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11月16日のニュース
1300円は高過ぎ?本日のワールドカップ予選のチケット売り上げは試合当日になっても1万枚
まだピッチに不安?ワールドカップ予選で対戦のマレーシア、キルギス両代表チームは試合会場での前日練習が不許可に
試合前日会見-マレーシア代表のキム監督はD組で勝点12を目指すと表明
試合前日会見-キルギス代表監督はマレーシア代表の情報は収集済みと自信をのぞかせる

今週からアジア各地でFIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選が始まります。マレーシアスーパーリーグでプレーする選手からは、ケヴィン・メンドーザ、パトリック・ライヒェルト(KLシティFC)、マニー・オット(クダ・ダルル・アマンFC)、ケヴィン・イングレッソ(スリ・パハンFC)、O・J・ポルテリア(クランタン・ユナイテッド)がフィリピン代表で、ジョルディ・アマト(ジョホール・ダルル・タジムFC)とサディル・ラムダニ(サバFC)がインドネシア代表で、ハイン・テット・アウン(ヌグリスンビランFC)とコー・ミン・ウー(PDRM FC)がミャンマー代表で、サフアン・バハルディン(スランゴールFC)がシンガポール代表で予選に臨みます。この他、バーレーン代表のモーゼス・アテデ(クダ・ダルル・アマンFC)、レバノン代表のソニー・サアド(ペナンFC)、タジキスタン代表のアミルベク・ジュラボエフ(クダ・ダルル・アマンFC)も各代表に招集されています。さらにはアフリカ予選には、リベリア代表にクパー・シャーマン(スリ・パハンFC)とマーカス・マコーリー(PDRM FC)、ナミビア代表にペトラス・シテムビ(クチンシティFC)も選ばれています。

隣国タイでは代表チームマネージャーのマダム・パンが、代表チームが2次予選を突破すればチーム全体に1000万バーツ(4250万円)を、また2次予選でも勝点1あたり100万バーツ(およそ425万円)のボーナスを出すことを表明して話題になっています。一方マレーシアでは、本日の初戦となるキルギス代表戦のチケットがあまり売れていないようです。

1300円は高過ぎ?-本日のワールドカップ予選のチケット売り上げは試合当日になっても1万枚

今日11月16日から始まるFIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選初戦となるマレーシア代表対キルギス代表のチケットの売り上げ枚数が伸び悩んでいます。

先月10月のFIFA国際マッチカレンダーで開催されたムルデカ大会では、10月13日(金)に行われた初戦のインド代表戦が4万6,150人、10月17日(火)に行われた決勝のタジキスタン代表戦が3万6,559人と2試合で8万人を超える観衆がクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場に集まりました。

しかし本日11月16日(木)にブキ・ジャリル国立競技場で午後9時キックオフ予定のキルギス代表との試合では、本日11月16日の午前0時の時点でチケットの売上枚数が1万枚程度であるとマレーシアサッカー協会(FAM)が発表しています。キルギス代表のFIFAランキングは97位、マレーシア代表は同137位とマレーシアは格上の相手に挑むことから、ホームで戦う利点を生かし多くのサポーターの声援を期待したいところです。

歴史あるムルデカ大会とは言え、ただの国際親善試合に4万人を超える観衆が集まった一方で、ワールドカップ予選という公式戦のチケット売り上げが1万枚にも満たないという事態について、SNS上では、用事をギリギリまで伸ばすマレーシア人の特徴としてチケット購入も試合直前に行うからだ、といった意見や、マレー半島西海岸側が雨季に入っており悪天候下での試合が心配だといった意見が見られます。しかしそれとは別にそもそもチケットの値段が高額すぎるからではないかという指摘が出ています。本日のキルギス代表戦は最も安いバックスタンドが子ども5リンギ(およそ160円)、大人40リンギ(およそ1,300円)、メインスタンドが60リンギ(およそ1,900円)、そして最も高額のプレミアム席が80リンギ(およそ2,600円)となっています。またFAMはこのチケット1枚につき、パレスチナ支援基金に2リンギ(およそ62円)を、また代表チームの愛称がハリマウ・マラヤ「マラヤの虎」であることから、絶滅危惧種となっているマレー虎の保存基金へも1リンギを寄付することも発表しています。

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イスラム教国として、イスラエルを支援するアメリカ大使館前でデモをしたり、イスラエルを支援しているとしてスターバックス、マクドナルド、ネッスルといった企業に対する不買運動を熱心に呼びかけるいるのが現在のマレーシアです。今回の代表戦チケットを購入すれば、代表戦を見られる上に、自分の購入したチケット代の一部でパレスチナ支援もできる一石二鳥だと思うのですが、そう考えるサッカーファンは多くはないようです。

食料品を中心に多くの商品価格が上昇し、リンギ安が進んでいる点は日本と変わらないマレーシアでは、政府主導で「慈悲価格」と呼ばれる質を落とした廉価な商品やサービスの提供が求められています。例えばマクドナルドでは、チーズバーガーあるいはチキンバーガーとアイスレモンティーのセットが5リンギ(およそ160円)、ケンタッキーではチキン1ピース、パン、ミネラルウォーターのセットがやはり5リンギで提供されています。こういった価格に慣れてしまった人々には40リンギのチケットは高額に映るのかも知れません。こういった声を受けてか、数日前にはマレーシア政府青年スポーツ省のハンナ・ヨー大臣が価格を下げた「慈悲価格」のチケットを販売して、できるだけ多くのサポーターを集めるべきだと、といった提言をFAMに行っています。

ただしSNS上ではこの40リンギというチケットの価格を巡っては、来年2月にクアラ・ルンプールでコンサートを行うことを発表している英国人歌手のエド・シーランの公演チケットが最も安い席で198リンギ(およそ6,300円)であることを引き合いに出して、その半分の100リンギにすらなっていない代表選チケットの価格設定が公正であることを主張するものや、昔のファンは食事を減らしてでもチケット代を貯めて代表戦を応援していたといったものがある一方で、客席をサポーターで埋めたいのであればチケット価格を下げるべきといったものまで様々です。果たし、今日の試合にはどのくらいの観衆が集まるのでしょうか。

まだピッチに不安?ワールドカップ予選で対戦のマレーシア、キルギス両代表チームは試合会場での前日練習が不許可に

本日のFIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選で対戦するマレーシア、キルギス両代表が試合前日練習を試合会場で行うことが許可されなかったと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

この練習不許可については、ピッチの状態を最前に保つことが目的とニューストレイトタイムズの記事では説明されていますが、先月10月に行われたムルデカ大会では、新装なったブキ・ジャリル競技場に新たに敷かれた高麗芝の一種、ゼオン・ゾイシアが十分に根付いておらず、ピッチのあちこちでぽっかりと芝が剥がれたり、表面の芝の塊が滑って選手がバランスを失うなどの場面も見られ、大会に参加したインド代表やタジキスタン代表だけでなく、マレーシア代表サポーターから不満や批判の声が出ていました。

マレーシアサッカー協会(FAM)のハミディン・アミン会長は、「数週間前に(ブキ・ジャリル国立競技場の)ピッチを視察した際には、最高の状況ではなかったものこれまでよりは改善されており、試合で使用することができると判断した。その一方で試合前日練習はブキ・ジャリル国立競技場では行うべきでないこともそこで決定した。」と述べ、ブキ・ジャリル国立競技場を管理するマレーシア・スタジアム社がピッチの状況を整えようと全力で取り組んでいると説明しています。

試合前日会見-マレーシア代表のキム監督はD組で勝点12を目指すと表明

一方マレーシア代表のキム・パンゴン監督は、本日対戦するキルギス、次戦となる1111月21日に対戦する台湾、そして中東の強豪オマーンが同居するグループステージD組で勝点12を獲得する目標を明らかにしています。そして勝点3を獲得するべき試合の一つとして、本日のキルギス代表戦を挙げています。

「(D組の)6試合で勝点12が獲得できれば(3次予選進出には)十分である。勝点13となれば言うことはない。」と述べたキム監督は、今日のFIFAランキング97位のキルギス代表戦は「負けられない一戦」であり、これに勝利すればFIFAランキング137位のマレーシア代表が3次予選に進出するという目標へのモチベーションになるとし、またチームにはその力があると話しています。

その上でキム監督は「チームが3次予選に進むためにはサポーターの声援が必要である。チケットの売り上げ枚数に問題があることも承知しているが、ホームという地の利がありながら1万人では不十分である。キルギス代表を震え上がらせるほどの大観衆でスタジアムを埋めて欲しい。」と訴えて、サポーターが大挙してブキ・ジャリル国立競技場へやってくることを求めています。

近年マレーシア代表はFIFAワールドカップ予選でアジア2次予選を突破することができていません。アジア枠が8.5に増えた今回のFIFAワールドカップ予選ですが、3次予選には各組の上位2チームが進出することから、順当ならD組をトップ通過するであるFIFAランキング72位のオマーンに次ぐD組2位の座をマレーシアはキルギスと争うことになりそうです。

試合前日会見-キルギス代表監督はマレーシア代表の情報は収集済みと自信をのぞかせる

本日のFIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選で対戦するマレーシア、キルギス両代表の監督が試合前日会見を行い、キルギス代表のシュテファン・タルコヴィッチ監督は、マレーシアにいる「知人」を通じてマレーシア代表の情報は収集済みと述べ、試合に向けての自信を示していると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

スロバキア出身で自国代表監督などを経て今年4月に就任した50歳のタルコヴィッチ監督は、マレーシアには数名の「個人的な知り合い」がおり、前述のブキ・ジャリル国立競技場のピッチの状態についても把握していると、述べた他、マレーシア代表との対戦に向けて9月のFIFAカレンダーではアラブ首長国連邦のドバイで、10月にはバーレーンへ遠征を行い、熱帯の気候に備えてきたとも話しています。

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今回のキルギス代表メンバーには、2018年にPKNS FC(既にリーグ撤退)でプレーしたDFタミルラン・ゴズバエフ(現香港1部イースタンSC)と、今季途中までクランタン・ユナイテッドでプレーし、11試合で0ゴールの成績を残して途中退団したFWエルニスト・バトゥルカノフ(現キルギス1部FCアブディシュ・アタ・カント)のマレーシアリーグ経験者もいます。

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