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2月7日のニュース
次の帰化選手候補は元オランダU20代表
給料未払い問題-KLシティCEOは今季開幕前までの問題解決を目指す
給料未払い問題-4ヶ月分未払いのクダ選手は窮状をメディアに訴えるも解決の糸口はなし
スーパーリーグの14番目のクラブを目指してM3リーグの3チームが参加申請を再提出

今朝のアジアカップ2023準決勝では、ヨルダンが韓国を2-0で下して決勝進出を決めています。グループスタージで対戦した際は土壇場で落ち着かれて引き分けとなったものの、2試合連続2ゴールを挙げ、対戦成績を1勝1分としてしています。なおこのヨルダン代表では、マレーシアリーグでプレーする選手や元選手の合計4名がプレーしており、マレーシア国内ではこのまま一気に優勝してくれれば、グループリーグでこのヨルダンに0-3で敗れているマレーシアのサポーターも溜飲が下がる思いとなるでしょう。

次の帰化選手候補は元オランダU20代表?

アジアカップ2023に出場したマレーシア代表は帰化選手が半数以上を占め、3-3と引き分けた韓国戦でもブラジル出身のパウロ・ジョズエからのパスをコロンビア出身のロメル・モラレスが決める場面がありました。今では代表に欠かせない幾何選手については、英字紙ニューストレイトタイムズは次の帰化選手候補について報じています。

オーストリア1部のSKラピード・ウィーンから現在はオランダ1部のPECズヴォレに期限付き移籍中のFWフレディ・ドライフは母親がマレーシアの血を引くことから帰化選手となれる資格があり、マレーシアサッカー協会(FAM)も注目しているということです。

オランダ生まれで現在25歳のドライフ選手はオランダ1部AZアルクマールのユース出身で、オランダU17、18、U20代表などでもプレー経験がある選手です。しかもポジションはマレーシア代表が喉から手が出るほど必要なセンターフォワードです。2019年にAZアルクマールのトップチームに昇格後は226試合に出場し112ゴールを挙げており、190cmの高身長ながらスピードもありAMFなどを務めることもできる選手だということです。

ただしマレーシアサッカー協会は、過去の失敗から協会主導で行う帰化選手支援プロジェクトを凍結しており、ドライフ選手が帰化するためには国内クラブがドライ府選手を獲得した上で、独自に帰化を支援する必要がありますが、しかしそんなことができそうなクラブは多くなく、5月の今季開幕に向けて既に新加入選手が次々と発表になっていますので、ドライフ選手にその気があるとしても帰化はすぐに実現することはなさそうです。

給料未払い問題-KLシティCEOは今季開幕前までの問題解決を目指す

KLシティFCの選手らに対して昨季の給料が未だ支払われていない問題について、クラブのスタンリー・バーナードCEOは、今季2024/25シーズンが開幕する5月10日までには、未払いの給料全てを支払う予定であると、スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロとのインタビューで答えています。

選手たちに対して数ヶ月分の給料が未払いとなっていることはスタンリーCEOも認めており、マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)もクラブに対して早急に問題を解決することを促す手紙を送っているということです。

スタンリーCEOは、リーグ開幕が5月ということもあり、チームとしての正式な活動は開始していないと話す一方で、開幕前に未払い給料を支払うために新たなスポンサーを探したいと話すにとどまっています。

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マレーシアリーグNo. 1と呼ばれたフィリピン代表GKケヴィン・メンドーザが給料未払いを理由に去り、U23代表の正GKをライバルのセランゴールFCに売っても解決しない給料未払い問題。後述するリーグチーム数を偶数にする数合わせでしかない3部チームの昇格を行うくらいなら、昨季の給料が支払えていないクラブは3部降格(2部プレミアリーグは昨季の1部スーパーリーグとの合併を行なったため、現在は中止)することをリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は考えても良さそうです。またこんな状況にも関わらず今季のクラブライセンスを交付した第一審機関(FIB)の審査能力に疑問が残ります。。

給料未払い問題-4ヶ月分未払いのクダ選手は窮状をメディアに訴えるも解決の糸口はなし

マレーシア語紙ブリタハリアンは、給料未払いが4ヶ月分にも及んでいるクダ・ダルル・アマンFCの選手たちの窮状を報じています。

経営陣からは速やかに解決すると言われているものの、具体的な支払いの時期については一切知らされていないとと話す選手には失望と不満が溜まっているようです。「銀行からはローン返済を迫る電話が頻繁にかかってくるため落ち着かない毎日を過ごし、ローンや生活費は貯金を切り崩しているのが現状だ。」という選手のコメントも掲載しています。

またこの記事の中ではトップチームだけでなくU23チームの選手も給料が支払われておらず、今後どうなるかも知らされていないということです。「クラブからはトップチームとプレジデントカップ(U21)チームについての説明は行われているが、U23については何も説明がない。しかし自分たちも同じように給料が未払いとなっていることを知って欲しい。」という選手の談話を紹介しています。

この記事によると未払い給料問題解決の資金調達の目処は立っていないということで、状況がさらに悪化する可能性があるということです。

スーパーリーグの14番目のクラブを目指してM3リーグの3チームが参加申請を再提出

給料未払い問題が未解決を理由に、昨季は最下位14位だったクランタンFCには今季のクラブライセンスが交付されませんでした。これにより今季のスーパーリーグは13チーム編成となってしまうことから、スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、昨年末に行われたスーパーリーグ加盟審査で不合格となった3部リーグのM3リーグから急遽、1クラブを選んでスーパーリーグに昇格させる方針を発表しています。

昨年のM3リーグは、リーグ戦17連勝など最終節前まで勝点53を挙げて首位を守ってきたKLローヴァーズが最終節で引き分ける一方で、勝点51で2位だったイミグレセン(入国管理局)FCが最終節で勝利し勝点3をあげて逆転で優勝するドラマチックな展開でした。

スーパーリーグ昇格候補は、この2チームと勝点51で3位となったハリニ・スランゴールの3チームが既に再審査に必要な書類を、クラブライセンスの交付を第一審機関(FIB)に提出済みであることから、この中から選ばれることが濃厚なようです。

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3部リーグで戦う規模で資金を調達してきたクラブがトップリーグに昇格すれば、外国籍選手の獲得などでより多額の資金が必要になるはずです。昨年11月にMFLはM3リーグのクラブからの申請に対していずれも昇格条件を満たしていないと発表しており、そこからわずか3ヶ月でクラブの状況が改善されているとも思えず、もしこのまま14番目のクラブが選ばれれば、それはスーパーリーグ参加への条件が緩和された以外に考えられません。上記のクダやKLシティなど資金繰りに苦しむクラブがいる中、さらにその可能性を持つチームを新たにM3リーグから、しかも「裏口入学」させるメリットがあるとは思えませんが、MFLの最終判断はどうなるのでしょうか。

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