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4月26日のニュース タイ1部リーグ第27節-ディオン・コールズは途中出場もブリーラムUの2連覇に貢献、ジュニオール・エルドストールとサファウィ・ラシドの対決は実現せず タイFAカップ決勝-ディオン・クールズはフル出場でブリーラムUの2連覇に貢献 帰化選手ブームは止まらない-2度目のトランスファーウィンドウではさらに3名の外国籍選手がマレーシア人選手として登録か ルクマン・ハキムがアイスランドリーグ移籍後初のゴールを決める

タイ1部リーグ第27節-ディオン・コールズは途中出場もブリーラムUの2連覇に貢献、ジュニオール・エルドストールとサファウィ・ラシドの対決は実現せず

4月22日と23日にタイ1部リーグ第27節が行われています。ブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズは75分から途中出場となりましたが、チームは勝利、昨季に続くリーグに連覇を達成しています。また今節はサファウィ・ラシドが所属するラーチャブリーFCとジュニオール・エルドストールが所属するPTプラチュワプFCが対戦しましたが、サファウィ選手はベンチ入りせず、またエルドストール選手はベンチ入りしたものの出場がなく、マレーシア人選手対決は実現しませんでした。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ第27節
2023年4月22日@レオ・チェンライスタジアム
レオ・チェンライ・ユナイテッド 1-2 ブリーラム・ユナイテッド
 この試合で引き分け以上なら優勝が決まるブリーラム・ユナイテッドが、チェンライ・ユナイテッドの反撃を1点に押さえて勝利し、3節を残しながらリーグ2連覇を果たすとともに、4月19日のFAカップ優勝に続く国内2冠を達成しています。
ブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズは、3日前のFAカップ決勝に先発してフル出場したこともあってか、この試合は75分からの出場でした。

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 タイ1部優勝チームでプレーしたのは2020/2021シーズンにBGパトゥム・ユナイテッドでプレーしたノーシャルル・イドラン・タラハ以来2人目ですが、ノーシャルル選手は最後は出場機会もなくなり、ベンチ外となることもあり、優勝に貢献したのか、と言われると微妙ですが、コールズ選手は今年初めにチェコ1部のFKヤブロネツから移籍すると、12試合に出場しています。マレーシアのサラワク州クチン生まれながら、年代別代表でもプレーしたベルギーやデンマーク、チェコとヨーロッパのリーグでプレーし続けたコールズ選手にとっては、タイリーグでのプレーは自身初めてとなるアジアでのプレーでしたが、石井正忠監督の期待に十分応えたのではないでしょうか。
また今日4月26日は国内三冠がかかるタイリーグカップの準決勝、PTプラチュワップ戦があり、この試合に勝てば、2期連続の国内三冠の偉業に王手がかかります。

2023年4月22日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ラーチャブリーFC 1-1 PTプラチュワップFC
 いずれもマレーシア人選手が所属するクラブの対戦になったこのカードですが、引き分けに終わっています。
ラーチャブリーFCのサファウィ・ラシドはベンチ入りせず、PTプラチュワップFCのジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナダル・アマルハン・マデルナー)は、3試合連続でベンチ入りしましたが、出場がありませんでした。

タイ1部リーグ順位表(第27節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位 チーム 勝点
1 ブリーラムU 27 22 4 1 68 23 45 70
2 バンコクU 27 18 4 5 51 19 32 58
3 ムアントンU 27 13 8 6 51 33 18 47
6 ラーチャブリー 27 10 10 7 29 20 9 40
11 プラチュワップ 27 7 8 12 37 46 -9 29

タイFAカップ決勝-ディオン・クールズはフル出場でブリーラムUの2連覇に貢献

4月19日にタイFAカップ決勝が行われ、ディオン・コールズが所属するブリーラム・ユナイテッドがポートFCを2-0で下して優勝し、昨季に続く2連覇を達成しています。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイFAカップ決勝
2023年4月19日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ブリーラム・ユナイテッド 2-0 ポートFC
 2019年以来3期ぶりの優勝を狙うポートFCと大会2連覇を目指すブリーラム・ユナイテッドの対戦は、今季終了後に英国1部プレミアリーグ移籍が噂される20歳のスパナット・ムエアンタのゴールで先制したブリーラムが、その後も相手のオウンゴールでリードを2点に広げ、そのまま逃げ切って大会2連覇をはたしています。
ブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズは、先発してフル出場しています。

帰化選手ブームは止まらない-2度目のトランスファーウィンドウではさらに3名の外国籍選手がマレーシア人選手として登録か

いずれもブラジル出身のパウロ・ジョズエ(KLシティ)とエンドリック・ドス・サントス(ジョホール・ダルル・タジム-JDT)は、今年に入ってからマレーシア国籍を取得し、今季のスーパーリーグではマレーシア人選手として登録されています。また両選手ともマレーシア国内で既に5年以上プレーしていることから、FIFAの規定によりマレーシア代表でもプレーすることが可能で、3月のFIFA国際マッチカレンダーに行われたトルクメニスタン戦では、早速、代表戦デビューも果たしています。

マレーシア人の両親を持たない外国籍選手がマレーシア国籍を取得してマレーシア人戦勝としてプレーするケースは過去5年間で急速にその数が増えており、この両選手を合わせると既に7名の帰化選手がマレーシア国内でプレーしています。残る5名は、2018年にマレーシア国籍を取得し、国内サッカー史上初の帰化代表選手となったFWモハマドゥ・スマレ(JDT、ガンビア出身)、MFリリドン・クラスニキ(トレンガヌ、コソボ出身)、MFリー・タック(クダ、英国出身)、MFエセキエル・アグエロ(スリ・パハン、アルゼンチン出身)そして今季は3部のM3リーグでプレーするFWギリェルメ・デ・パウラ(マラッカ、ブラジル出身)ですが、いずれも既にマレーシア代表でのプレー経験もある選手たちです。

わずか5年間で7名が誕生したこの「帰化選手ブーム」ですが、英字紙スターによると、今季2度目のトランスファーウィンドウでもさらにそのブームは続くようです。帰化選手を取り上げた記事では、少なくとも3名の外国籍選手がマレーシア国籍取得の申請を行なっており、いずれも現在は審査中だということです。

その1人でモンテネグロ出身でトレンガヌでプレーするDFアルグジム・レゾヴィッチがスターの取材に応えています。最近、自身の国籍取得申請の審査状況についてマレーシアサッカー協会FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長と話をしたばかりというレゾヴィッチ選手は、(審査を行う)マレーシア政府内務省次第としながらも、7月5日から8月1日までとなっている今年2度目のトランスファーウィンドウで、マレーシア人選手として登録されることを望んでいると話しています。31歳のレゾヴィッチ選手は、マレーシア生まれの選手にはなかなかいない190cmの長身センターバックで2018年にPDRMでプレーした後、2019年からはトレンガヌでプレーしています。

またレゾヴィッチ選手はブラジル出身のFWカサグランデ(ヌグリスンビラン)とコロンビア出身のMFロメル・モラレス(KLシティ)の両選手も同様に国籍取得申請の審査を受けていると話し、3人揃ってトランスファーウィンドウ後にはマレーシア人選手としてプレーできることを願っていると話しています。

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今季のスーパーリーグは1チームあたり外国籍選手9名(アジア枠1名、東南アジア枠1名を含む)の登録が可能になっています。試合で同時にピッチ場にいることができるのは最大5名(うちアジア枠1名、東南アジア枠1名)で、今季のトレンガヌの外国籍選手は、アジア枠、東南アジア枠以外の選手では新加入のMFドマゴイ・プシッチとFWイヴァン・マムートに加え、MFソニー・ノルデ、FWジョーダン・ミンターがおり、DFのレゾヴィッチ選手には開幕から出場機会がありませんでした。しかしセンターバックとして開幕からの6試合全てにフル出場していたウズベキスタン出身のサルドール・クルマトフがハムストリングを痛めて以降は、その穴を埋める形でレゾヴィッチ選手が第7節から3試合連続で先発してフル出場しています。クルマトフ選手の復帰時期や、復帰後もトミスラフ・スタインブリュックナー監督がレゾヴィッチ選手を起用し続けるかは定かではないですが、マレーシア国籍が取得できればこういった心配もなくなります。

ルクマン・ハキムがアイスランドリーグ移籍後初のゴールを決める

東京ヴェルディへ移籍したプラタマ・アラハン(インドネシア)や、英国1部レスターシティへの移籍が決定的なスパナット・ムエアンタ(タイ)ら近隣諸国の同年代の選手たちが国外での活躍を目指す中、2019年にベルギー1部のKVコルトレイクと5年契約を結んだ当時18歳のルクマン・ハキムは、KVコルトレイクでは出場機会を得られず、今年2月にアイスランド1部のUMFニャズルヴィークへ期限付き移籍を果たしました。

リーグ戦では未だ出場機会はないものの、このブログでも以前紹介した通り、4月8日に国内カップ戦のアイスランドカップ2回戦では、アイスランドリーグ移籍後初となる公式戦出場を先発出場で果たしています。そして4月20日開催されたアイスランドカップ3回戦では途中出場ながら、ついに移籍後初となるゴールを挙げ、チームの勝利に貢献したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

アイスランド3部のクナッツペトヌフィエラフ・オストフィヨルダ(KFA)とのアイスランドカップ3回戦に75分から出場したルクマン選手は90+3分にチーム4点目、自身にとっては移籍後初となるゴールを挙げ、チームのベスト16進出に貢献しています。

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