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4月13日のニュース
タイ1部リーグ第26節-ディオン・コールズはフル出場もジュニオール・エルドストールは出番なし、断食月中のサファウィ・ラシドは途中出場
クランタンオーナー「新監督も5連敗すれば交代させる」
FIFAが今季3部降格のサラワクUに昨季在籍選手への未払い給料支払いを命じる

タイ1部リーグ第26節-ディオン・コールズはフル出場もジュニオール・エルドストールは出番なし、断食月中のサファウィ・ラシドは途中出場

4月8日と9日にタイ1部リーグ第26節が行われています。ディオン・コールズ(ブリーラム・ユナイテッド)は、今節も先発してフル出場していますが、イスラム教の断食月中のサファウィ・ラシド(ラーチャブリーFC)は後半からの途中出場、そして前節には今季初出場を果たしたジュニオール・エルドストール(PTプラチュワプFC)はベンチ入りしたものの、出場はありませんでした。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ第26節
2023年4月8日@サームアーオスタジアム
PTプラチュワップFC 5-1 ノーンブワ・ピッチャヤFC
 前節に6試合ぶりの勝利を挙げたPTプラチュワップFCが連勝で、13位から11位へ躍進しています。
PTプラチュワップFCのジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナダル・アマルハン・マデルナー)は、2試合連続でベンチ入りしましたが、出場はありませんでした。

2023年4月9日@PATスタジアム
ポートFC 1-0 ラーチャブリーFC
 この試合に勝てば3位のポートFCと勝点で並ぶ可能性もあったラーチャブリーFCですが、4試合ぶりに敗れて、4位のムアントン・ユナイテッドとの勝点差も5と開いています。
ラーチャブリーFCのサファウィ・ラシドは65分から出場し、試合終了までプレーしています。

2023年4月9日@チャンアリーナ
ブリーラム・ユナイテッド 2-0 ラムパーンFC
 前節は2位のバンコク・ユナイテッドに敗れたブリーラム・ユナイテッドですが、今節は2-0で解消しています。また今節はバンコク・ユナイテッドがシーズンも残りあと6試合というところでの首位攻防戦は、2位のバンコク・ユナイテッドが14位のラムプーン・ウォリアーFCに敗れる波乱があり、首位のブリーラム・ユナイテッドとバンコク・ユナイテッドの勝点差は再び12に広がっています。この結果、ブリーラム・ユナイテッドは次節第27節に勝利はもちろん、引き分けても昨季に続く2連覇が決まります。
ブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズは先発して、フル出場しています。

タイ1部リーグ順位表(第26節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位 チーム 勝点
1 ブリーラムU 26 21 4 1 66 22 44 67
2 バンコクU 26 17 4 5 47 18 29 55
3 ポート 26 12 9 5 44 31 13 45
5 ラーチャブリー 26 10 9 7 28 19 9 39
11 プラチュワップ 26 7 7 12 36 45 -9 28

クランタンオーナー「新監督も5連敗すれば交代させる」

開幕からの6試合で1勝1分4敗の成績でリーグ13位に低迷するクランタンは、今季から就任した元韓国代表でJリーグ大分でもプレー経験があるチェ・ムンシク監督を「休養」させ、今月テクニカルディレクターに就任したばかりの元マレーシアU23代表監督でドイツ出身のフランク・バーンハートを正式に監督とすることを発表しました。

この監督交代について、チームオーナーのノリザム・トゥキマン氏がマレーシア語紙ブリタハリアンとのインタビューに応じ、背景などを説明しています。現在の成績を黙認したり、あるいは愚かな行動をするつもりはないと話したノリザム氏は、自身がチームの状況に満足していないことが監督交代の理由であると述べています。さらにノリザム氏は、バーンハート新監督にはU23代表やUITMの監督時代にスーパーリーグで指揮を取った経験に期待している一方で、チームが設ける達成目標を果たすことができなければ躊躇なく監督を交代させることも伝えてあることを明らかにしています。具体的には今後5連敗すれば契約を解除することになっているということで、バーンハート新監督もそれを了承しているとしています。

また実質上は解任となったチェ監督については、オーナーとして求めていた試合後のレポートの提出について、「どんな業界であれ、現場の人間が後の評価や分析に必要となる報告を経営者に行うのは、一般常識である。」と述べて、チェ監督がその必要性を否定していたことに驚いたと話しています。さらにこのインタビューでノリザム氏は、クランタンのサッカーの発展とチームに投資しようという人物がいれば、チームを売却するつもりもあると話しています。

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別の記事では、今年1月に就任したチェ前監督よりも、オーナーとなって3年近く経つ自分の方がチームをより良く理解していると主張したり、さらに「ファンの声に押される形で」チェ監督に特定の選手の起用を「提言」したと述べたりするなど、側から見ればオーナーによる現場介入では、という発言もありました。またチェ監督と選手とのコミュニケーション不足や戦術の難解さに選手がついていけなかったなど、チェ監督を全面的に否定する発言を繰り返しています。その真偽はともかく、リーグ再編により2部プレミアリーグから1部スーパーリーグに昇格した5チームのうち、クランタンを含む4チームが現在11位から最下位14位までを占めているのはむしろ順当な結果であり、昇格初年度でたいした補強もせずトップリーグで勝てると思っていたのであれば、ノリザム氏自身がプレミアリーグとスーパーリーグの違いを理解できていないのでは、とも思えます。

FIFAが今季3部降格のサラワクUに昨季在籍選手への未払い給料支払いを命じる

昨季は1部スーパーリーグで11位となったものの、選手への未払い給料問題が未解決だったことからクラブライセンスが不交付となったサラワク・ユナイテッドは、このクラブライセンスが必要なスーパーリーグでのブレーができなくなり、今季は3部のセミプロリーグM3リーグに所属しています。そのサラワク・ユナイテッドに対して、FIFAは昨季在籍した外国籍選手のウチェ・アグバ(現PDRM)に対して未払い給料の支払いを命じたと、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

3月31日にFIFAの本部で訴訟が審理された結果、サラワク・ユナイテッドはアグバ選手に対して45日以内に未払い給料20万リンギ(およそ600万円、1リンギはおよそ30円)を支払うようにという命令書がサラワク・ユナイテッドとアグバ選手の弁護士に送られているということです。

アグバ選手の弁護士を務めるザフリ・アミヌルラシド氏によると、45日以内に未払い給料が完済されない場合には、サラワク・ユナイテッドは今後3回のトランスファーウィンドウ期間での新たな選手の獲得が禁止されるということです。

サラワク・ユナイテッドが給料未払いによりFIFAから処分を受けるのはこれが初めてではなく、昨季も外国籍選手のサンドロ・ダ・シルヴァに未払い給料15万リンギを支払う命令が出されていますが、これまでサンドロ選手に支払われたのは4万リンギのみで、残りは現在も未払いとなっているということです。さらにマレーシア人選手への昨季の給料未払いもあり、マレーシアプロサッカー選手会PFAMによると、その総額は40万リンギに及ぶということです。マレーシア人選手の未払い給料問題については、マレーシアサッカー協会FAMの紛争解決委員会に持ち込まれており、サラワク・ユナイテッドが支払いに応じない場合には、PFAMは民事訴訟を起こす用意があるとしています。

なお今年2月には2017年シーズンの給料が未払いだったクアンタンFAとマルセラ・ユナイテッド(現在はいずれも解散)の選手たちが民事訴訟を起こした結果、禁固刑も含めた判決が下ることを恐れたかつてのオーナーが支払いに応じた事例もあり、サラワク・ユナイテッドも対応を間違えると、かつての選手たちに民事訴訟を起こされる可能性があります。

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