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4月26日のニュース
マレーシアサッカー協会TDはアジアカップ敗退を「マッチフィットネス」不足が原因と分析
トーレスU23代表監督は最終戦の敗因にシーク・イズハンの退場などを挙げる
本日開幕のスランゴール・アジア・チャレンジの対戦カード発表

インドネシアの快進撃が止まりません。1月のアジアカップではベスト16進出、そして初出場となったU23アジアカップでは韓国を破ってベスト4に到達しています。その過程ではA代表がアジアカップベスト16で敗れたオーストラリアをU23代表が撃破して、しっかり借りを返すなど両代表監督を兼務するシン・テヨン監督にとっても快心の結果でしょう。FIFAランキングではマレーシアに代わって東南アジア3位となったインドネシアですが、この調子ならまだまだ上には行けそうで、アジアカップではA代表、U23代表ともグループステージを突破できなかったマレーシアとの差はむしろ開くばかりです。

マレーシアサッカー協会TDはアジアカップ敗退を「マッチフィットネス」不足が原因と分析

U23アジアカップでは、0勝3敗、得点1失点6という成績でグループステージで姿を消すことになったマレーシア。この成績に様々なところから様々な意見が出ています。マレーシアの通信社ブルナマによると、マレーシアサッカー協会(FAM)のスコット・オドネルTD(テクニカル・ディレクター)は、今大会のU23代表には「マッチフィットネス」が不足していたことが、今回の結果の主な原因であると分析しているようです。

昨年12月に昨シーズンが終了したものの、マレーシアの国内リーグが秋春制への移行を行っていることもあり、今季の開幕が5月となりリーグ戦がない期間が5ヶ月に及んでおり、U23代表の選手たちはこの大会前に実際の試合に出場する時間が欠けていたことで良い結果が出せなかったと話しています。さらに「(今回のU23代表選手)の昨季の成績を見ると、所属するクラブ(のトップチーム)で出場時間が1,000分を超えているのはGKシーク・イズハン(2,250分-ヌグリスンビランFC)、ムカイリ・アジマル(1,684分-スランゴールFC)、T・サラヴァナン(1,252分-KLシティFC)、サフワン・マズラン(1,063分-トレンガヌFC)4名しかいない。」と、そもそもトップチームでの出場時間が少ない選手が多かったことは大会前から分かりきっていたことにもかかわらず今更ながらに説明しています。

まるで他人事のように説明を終えたオドネルTDは、FAMとしては年代別大会を再編し、若い選手がより多くの出場時間を得られるようにするべきと考えていと述べ、今後はU23代表がFIFA国際マッチカレンダーでより多くの国際試合を経験できるようにしたいとも述べ、国際試合が実現しない場合には代表合宿を行い、監督やコーチが選手の状況をはくできるような機会を設けたいとしています。

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まるで他人事のように分析されてもなぁ。U23アジアカップの日程がわかっていたにもかかわらず、このタイミングでの秋春制移行を一気に行おうとした時点で、試合のない期間が長期に亘り、その結果としてマッチフィットネス不足の問題が起こることは予測できていたはずですが、それをあえて実行した責任者にその理由を問いただしたいところです。しかもオドネルTDが名前を挙げた4選手のうち、シーク・イズハンとT・サラヴァナンは最終戦でやっと出番がまわってきた一方で、ムカイリ・アジマルは最終戦では先発を外れ、サフワン・マズランは初戦のウズベキスタン戦でのケガで、2戦目、3戦目はベンチ外と、この4選手が一堂に顔を合わせることは一度もありませんでした。

またU23アジアカップの最終戦、クウェートU23対マレーシアU23が放送された際には、コメンテーターとしていずれも元代表選手のザクアン・アドハとP・スブラマニアムの両氏もそろって今回のU23代表は明らかに準備不足だと述べ、ザクアン氏はノックアウトステージ進出という目標に対して、それを本当に実現するための準備がなされていなかったと述べ、スブラマニアム氏は(昨季リーグ終了後から)大会までの4ヶ月間、対外試合を行わないなど大会までの準備のプランそのものが失敗だったと述べている場面もありました。

トーレスU23代表監督は最終戦の敗因にシーク・イズハンの退場などを挙げる

一方、マレーシアU23代表のファン・トーレス監督は、最終戦での敗戦について、前半にシーク・イズハンがレッドカードで1発退場となったことを挙げています。マレーシアU23代表はグループステージ最終戦のクウェートU23代表戦にも敗れて、前回2020年大会に続き、グループステージ3戦全敗で大会を終えています。

グループステージ最終戦についてトーレス監督は「この試合を評価するのは難しい。なぜなら、こちらに得点のチャンスがあったのに、予期せぬ状況(GKシーク・イズハンへのレッドカード)によって我々はさらに困難に陥ったからだ」と話しています。。

「その後は、チームは全力を尽くし、ほぼ同点に持ち込むところまでいったものの。そこから選手たちは疲れ始めてしまった。ハーフタイムでは適切なプランを立てよ、選手たちは要求されたことに素晴らしいパフォーマンスを見せたが、最後の局面でのエネルギーが不足していた。」と説明しています。

スランゴール・アジア・チャレンジの対戦カード発表

本日4月26日(金)と28日(日)の2日間で開催される「スランゴール・アジア・チャレンジ2024」は、スランゴールFCが主催する域内のクラブを招待して行われるプレシーズン大会です。4年ぶり2回目となる今大会には、ヤング・エレファンツFC(ラオス)、DPMM FC(ブルネイ)、バレスティア・カルサFC(シンガポール)の3チームがスランゴールとともに出場しますが、その対戦カードが発表になっています。(出場各チームの簡単な紹介はこちらにまとめました。)

4月26日(金)
バレスティア・カルサFC対ヤング・エレファンツFC(17時キックオフ)
スランゴールFC対DPMM FC(21時キックオフ)

4月28日(日)
DPMM FC対バレスティア・カルサFC(17時キックオフ)
スランゴールFC対ヤング・エレファンツFC(21時キックオフ)

今大会は勝利チームに勝点3、引き分けの場合は両チームに勝点1が与えられる他、1ゴール当たりさらに勝点1が与えられ、各チーム2試合を終えて勝点が最も多いチームが優勝となります。また勝点で並んだ場合には得失差が大きいチームが優勝、さらに得失差でも並んだ場合にはファールの少ないチームが優勝となることも発表されています。

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この大会に向けて今季使用のユニフォームなども発表したスランゴールFCですが、今回の対戦カードを見て気になったのは、スランゴールFCがバレスティア・カルサFCと対戦しないことでした。DPMM FCは、ブルネイリーグではなく、シンガポール1部のプレミアリーグに所属しており、バレスティア・カルサとは5月に開幕する2024/25シーズンでも対戦することから、この2チームが対戦するカードではなく、スランゴールFCが対戦しても良かったのではないかとも思います。ちなみに昨季のシンガポールリーグではバレスティア・カルサのリーグ4位(勝点36)の成績に対し、DPMM FCは7位(同23)だったので、スランゴールFCはあえてバレスティア・カルサFCとの対戦を避けたのでは、という気もします。

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