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2023マレーシアFAカップ
2回戦結果とハイライト映像-M3リーグのチームは姿を消し、ベスト8は全てスーパーリーグのチームが占める

4月14日と15日に2023マレーシアFAカップの2回戦が行われています。FAカップは日本の天皇杯に当たる、1部スーパーリーグ以外のチームも参加する大会です。コロナ以前は4部や5部に当たるM4リーグやM5リーグのチームも出場していましたが、コロナ以降は規模が大幅に縮小され、今季はスーパーリーグの14チームと3部に当たるM3リーグ14チームから選ばれた6チームの計20チームのみが出場しています。(今季2部プレミアリーグは中止)なおこの2回戦ではM3リーグの全チームが敗退し、ベスト8は全てスーパーリーグのチームが占めています。
また5月27日と28日に予定されている準々決勝のカードはジョホール対ペナン、ヌグリスンビラン対スランゴール、トレンガヌ対クランタン、そしてサバ対KLシティに決定しています。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年4月14日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆:9,429人
ジョホール・ダルル・タジム 3-0 PDRM
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シルヴァ2(3分、12分PK)、レンドロ・ヴァレスケス(27分)
🟨ジョホール:フェロズ・バハルディン、レアンドロ・ヴァレスケス
🟨PDRM:イザク・イズハン、アミル・サイフル・バデリ、マーカス・マコーレー、ウチェ・アグバ
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(ジョホール)

リーグ1位のジョホールと7位のPDRMの対戦は、順当にジョホールが勝利し、ベスト8進出を決めています。ジョホールの先制点は3分でした。右サイドを上ったアリフ・アイマンとワンツーを決めたベルグソン・ダ・シルヴァがファーポストへ走ったところへ、そのアリフ選手が絶妙のクロスを上げます。これをドンピシャのタイミングでベルグソン選手が頭で合わせとゴールが決まりました。2点目と3点目は、今季先発となったアキヤ・ラシドがいずれもゴール前で倒されてPKを獲得したものでした。ベルグソン選手とレアドロ・ヴァレスケスがそれぞれPKを決め、ジョホールが27分で3-0とPDRMを引き離しました 。
それでも後半は徐々にペースを掴み始めたPDRMがそれ以上の失点を許さなかったものの、ジョホールゴールを破ることもできず、試合はこのまま3-0で終了しています。
ジョホールはアキヤ選手やここまでリーグ戦では全く出番のなかったGKファリサル・マーリアスを今季初先発となった起用する一方で 、リーグ戦全試合の8試合に先発しているジョルディ・アマトを前半で交代させるなど、相変わらず選手層の厚さを見せつけました。なおこの両チームは、4月19日にスーパーリーグ第9節で再び対戦します。
PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発して65分に交代しています。

2023年4月14日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンムスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:5,150人
トレンガヌ 4-0 マラッカ
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート(6分)、ハキミ・アブドラー(71分)、ジョーダン・ミンター2(82分、90+3分)
🟨トレンガヌ:アザム・アズミ、ドマゴイ・プシッチ
🟨マラッカ:ユワラサン・マニオム、リズワン・ラザリ
MOM:ジョーダン・ミンター(トレンガヌ)

リーグ6位のトレンガヌとM3リーグ7位(14チーム中)のマラッカの対戦は、リーグ戦でも好調のジョーダン・ミンターの2ゴールなどでトレンガヌが圧勝しています。格下のマラッカ相手ということで、この日は若手を積極的に起用したトレンガヌのトミスラフ・スタインブリュックナー監督の期待に応え、昨日発表になった東南アジア競技大会通称シーゲーム出場のU22代表候補に選ばれたGKラーディアズリ・ラハリム、DFアザム・アズミ、DFサフワン・マズランに加え、MFシャフィク・イスマイル、DFハイリー・ハキム、FWエンク・ヌル・シャキルらも勝利に貢献して活躍しています。
給料未払い問題により、昨季はスーパーリーグ10位に終わりながら、今季のクラブライセンスが交付されなかったマラッカ・ユナイテッドに代わり、新設チームとして今季から3部に当たるM3リーグに参加しているマラッカ。3部ながらポルトガル出身のペドロ・イポリト監督を招聘するなど積極的ですが、創設4ヶ月のチームにはトップリーグでの経験がある選手がほとんどおらず、スーパーリーグの壁はまだまだ厚かったようです。

2023年4月14日@MPMスタジアム(ペラ州マンジュン)
観衆:567人
マンジュンシティ 0-3 クランタン
⚽️クランタン:マリオ・アルケス(33分)、ヌハ・マロング2(59分、90分)
🟨マンジュンシティ:ファリス・アリフィン、ワン・モハマド・イザト・ワン・ザイディ
🟨クランタン:ヌハ・マロング、アリプ・アミルディン、アズファル・アクバル、ハン・ウイチャン、ガファル・アブドル・ラーマン
MOM:ヌハ・マロング(クランタン)

スーパーリーグ11位のクランタン対M3リーグ10位で今季未勝利のマンジュンシティの対戦は、全然の予想では、ピッチ外での問題に揺れるクランタン相手にマンジュンシティがジャイキリのチャンスもあるのではと言われていたものの、蓋を開けてみればクランタンの勝利に終わっています。それでもシュート数はクランタンの11本に対してマンジュンシティは12本、枠内シュートもクランタンの5本に対しマンジュンシティは3本と、両チームの差はスコアほどの大差ではありませんでした。
なおクランタンはこの試合の後で、昨季はジョホールでプレーしたDFカルリ・デ・ムルガら外国籍選手2名を含む3名との契約解除を発表するなど、チェ・ムンシク監督解任、フランク・バーンハート監督就任に続くチーム状況の打開策を打ち出しています。

2023年4月14日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
観衆:402人
KLシティ 2-0 イミグレセン
⚽️KLシティ:T・サラヴァナン(45+2分)、ロメル・モラレス(83分)
🟨KLシティ:フィルダウス・サユディ、ハキミ・アジム
🟨イミグレセン:ハフィズ・カマル、ハズミ・ザイド、ナスリク・バハロム
MOM:ケニー・パッラジ(KLシティ)

スーパーリーグ8位のKLシティとM3リーグ4位のイミグレセンFCは、セミプロチームで母体がマレーシア入国管理局のイミグレセンFC相手にKLシティが前半ロスタイムまで得点を奪えない試合となりました。前半ロスタイムに相手DFのマークが緩くなった隙をついてT・サラヴァナンのゴールで先制すると、後半には今季リーグ戦では未だゴールのなかったロメル・モラレスが、相手のパスをカットして今季初ゴールを決めるなど、少ないチャンスをものしたKLシティが勝利しています。
イミグレセンFCはいずれもミスがらみで失点したものの、外国籍選手がいないハンディを感じさせない善戦を見せましたが、スーパーリーグの壁は破れませんでした

2023年4月15日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
観衆:315人
クチンシティ 0-4 ペナン
⚽️ペナン:ソーニー・サアド(10分)、ラファエル・ヴィトール(48分)、ハディン・アズマン(65分)、ジオヴァニ・ゴメス(90+5分)
🟨クチンシティ:ラフィイザン・ラザリ、アダム・シリーン・タムビ
🟨ペナン:アスナン・アフマド
MOM:ソーニー・サード(ペナン)

スーパーリーグ12位のクチンシティと同10位のペナンの対戦となったこのカードは、アウェイのペナンが快勝しています。リーグ戦ではクチンシティ1勝、ペナン2勝とほぼ成績が変わらない両チームですが、クチンシティは開幕戦で勝利して以降は引き分けを挟んで6連敗中、一方のペナンは直近の3試合で2勝1敗とチームの勢いの差が違いました。ペナンが開始10分で先制すると、そのまま試合のペースを掴み、効果的に追加点を挙げてクリンシティを振り切っています。
数字的には枠内シュート数も含め両チームに差はなかったですが、リーグ戦では1試合平均1.5点を挙げているペナンと、同じく1試合平均では0.5点のクチンシティの差が出た試合でした。なお、この試合の後、クチンシティのイルファン・バクティ監督はチームに対して辞任を申し出たものの、慰留されたという報道もありました。
クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場しています。

2023年4月15日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:4,500人
サバ 2-0 クランタン・ユナイテッド
⚽️サバ:バドロル・バクティアル(13分)、スチュアート・ウィルキン(59分)
🟨サバ:なし
🟨クランタン:なし
MOM:リザル・ガザリ(サバ)

スーパーリーグ5位のサバと同14位で最下位のクランタン・ユナイテッドの対戦は、直近の3試合で勝星がないなど調子を落としていたサバが、リーグでは唯一に未勝利チームであるクランタン・ユナイテッドを破っています。
この試合のヒーローは、今季2度目の先発となったベテランMFバドロル・バクティアルでした。本来の司令塔の役割を果たしながら、ゴール前にも出没するなど35歳とは思えないほど積極的にプレーして、ジョホール戦での大敗から調子を崩していたチームの勝利に貢献しています。、

2023年4月15日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:497人
ヌグリスンビラン 2-0 PIBシャーアラム
⚽️ヌグリスンビラン:カサグランデ(52分)、シャーレル・フィクリ(81分)
🟨ヌグリスンビラン:ハスブラー・アブ・バカル、アナス・ラーマット
🟨PIB:アリフ・ハイカル
MOM:カサグランデ(ヌグリスンビラン)

スーパーリーグ9位のヌグリスンビラン対M3リーグ12位のPIBシャーアラムの対戦は、ヌグリスンビランが貫禄を見せ、M3リーグ最後のチームとなったPIBシャーアラムを破って準々決勝進出を決めています。
チーム合流が遅れたものの徐々に調子を上げてきたカサグランデ、そしてケガからの回復が順調な元リーグ得点王のシャーレル・フィクリと、チームが期待する2人が挙げた2ゴールを守ったヌグリスンビランは、リーグ戦ではここまでの7試合で9ゴールと得点力不足に苦しんでおり、この両FWの復調は今後に向けての好材料と言えそうです。

2023年4月15日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:5,106人
スランゴール 4-0 スリ・パハン
⚽️スランゴール:ムカイリ・アジマル2(41分、59分)、ファイサル・ハリム(67分)、ブレンダン・ガン(72分)
🟨スランゴール:クエンティン・チェン、ムカイリ・アジマル
🟨パハン:バキウディン・シャムスディン、アズワン・アリピン
MOM:ムカイリ・アジマル(スランゴール)

スーパーリーグ2位と3位の対戦となったこの試合は、2位のスランゴールが3位のパハンに結果だけでなく内容でも圧倒して勝利しています。リーグ戦では首位のジョホールとともに今季未だ負けていないパハンに対して、MFノー・アル=ラワブデ、MFアレックス・アギャルカワ、DFシャルル・ナジームの主力を欠くスランゴールのタン・チェンホー監督は時間をかけてボームを回し、パハンが攻め上がってきたところにカウンターを仕掛ける戦術を選択しますが、これが功を奏しました。前半終了間際にムカイリ・アジマルが放ったミドルシュートをパハンGKのイズハム・タルミジが捕球ミスしてスランゴールが先制すると、後半にはムカイリ選手が今度はクエンティン・チャンとの右サイドのワンツーから2点目のゴールを決めてリードを広げると、その後も得点を重ねたスランゴールがパハンを圧倒しました。

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