ボラセパマレーシアJP

本日発表のMリーグアウォーズ各賞の最終候補をご紹介

今季のマレーシアサッカー界で活躍した選手やチームに送られるナショナルフットボールアウォーズ2022の表彰式は、本日12月15日の午後9時(マレーシア時間)にオンラインで行われますが、その各部門の最終候補が発表されています。なお、このイベントはこちらから視聴可能です。

最優秀ゴールキーパー部門
最終候補に残ったのはシーハン・ハズミ(ヌグリスンビランFC)、カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)、ラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌFC)の3名です。この部門でのサプライズは、2018年から4年連続でこの賞を受賞していたファリザル・マーリアスが、所属チームのジョホール・ダルル・タジムJDTがスーパーリーグ9連覇を果たしたにもかかわらず最終候補に残らなかったことでしょう。
なお今季のスーパーリーグでのクリーンシートはファリザル選手の11回がトップ、次いでカラムラー選手が9回、3位がシーハン選手の7回、ラーディアズリ選手が5回となっており、強固なDF陣を持つとはいえ、出場試合20試合で11試合がクリーンシートのファリザル選手が最終候補に残らなかったのは謎です。
その一方で今年「最も印象に残った」GKと言えば、シーハン選手です。クラブでは今季1部に昇格したヌグリスンビランFCの正GKとして、昇格初年度4位の好成績に貢献しています。さらに今年2月に就任したキム・パンゴン監督に3月の3カ国対抗(シンガポール)の代表チームに初招集されると、6月のAFCアジアカップ最終予選のバングラデシュ戦では待望のA代表デビューを飾りました。さらに9月のキングズカップ(タイ)では2試合に先発しフル出場するなど代表正GKに近づいています。ちなみにこのシーハン選手は2021年まではPJシティFCに所属しており、その時には今回最優秀GK部門の最終候補3名の内の1人、カラムラー選手の控えでしたが、昨季オフにヌグリスンビランFCへ移籍したことが功を奏しています。
シーハン選手が最有力、それを追うのがカラムラー選手で、左膝前十字靭帯損傷から復帰した21歳のラーディアズリ選手はこの中では3番手というのがボラセパマレーシアJPの最優秀GK賞争いの予想です。

最優秀ディフェンダー部門
ここでも昨年の受賞者、マシュー・デイヴィーズが最終候補に残らず、今回選出されたのはザイミ・ピー(ヌグリスンビランFC)、ラヴェル・コービン=オング、シャールル・サアド(いずれもジョホール・ダルル・タジムJDT)です。クラブはもちろん、いずれも代表選手の主力選手でもあるこの3選手の中で、やはり今年「最も印象に残った」選手を選ぶとすれば、クザイミ選手でしょう。GK部門のシーハン選手同様、今季のヌグリスンビランFCの躍進に貢献したクザイミ選手は、昨季はUITM FCでプレーしていましたが、チームが2部降格となったことから、昨季終了後にヌグリスンビランFCに移籍しています。
シーハン選手同様、今年3月の3カ国対抗に出場する代表チームに2016年以来6年振りに招集されると、その後はセンターバックのポジションを、今回も最優秀DF部門候補になっているシャールル・サアドやディオン・コールズ(チェコ1部FKヤブロネツ)と争いながらも、徐々に出場機会を増やし、キム監督の起用に応えています。
ボラセパマレーシアJP的には印象に残ったクザイミ選手を推したいところですが、と、2018年、2019年と2年連続でこの賞を受賞しているシャールル選手や、国内リーグ、ACL、代表戦と年間を通して安定した力を見せたコービン=オング選手との勝負となると、コービン=オング選手が初受賞に一番近いのではないでしょうか。

最優秀ミッドフィルダー部門
昨年に続き2年連続4階目の受賞を狙うバドロル・バクティアル(サバFC)にいずれも初受賞を目指すアフィク・ファザイル(JDT)とムカイリ・アジマル(スランゴールFC)が候補となっている最優秀ミッドフィルダー部門はベテラン、中堅、若手の争いです。
ユース時代を含めると実に16年間クダFC一筋だったバドロル選手は、U23代表時代の監督だったオン・キムスイ氏が監督を務めるサバFCに今季から移籍し、昨季はリーグ9位だったチームを今季は3位に躍進させる原動力となりました。一方、ムカイリ選手はシーズン序盤は空回りする場面が目についたもののと、特にタン・チェンホー前代表監督が所属チームのスランゴールFC監督に就任以降は、チームの司令塔としてリーグ戦とカップ戦での9連勝に貢献しています。また2年連続でこの部門の候補に上がったアフィク選手は、リーグ線、カップ戦など合わせて27試合に出場し、いわゆる「汗かき役」の選手として活躍し、チームの国内三冠達成に貢献しました。
チーム成績に対する貢献度で言えばバドロル選手が2年連続の最有力候補、大穴でムカイリ選手、というのがボラセパマレーシアJPの予想です。

最優秀フォワード部門
今年の最優秀フォワード部門は、アリフ・アイマン(JDT)、ダレン・ロック(PJシティFC)、ファイサル・ハリム(トレンガヌFC)と、昨年の最優秀フォワード部門と全く同じ3選手が候補となっています。昨年19歳で初受賞したアリフ選手が2年連続受賞を狙う一方で、今季、マレーシア人選手として最多ゴールを決めたいわゆるアウトアンドアウトストライカーのロック選手、そしてトレンガヌの今季リーグ2位の原動力となったファイサル選手はいずれも見劣りしない選手です。ゴール数で見ると、ロック選手が12ゴール(24試合)でリードし、以下、ファイサル選手が11ゴール(30試合)、アリフ選手が8ゴール(31試合)となっています。しかしアシスト数はアリフ選手がトップの16、続いてファイサル選手が14アシスト、ロック選手は2アシストとなっています。
ベルグソン・ダ・シルヴァという絶対的なストライカーがいるJDTでは、前線にボールを運び、ベルグ村に供給する役割を担うアリフ選手、人でも敵陣に残ってとにかくゴールを狙うロック選手、いずれも良い選手ですが、自身のドリブルで相手DFをかわし、自身でゴールを狙うだけでなく、臨機応変にパスも出せるファイサル選手は今年一番成長した選手でもあり、ボラセパマレーシアJPは、ファイサル選手を押したいです。

最優秀監督部門
昨年に続きノミネートされたボヤン・ホダック(KLシティFC)、ナフジ・ザイン(トレンガヌFC)の両氏にオン・キムスイ(サバFC)が加わって争われる最優秀監督部門。昨年の受賞者ホダック監督は、KLシティFCを32年振りに優勝へ導いた功績が大きかったですが、今季もチームをAFCカップ決勝に導いており、その手腕には大会評価が当てられそうです。南アジアや中央アジアのクラブを破り、2015年のJDT以来となる東南アジアのクラブとしては2チーム目となる決勝進出の実績に対し、トレンガヌFCをリーグ2位に導いたナフジ監督、そして昨季9位のサバFCを同じく3位に導いたオン監督の三つ巴の争いです。
リーグ戦では6位にとどまったものの、ナフジ、オン両監督に比べると潤沢な資金があるとは言えないKLシティFCをAFCカップ決勝に導いたその功績は、今季の最優秀監督に値いし、2年連続受賞となるだろうとボラセパマレーシアJPは考えています。

最優秀外国籍選手部門
昨年この賞を受賞したロメル・モラレス(KLシティFC)は、ケガがちだったこともあり、シーズンを通して調子が上がりませんでした。そんな中、今年はモラレス選手のチームメートのパウロ・ジョズエ、そしていずれもJDTのベルグソン・ダ・シルヴァ、フェルナンド・フォレスティエリの3選手がノミネートされています。
いずれも今季活躍した選手3名ですが、今季に関してはベルグソン選手一択となるのは明らかでしょう。今季リーグ新記録となる29ゴール(22試合)を挙げ、カップ戦も合わせれば今季は何と41ゴール(30試合)、さらにACLでも6試合で6ゴールとあわや年間50ゴールに迫る勢いでした。リーグ3位のフォレスティエリ選手でも13ゴール、ジョズエ選手は6ゴールと、その差は歴然としています。ジョズエ選手もキャプテンとしてチームをAFCカップ決勝に導いたリーダーシップは素晴らしかったですが、それでもボラセパマレーシアJPが予想する必要もないくらい確実なベルグソン選手の受賞です。

最優秀若手選手部門
今週末から始まる東南アジアサッカー連盟AFF選手権出場のA代表候補にもなっているアザム・アズミ(トレンガヌFC)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)そして、今回のA代表招集を辞退したアリフ・アイマン(JDT)の3名がノミネートされている最優秀若手選手賞。昨年はアリフ選手が受賞しており、これまで2年連続受賞がないことからも、ここはムカイリ、アザム両選手の一騎打ちが予想されます。(勝手な想像ですが。)今季は所属チームで主力として活躍し、甲乙つけがたい両選手ですが、ここは単純にチームの成績が影響するかも知れません。アザム選手の所属するトレンガヌFCは今季2位、ムカイリ選手が所属するスランゴールは5位でしたので、ここはアザム選手が賞レースでは一歩リートしているのではないかと、というのがボラセパマレーシアJPの予想です。

ナショナルフットボールアウォーズでは、こららの賞のほか、各賞の受賞から選ばれる年間MVPやファンが選ぶベストXIや年間ベストゴールなども合わせて発表されることになっています。

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