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4月29日のニュース
スランゴールがプレシーズン大会優勝+新装MBPJスタジアムの体験レポ

いよいよ今日はU23アジアカップ準決勝、インドネシア対ウズベキスタンの試合が行われます。U23アジアカップ初出場ながら快進撃を続けるインドネシアが、今日の試合に勝って東南アジアからは19オリンピックサッカーへの出場を決めるのことができるのかどうかに注目が集まります。独立前のオランダ領東インドとして1938年大会にアジア初のW杯出場を果たしているインドネシアですが、東南アジアからは1980年のマレーシア以来となるオリンピック出場を果たすことができるのでしょうか。(注:1980年のモスクワオリンピックは、当時のソ連のアフガン侵攻に抗議する形で西側諸国の多くがボイコットし、マレーシアもこれに同調し出場辞退しています。その前の東南アジアからのオリンピック出場は1972年にマレーシアとビルマ(現在のミャンマー)が1972年のミュンヘンオリンピックに出場しています。このとき、マレーシアは西ドイツ、アメリカ、モロッコと同組になり、アメリカには3−0と勝利したものの、西ドイツには0−3、モロッコには0−6で敗れてグループステージ敗退しています。)

スランゴールがプレシーズン大会優勝

4月26日と28日に両日に行われた国際大会で、スランゴールFCが優勝を果たし、賞金1万米ドルを獲得しています。

スランゴールFCのホーム、MBPJスタジアムで行われた国際招待大会「スランゴール・アジア・チャレンジ2024」にはスランゴールFCの他、DPMM FC(ブルネイ)、バレスティア・カルサFC(シンガポール)、ヤング・エレファンツFC(ラオス)が参加し、それぞれが2試合を行いました。

4月26日の第1試合では、バレスティア・カルサFCが田中幸大選手のPKの1点を守り切り、ヤング・エレファンツFCに勝利し、またスランゴールFCは1月のアジアカップにも出場したヨルダン代表MFノー・アル=ラワブデと、今季新加入のカーボベルデ出身FWアルヴィン・フォルテス(タイ1部ラーチャブリーFCから移籍)がそれぞれ2ゴールを挙げてDPMM FCを破っています。

バレスティア・カルサFC対ヤング・エレフェンツFC戦のハイライト映像(アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

スランゴールFC対DPMM FC戦のハイライト映像(アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

そして昨日4月28日の第1試合ではバレスティア・カルサFCとDPMM FCが対戦しました。ブルネイのクラブながらシンガポール1部のプレミアリーグでプレーするDPMM FCは来月5月に開幕する今季リーグ戦でもこのバレスティア・カルサFCとたいせんします。この試合は連勝して今大会優勝を狙うバレスティア・カルサFCが田中雄大選手の2試合連発となるゴールや杉田将宏選手のゴールでリードしますが、DPMM FCはブルネイ代表でもプレーする21歳のFWハケメ・ヤジドの2ゴールで追いついて前半を終えます。後半に入るとDPMM FCがMFアズワン・アリのゴールで遂に逆転しますが、バレスティア・カルサFCはキャプテン、アレン・コザルのゴールで追いついて、引き分けに持ち込んでいます。

DPMM FC対バレスティア・カルサFC戦のハイライト映像(アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

また第2試合では大会ホストのスランゴールFCが、ラオスリーグ2連覇中、しかも2シーズン無敗というヤング・エレファンツFCと対戦しました。かつてクチンシティFCでもプレー経験がある鈴木雄太選手、そして西原拓夢選手と日本人選手2名が在籍するヤング・エレファンツFCを相手に、スランゴールFCはFWアルヴィン・フォルテスの2戦連発となるゴールで先制すると、今季からキャプテンを務めるシンガポール代表のDFサフワン・バハルディンが得意のヘディングシュートを決めて、スランゴールがリードを広げて前半を終了します。後半にはマレーシア代表のエースFWファイサル・ハリム、そして先日のU23アジアカップに出場したものの、良いところがなかったMFシャヒール・バシャーがダメ押しとなる4点目を決めて、スランゴールFCが快勝し、前回大会ではPK戦でバンコク・ユナイテッドに敗れて逃した優勝を果たしています。

スランゴールFC対ヤング・エレファンツFC戦のハイライト映像(アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

スランゴールFC対ヤング・エレファンツFC戦の観衆は3,700名とやや寂しかったものの、スランゴールFCにとっては、5月10日に開幕する2024/25シーズンに向けて良い勢いがついた大会となりました。

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今季のACL2にも出場するスランゴールFCは、今季開幕前に本拠地のMBPJスタジアムを改修しています。昨季まで同居していたPDRM FCは、今季の本拠地を同じスランゴール州のスラヤンにあるMBSスタジアム(通称スラヤンスタジアム)に移したため、スランゴールFCのみが使うスタジアムになっています。スタジアム内はチームカラーの赤と黄色を基調に塗り替えられ、座席も一部はコンクリートに直に座る形だったところにも座席が設置されるなど、快適さも増しています。以下の写真はそれぞれ上が改修前、下が改修後です。

スタジアム正面入口はチームカラーの赤に塗られ、表示も変更されています。(ちなみにPetaling Jaya City FCは既にリーグ脱退したクラブです。スランゴールFCは昨季もこのMBPJスタジアムを使って今いたが、Home of Petaling Jaya Cityの看板はそのまま放置されていました。)

スタンド全般は鮮やかな色に塗られ、華やかな雰囲気になっています。

クルヴァに屋根が設置されています。(ただしホームチームのみ)

コンクリート直座りだった席がなくなり、プラスチックの座席が設置されています。

その他に新たな座席も導入されています。これは肘掛けもあって快適でした。

その一方でアジアの大会に出るのであれば改善が必要と考えられる点もあります。まずはマレーシアでは「あるあるネタ」のトイレの汚さ。マレーシアではトイレットペーパーよりも水で洗う方が多く、そのせいからかトイレの床は常に水びたしで衛生感がありません。また、蛇口や便器が破損しているものが放置されたままのものもあり、マレーシア基準では問題なくとも、国際試合を行うのであれば改善して欲しい点でした。

またメインスタンド側では1つしかない売店は常に長蛇の列の上、品揃えが酷く、食べ物はすぐに売り切れ、飲み物はペットボトルを開けてコップに移し替えた炭酸飲料を売るため、炭酸が抜けた砂糖水をつかまされることもあります。同じ首都圏にあるKLフットボールスタジアムはすぐ外にフードトラックが多く出ており、また今季からPDRM FCがホームにするスラヤン・スタジアムも近くにファーストフードやコンビニがあり、持ち込みが可能なのですが、MBPJスタジアムは周りにそういったものがないため、スタジアム内の店が頼りなのでなんとかして欲しいところです。

またこの日は17時キックオフに合わせて16時30分にスタジアムに着きましたが、QRコードのチケットを購入済みでしたが、入り口ではそのチケットを読み込むチケット係がまだ来ていいないと言われて暑い中15分ほど待たされました。しかも結局、時間までに係員が来ず、チケットをスキャンされないまま入場して良いと言われるなど、アジアの大会に出る準備は本当にできてるのだろうか、という思わずにはいられませんでした。

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