ボラセパマレーシアJP

アジアカップ2023-グループステージE組
16年ぶり出場のマレーシアは初戦を4失点大敗
韓国は逆転でバーレーンを破る
(ハイライト映像あり)

1月12日に開幕したAFCアジアカップ2023。マレーシアが属するE組も1月16日に第1節が行われ、16年ぶり(予選突破による出場は43年ぶり)にアジアカップ出場のマレーシアはヨルダンに0-4で完敗しています。

2022年1月の就任以来、マレーシアのFIFAランキングを154位から130位まで引き上げた手腕が評価されているキム・パンゴン監督。このキム監督率いるマレーシアはこのアジアカップ2023では、グループステージE組では韓国(FIFAランキング23位)、バーレーン(同86位)、ヨルダン(同87位)と格上のチームと同組になっています。

今大会の目標にベスト16進出を挙げているマレーシアは、大会初戦となるこのヨルダン戦が非常に重要ですが、キム監督は先発XIにかなり攻撃的な布陣を採用しています。(以下は両チームの先発XI。AFCアジアカップ2023公式Facebookページより)

昨年12月にマレーシア国籍を取得したばかりのコロンビア出身ロメル・モラレス(KLシティ)をこの試合で代表デビューさせたキム監督は、従来の3-4-3のシステムを採用し、このモラレスとファイサル・ハリム(スランゴール)を左右に、中央にはダレン・ロック(サバ)を前線に配置しています。また中盤はラベル・コービン=オングとアリフ・アイマン(いずれもジョホール)を左右両サイドハーフに、アフィク・ファザイル(ジョホール)とスチュアート・ウィルキン(サバ)がインサイドハーフ、最終ラインは左からディオン・コールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)、ジュニオール・エルドストール(インドネシア1部デワ・ユナイテッド)、そしてこの試合ではキャプテンマークをつけたマシュー・ディヴィーズ(ジョホール)とい11月21日のFIFAワールドカップアジア2次予選台湾戦と全く同じ布陣です。

またこの試合では、試合前からケガの回復が遅れていることが報じられていたエンドリック・ドス・サントスとナチョ・インサ(いずれもジョホール)がベンチ外となった他、クザイミ・ピー(スランゴール)もベンチ外となっています。

一方のヨルダン代表は、DFヤザン・アル=アラブ(前スランゴール)、MFノー・アル=ラワブデ(スランゴール)、MFマフムード・アル=マルディ(前クダ)のマレーシアリーグ経験者3名が先発XIに名を連ねた他、ベンチにはMFファディ・アワド(PDRM)も控えています。

攻撃的な布陣を選んだマレーシアはキックオフと同時に積極的にプレーし、これに伴ってディフェンスラインも高い位置に取りますが、その裏を取られて逆に攻め込まれる場面が試合当初から度々見られるなど浮き足立つマレーシアでしたがそんな中、12分にヨルダンが先制します。

人数をかけてペナルティエリアを守るマレーシアに対しヨルダンFWヤザン・アル=ナイマト(カタール1部アル・アハリ)は、そこを崩せないと見ると左サイドにいたマフムード・アル=マルディへバックヒールでパス。これをマフムード選手がペナルティエリアの外から絶妙にカーブをかけたシュートを放つと、マレーシアGKシーハン・ハズミが伸ばした指先をかすめてゴールに吸い込まれ、ヨルダンが1-0とリードします。

さらに18分にはDFマシュー・ディヴィーズが自陣ペナルティエリア内にボールを持ち込もうとしたヤザン・アル=ナイマト選手と接触。VARの介入の結果、これがPKとなり。これをFWムーサ・アル=タマリ(フランス1部モンペリエ)が決めてヨルダンが2-0とします。また24分にはやはりムーサ選手が豪快なシュートを放つも、再びVARが介入した結果、これはオフサイドとなりマレーシアは命拾いをします。

しかしその後もマレーシアは頑なに最終ラインを高い位置に保持し、ヨルダンがその裏を狙ったロングパスを使いながらも、マレーシア3バックの連携が悪いと見ると両サイドからの突破を試みるなど、試合は完全にヨルダンペースで進み、32分には右サイドからヤザン選手に持ち込まれると、最後はマイナスのパスがゴール前のマフムード選手へ。これを押し込まれて、ヨルダンに3点目を許し、前半はヨルダンが3-0とリードして終了します。

前半はシュート2本(枠内0本)と攻撃的布陣が機能しなかったマレーシアは、後半に入るとFWロック選手に代えてDFシャールル・サアド(ジョホール)を投入して試合を落ち着かせようとしますが、ヨルダンに向いた流れを変えることはできず、85分には再び最終ライン裏へのロングパスを受けたムーサ選手を止めることができずにゴールを許し、マレーシアは0-4でヨルダンに敗れています。

試合前には活躍が期待されていたアリフ・アイマンも厳しいマークを受けて何もできず、FW陣も前を向いてパスを受ける場面がほとんどないなど、この試合では良いところが見られなかったマレーシア。試合後には多くの選手がミックスゾーンでメディアの問いかけを無視してバスに乗り込んだことが報じられる中、ファイサル・ハリムとスチュアート・ウィルキンがメディア対応をしたとのことですが、この両選手はヨルダン相手に前を向いてプレーし続けた数少ない選手でもありました。

残念な結果にはなりましたが、途中交代のサファウィ・ラシドやアキヤ・ラシドを起用し、彼らが試合の雰囲気に慣れることができたことで、次戦となる1月20日のバーレーン戦(ジャシム・ビン・ハマド・スタジアム)では落ち着いて戦えることを期待したいところです。

この試合のハイライト映像。スタジアムアストロのYouTubeチャンネルより。

AFCアジアカップ2023 グループステージE組第1節
22024年1月15日@アル・ジャヌーブ・スタジアム(アル=ワクラ、カタール)
マレーシア 0-4 ヨルダン
⚽️ヨルダン:マフムード・アル=マルディ2(12分、38分)、ムーサ・アル=タマリ2(18分、85分)
🟨マレーシア(0)
🟨ヨルダン(1):ニザル・アル=ラシダン

またこの試合の前に行われたE組のもう一試合、韓国対バーレーン戦は両チーム合わせてイエローカード7枚が出される乱戦となりました。韓国はMFファン・インボム(黄仁範、セルビア1部レッドスター・ベルグラード)のゴールで先制しますが、一時はアブドゥラー・アル=ハシャシ(バーレーン1部アル・アハリ)のゴールで追いつかれ、その後イ・ガンイン(李康仁、フランス1部パリ・サンジェルマン)が逆転ゴールを含む2発を決めて、初戦勝利を挙げています。

2024年1月15日@ジャシム・ビン・ハマド・スタジアム(アル=ヤラン、カタール)
韓国 3-1 バーレーン
⚽️韓国:ファン・インボム(38分)、イ・ガンイン2(56分、68分)
⚽️バーレーン:アブドゥラー・アル=ハシャシ(51分)
🟨韓国(5):パク・ヨンウ(朴鎔宇)、キム・ミンジェ(金玟哉)、イ・キジェ(李記帝)、チョ・ギュソン(曺圭成)、ソン・フンミン(孫興民)
🟨バーレーン(2):アリ・マダン、モセス・アテデ

韓国対バーレーン戦のハイライト映像。スタジアム・アストロのYouTubeチャンネルより

AFCアジアカップ2023 グループステージE組順位(第1節終了)

勝点
1 ヨルダン 1 1 0 0 4 0 4 3
2 韓国 1 1 0 0 3 1 2 3
3 バーレーン 1 0 0 1 1 3 -2 0
4 マレーシア 1 0 0 1 0 4 -4 0
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