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旗手真也氏、強化担当に就任。クラブOBとしての懸ける想い【インタビュー・前編】

2013年、活動休止となったSAGAWA SHIGA FCからAC長野パルセイロに加わった旗手真也氏。加入から2年間はケガが相次ぎ、天皇杯1試合の出場に留まる。契約満了を受けてそのまま引退し、クラブの運営担当へ。9年間にわたって同職を担い、今年から新たに強化担当へ着任した。前編では強化担当としての決意、後編ではクラブOBとしての想いに迫る。

取材日:2月9日

強化担当に就任。クラブとして積み上げを

――まずは強化担当に就任した経緯と、その決意を聞かせてください。

一昨年の11月に村山(哲也)強化ダイレクターが着任して、少し経ってから「強化担当はどうか?」と話をいただきました。私としても興味は持っていましたが、あくまで正社員です。会社に広報をやるように言われれば広報をやるし、営業をやるように言われれば営業をやる。最初はそういう返答しかできませんでした。

その話は何回かありました。村山強化ダイレクターが私を必要としてくれているのは、素直に嬉しかったです。ただ、クラブがトータルしてフロントの人事をどう考えているのか。それ次第だったところはあります。

――結果的には、今回の年が変わるタイミングで実現したということですね。

昨年12月に今村(俊明)社長からヒアリングがあって、強化担当としての依頼を正式にいただきました。強化という部署は、チームを管理する仕事だと思っています。選手、スタッフを管理しながら、最終的には評価をしないといけません。非常に難しいポジションではあります。

強化担当というのは、契約社員がほとんどです。正社員が請け負う例は、強化の事務以外にはあまりないと思います。そこには多少の不安もありました。ただ、強化担当が契約社員としてやってきて、成績が出ないからといって契約解除になって、また新しい方が来て――。そうなると、クラブとして発展も積み上げもありません。正社員の自分がいることによって、「パルセイロはこういうチームなんだ」と示せる部分もあると思います。そういう意味合いも込めて抜擢されたと感じています。

――強化という部署については、横から見ていてどんな課題を感じていましたか?

経験豊富な村山強化ダイレクターが着任してから、クラブが良くなるためにたくさんのアイデアを出してくれました。フロントスタッフにとっては頼もしい存在でしたが、だんだんそれに甘えていると感じるようになりました。人員不足もありますが、いろんなイベントに村山強化ダイレクターが足を運んでいて、本来の仕事に専念できない部分もあったと思います。いまはそれを助けたいという思いでいます。

選手たちには「パルセイロに来て良かった」と思ってもらいたいです。最後はこちらから契約満了を提示することもありますが、それでも来て良かったと思えるようなクラブにしたい。その気持ちも大きかったですね。

――実際にはどのような仕事をしているのでしょうか?

まずは強化の仕事を知らない状態から入ったので、年間を通してやりながら覚えていく必要があります。このオフシーズンで言えば、契約関連の業務。契約書の作成は時期的に携われなかったですが、それを選手に渡したり、代理人に送ったり、Jリーグに提出したり――。選手の登録もそうです。強化ならではの事務仕事をこなしています。私がそういう事務仕事を請け負うことができれば、村山強化ダイレクターがよりフリーに動くことができると思います。

――仕事をしている中で、新たな発見はありましたか?

選手やスタッフの金銭事情を把握しておかなければいけないことです。いままではそれを一切知らなかったので、最初に知ったときは複雑さもありました。

ベテランが若手を先導。強固なチームに

――これまでは運営担当として選手と携わってきましたが、強化担当となれば見方も変わってくるのではないでしょうか?

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