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2023マレーシアスーパーリーグ
第9節結果とハイライト映像-ジョホールは開幕9連勝、スランゴールが連勝チーム対決を制してジョホールを猛追、クランタンUは未だ勝利なし

4月18日にマレーシアスーパーリーグ9節の4試合が開催されています。今季は1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの統合によるリーグ改編によりチーム数が14に増えたため、春秋性のスーパーリーグは今節で、今季の三分の一の日程を終えたことになります。
また今節はラマダン(イスラム教の断食月)期間中に開催される最後の節です。4月21日とされている断食月の明け(太陰暦で翌月の始まりとなる新月を目視できることで断食月終了となるため、目視できなければ翌日4月22日になることもあり、このような表現にしてあります。)を祝うイスラム教徒にとっては最大の祝日ハリラヤ・アディルフィトリを控え、ここまでFAカップも含めると20日間弱で5試合をこなした過密日程も、ここで1週間ほどの休みに入ります。
その一方で今日4月19日からは5月にカンボジアで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU22代表の合宿が始まることもあり、次節第10節は4月27日と28日に開催が予定されています。(試合のハイライト映像はいずれもMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年4月18日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
観衆:275人
クチンシティ0-1 スリ・パハン
⚽️パハン:アザム・アジー(57分)
🟨クチンシティ:なし
🟨パハン:ステファノ・ブルンド、マリク・アリフ
MOM:アザム・アジー(スリ・パハン)

 代表MFアザム・アジーの今季初ゴールで、パハンがリーグ戦の今季無敗記録を9まで伸ばしています。4月15日のFAカップ2回戦のスランゴール戦に0-4で敗れたパハンは今季無敗記録は破られたものの、リーグ戦はこの試合の勝利で5勝4分と無敗記録を守りました。
クチンシティは、ペナンに大敗したFAカップ2回戦に続き、またリーグ戦では第4節のペラ戦以来初めてGKジュリアン・シュワルツァーを外し、外国籍選手5人全員がフィールドプレーヤーという布陣で臨み、その効果もあってか善戦しましたが、開幕戦以来の勝利とはなりませんでした。
クチンシティの谷川由来選手はこの試合も先発してフル出場しています。

2023年4月18日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:2,590人
クダ 2-3 KLシティ
⚽️クダ:ジョナタン・バロテッリ(25分)、ボヤン・シガー(30分)
⚽️KLシティ:パウロ・ジョズエ(11分)、ロメル・モラレス(48分)、カイオン(75分)
🟨クダ:なし
🟨KLシティ:ライアン・ランバート
MOM:ロメル・モラレス(KLシティ)

 第6節まで未勝利だったKLシティが3連勝で8位から7位に浮上しています。
KLシティのロメル・モラレスは4月14日のFAカップ2回戦で今季初ゴールを決めると、この試合では同点ゴールとなる今季リーグ戦初ゴールを決めるなど復調の兆しを見せています。また71分に導入されたカイオンが75分に決勝ゴールを決めるなど、ボヤン・ホダック監督の選手起用も見事でした。
一方のクダは、勝点差2で臨んだ第8節でのジョホール戦で喫した0-6の大敗以来の2連敗となっただけでなく、今季はFAカップのペナン戦を含めると、早くもホームで3敗目となり、ジョホールとは勝点差8、3位との勝点差も3と広がっています。

2023年4月18日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:5,207人
スランゴール 5-1 トレンガヌ
⚽️スランゴール:エイロン・デル・ヴァイエ(17分、70分)、ファイサル・ハリム(21分)、ハリス・ハイカル(40分)、アリフ・ハイカル(84分)
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート(61分)
🟨スランゴール:V・ルヴェンティラン
🟨トレンガヌ:ドマゴイ・プシッチ
MOM:エイロン・デル・ヴァイエ(スランゴール)

 ともにFAカップも含めていずれも4連勝中だった両チームの対戦は、激しいぶつかり合いが期待されましたが、蓋を開けてみれば、予想外の一方的な試合でスランゴールがトレンガヌに圧勝しています。
ケガのため4月15日のFAカップ2回戦では出場のなかったアレクサンダー・アギャルクワとノー・アル=ラワブデが先発に戻ったスランゴールは、この試合で今季初めてV・ルヴェンティランも先発に起用しました。試合はトレンガヌが試合開始から積極的に攻め、11分にはジョーダン・ミンターのフリーキックがゴールポストに阻まれましたが、これを合図としたかのように、ここからスランゴールの猛攻が始まりました。エイロン・デル・ヴァイエのロングシュートで先制すると、そこから前半だけで3-0とリードし、後半にはトレンガヌに1点を返されるものの、エイロン選手がトレンガヌ守備陣の裏に抜けてこの試合2点目を決め、最後は第2キーパーのサミュエル・サマーヴィルにまで今季初出場の機会を与える余裕を見せるなど、一方的な試合展開でスランゴールが連勝を4に伸ばしています。

2023年4月18日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:1,630人
ペナン 2-0 クランタン・ユナイテッド
⚽️ペナン:ニック・アキフ(48分)、ラファエル・ヴィトール(58分)
🟨ペナン:カイルル・アクマル・ロキシャム 、アズミール・アリス
🟨クランタン:アリフ・アル=サイード、ファンディ・オスマン
MOM:ラファエル・ヴィトール(ペナン)

 前節第8節まで2勝2分4敗のペナンは、その2勝をいずれもホームで記録していますが、この日も直近の4試合中でホーム3試合目となったこの試合でも、今季未勝利のクランタン・ユナイテッドに勝利し、3勝全てがホームでの勝利となりました。一方のクランタン・ユナイテッドは3月13日の第4節以降は、FAカップも入れると6試合連続でアウェイマッチが続くなど、かなり不公平とも言える日程にも苦しめられ、またケガ人が続出していることから、この日はベンチ入りが18名と規定より2名少ないなど試合前から不利な状況でした。
さらにクランタン・ユナイテッドにとって痛かったのは、ここまでチームの全試合に先発していた守備的MFモルガロ・ゴミスが開始わずか8分でケガで交代退場となったことでした。そうでなくとも選手層が薄いクランタン・ユナイテッドにとってはこの交代が大きなダメージ、一方のペナンにとっては大きなチャンスとなりました。前半は両チームが互角に渡り合ったものの、後半にペナンが48分に先制すると徐々にペナンが試合を優勢に進め、その後も1点を加えたペナンが逃げ切っています。
第7節を終えて未勝利だったクランタン・ユナイテッドはトマス・トルチャ監督を「休養」させ、ナズルラーワン・マクモル コーチが監督代行として指揮を取っていますが、その結果は3試合連続0封の3連敗と状況は改善していません。

2023年4月19日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:5,210人
サバ 6-1 クランタン
⚽️サバ:ダニエル・ティン2(4分、11分)、ダレン・ロック(48分)、バドロル・バクティアル(61分)、スチュアート・ウィルキン(75分)、テルモ・カスタニェラ(90+1分)
⚽️クランタン:ミゲル・シフエンテス(46分)
🟨サバ:リザル・ガザリ、テルモ・カスタニェラ
🟨クランタン:ヌハ・マロング、マリオ・アルケス、アリプ・アミルディン
MOM:ダニエル・ティン(サバ)

 サバが4試合ぶりの勝利で4位に浮上。
直近の3試合では1分2敗、得点1失点7と苦しんでいたサバが、その鬱憤を晴らすかのようにクランタンを一蹴し、4試合ぶりの勝利を挙げるとともに、ホームでは4連勝を記録しています。開始4分でダニエル・ティンのゴールで先制したサバは、その7分後にもティン選手が2点目を挙げると試合の主導権を一度も渡さず、完勝しています。
オーナーがクラブの売却を示唆するなど、ピッチ内だけでなくピッチ外でも問題を抱えるクランタンは、この試合でも大量失点で敗れ、開幕からの9試合で失点が31とリーグ最多となりました。

2023年4月19日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
観衆:1,147人
ペラ 1-1 ヌグリスンビラン
⚽️ペラ:アリフ・ジクリ(5分)
⚽️ヌグリスンビラン:シャーレル・フィクリ(70分)
🟨ペラ:なし
🟨ヌグリスンビラン:シャーレル・フィクリ、ハスブラー・アブ・バカル
MOM:レヴィ・マディンダ(ヌグリスンビラン)

 ペラが5試合ぶりの勝点、ヌグリスンビランは相変わらずの得点力不足に泣く。
4連敗中のペラはアリフ・ジクリのゴールで先制すると、その後も好機を作りますが、追加点をあげられないまま試合は後半へ。後半に入るとヌグリスンビランが試合のペースを掴み、70分に同点には追いつきますが、若手主体のペラ相手に追加点を挙げることができずに引き分けています。

2023年4月19日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:1,705人
PDRM 0-1 ジョホール
⚽️ジョホール:フェルナンド・フォレスティエリ(61分)
🟨PDRM:ファクルル・アジム・ズルファター、マーカス・マコーレー、チョン・ミン・ウー
🟨ジョホール:なし
🟥PDRM:チョン・ミン・ウー(🟨x2)
MOM:ノー・ハキム・ハミドン(PDRM)

 PDRMのGKの攻守と超守備的戦術に苦しみながらもジョホールが辛勝で開幕9連勝。
この両チームは5日前にはFAカップ2回戦で対戦し、その際には3-0でホームのジョホールが勝利しています。しかもリーグ戦では今季ここまでの8試合で36得点とその攻撃力に絶対の自信を持つジョホールをホームに迎えたPDRMが取ったのは、警察が母体のチームということもあってか(笑)徹底した「バリケード」でした。その結果、ボールの保持率はジョホールが78%でPDRMが22%、シュート数はジョホールの13に対してPDRMは0、コーナーキックはジョホールの11に対してPDRMは0と、徹底期に守り切ったPDRMがジョホールを今季最小得点の1点に抑えて、大敗を逃れています。
ちなみにこの試合ではジョホールが勝利したものの、MOMはPDRMのGKノー・ハキム・ハミドンが獲得しています。21歳のノー・ハキム選手はこの試合が今季初出場の初先発ながら、ベルグソン・ダ・シルヴァのPKを止めただけでなく、ファイインセーブを連発して失点を防いでいます。元ジョホールのノー・ハキム選手に加え、4月19日はサバのダニエル・ティン、ヌグリスンビランのレヴィ・マレンダといったジョホールから期限付き移籍中の選手がいずれもMOMを獲得しており、ジョホールの影響力が感じられる日になりました。
PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発して、80分に交代しています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第9節終了時)

順位 チーム 勝点
1 JDT 9 9 0 0 37 1 36 27
2 SEL 9 7 1 1 22 9 13 22
3 SRP 9 5 4 0 15 6 9 19
4 SAB 9 5 2 2 22 13 9 17
5 KDA 9 5 1 3 15 14 1 16
6 TRE 9 4 1 4 12 11 4 13
7 KLC 8 3 3 2 11 12 -1 12
8 PEN 9 3 2 4 14 15 -1 11
9 NSE 8 2 4 2 10 15 -5 10
10 PDRM 9 3 1 5 7 12 -5 10
11 PRK 9 1 3 5 5 17 -12 6
12 KCH 9 1 1 7 4 18 -14 4
13 KEL 9 1 1 7 10 31 -21 4
14 KLU 9 0 2 7 5 15 -10 2
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第8節終了時-記録はMFL公式サイトを参照)

順位 選手名(所属チーム) シュート 枠内S アシスト
1 フェルナンド・フォレスティエリ(JDT) 8 34 19 5 9
2 エイロン・デル・ヴァイエ(SEL) 7 17 13 0 9
3 アリフ・アイマン(JDT) 5 15 8 5 9
ステファノ・ブルンド(SRP) 5 18 8 0 9
パク・テス(SAB) 5 14 7 0 7
6 スーニー・サアド(PEN) 4 21 10 0 8
ジョーダン・ミンター(TRE) 4 10 6 1 6
ジオゴ(JDT) 4 11 6 2 6
フアン・ムニス(JDT) 4 18 10 0 7
クパー・シャーマン(SRP) 4 13 5 2 9
ダニエル・ティン(SAB) 4 4 4 1 7
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC
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