基選手ら外国籍選手と契約しました。しかし19年シーズン開幕直後から給料未払い問題が明るみに出た結果、マレーシアサッカー協会(FAM)だけでなく国際サッカー連盟(FIFA)からも2年間のリーグ出場停止処分を受け、開幕から3試合でチームは解散に追い込まれています。その後、マレーシア13州の中で唯一、マレーシアリーグに参加するクラブがない州となっていましたが、昨季はこのプルリス・ユナイテッドFCがM3リーグに参加していました。

MFLはプルリス・ユナイテッドへの「招待」を否定

上のようなニュースが出た後に、今度はスポーツ専門サイトのスタジアム・アストロがマレーシアンフットボールリーグ(MFL)のスチュアート・ラマリンガムCEOが、プルリス・ユナイテッドがMFLによって今季のスーパーリーグに「招待」された、という報道を否定したと伝えています。

スチュアートCEOは、プルリス・ユナイテッドFCだけでなくどのM3リーグのクラブも今季のスーパーリーグ参加を招待されておらず、第一審機関(FIB)がリーグ参加申請の提出書類の内容を精査した上で、スーパーリーグ参加クラブが決定すると説明しています。さらに現時点ではスーパーリーグ参加申請書類の提出がまだ終わっていないプルリス・ユナイテッドFCに対して、昨季のM3リーグの上位3チームであるイミグレセン(入国管理局)FC、KLローヴァーズFC、そしてハリニ・スランゴールFTの3クラブは既に申請書類を提出済みであることも明らかにしています。

昨季M3リーグ優勝のイミグレセンFCのTDは今季のスーパーリーグ参入は時期尚早と述べる

この前の記事でも取り上げたように、今季スーパーリーグ参入の候補の一つとなっているのが昨季のM3リーグで優勝を果たしたイミグレセン(入国管理局)FCです。しかしこのイミグレセンFCでテクニカル・ディレクター(TD)と務める、元マレーシア代表監督のザイナル・アビディン・ハサンTDは、チームは今季のスーパーリーグ参入には時期総称だと述べています。

これまでにペナンFCやマラッカ・ユナイテッドFC(現在は解散)の監督としてスーパーリーグでも指揮を取った経験を持つザイナル・アビディンTDは、スポーツ専門番組のナディ・アリーナのインタビューに答え、現在のチームがスーパーリーグに参入するレベルに達していないと述べて、 今季のスーパーリーグ参入の意思を否定しています。「現在のチームの実力を精査した結果、スーパーリーグでプレーするには明らかに準備が足りていない。」と語ったザイナル・アビディンTDは、今季のM3リーグに向けてチームのレベルアップを図りたいと述べています。

元代表FWが給料未払い問題解決のためジョホールオーナーに助力を求める

マット・ヨーの愛称で知られる元代表FWノーシャルル・イドラン・タラハが、2022年シーズン(!)の未払い給料問題解決のために、マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)の支援者でもあるジョホール・ダルル・タジムFCのオーナーで、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下に助けを求めたと、マレーシア語紙ハリアン・メトロが報じています。

ジョホールでもプレー経験があるノーシャルル選手は2022年シーズンに当時のマラッカ・ユナイテッドFCでプレーしていましたが、その当時の給料6ヶ月分が現在も未払いになっていると訴え、自身が代表でプレーしていた際のマレーシアサッカー協会(FAM)会長でもあったイスマイル殿下に助けを乞うたとみられています。

なお給料未払い問題が未解決のマラッカ・ユナイテッドFCは昨季2023年シーズンの国内クラブライセンスが発給されず、その後、チームは解散しています。マラッカ・ユナイテッドFCの運営に関与していたマラッカ州サッカー協会は、新たにマラッカFCというクラブを作り、今季は3部リーグに当たるM3リーグに参加しています。新規クラブが下部リーグを飛び越えていきなり3部リーグに参入することには批判も出ましたが、M3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグ(AFL)は、マラッカ州を拠点とするクラブの参入は同州のサッカーの発展にとって必要だと、異論を押し切って参入を認めていました。

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