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引き続き“総力戦”となる皇后杯。WE参入後初の初戦突破へ

リーグ開幕から2勝2分1敗と好調を維持し、今週末はアルビレックス新潟レディースとの皇后杯5回戦を迎える。一発勝負のカップ戦ではあるものの、「リーグ戦の一つとして考えている」と廣瀬龍監督。強豪・INAC神戸レオネッサを苦しめた勢いのまま、負けられない北信越勢対決に挑む。

偶然ではなく必然。ミスを“誘って”先制

リーグ前節は、ホームでI神戸に1-1と引き分けた。先制して追いつかれる展開となったが、廣瀬監督は「見事に勝ち点1を獲った」と選手たちを讃える。相手は開幕から3戦全勝かつ無失点。それに対して初失点を浴びせ、連勝記録を止めたのだから、指揮官の評価にも納得がいく。

I神戸はビルドアップでらしからぬミスが散見。とりわけ長野の先制シーンでは、ジョルディ・フェロン監督の言葉を借りれば「通常では起こり得ないミス」があった。ゴールキックで素早くリスタートするも、日本代表DF三宅史織のトラップが流れる。それを稲村雪乃が見逃さず、折り返しをタニガーン・デーンダーが仕留めた。

ハイライトだけを見れば、I神戸が一瞬の隙を突かれたように映るだろう。ただ、試合の流れからすれば、偶然ではなく必然とも捉えられる。AC長野は開始から臆することなくプレッシングを仕掛け、相手のミスを誘った。得点直前には32分、33分とショートカウンターから立て続けにフィニッシュ。その勢いが先制点を呼び込んだのは間違いない。アシストを記録した稲村は、「準備していたからこそああいうミスを拾えた」と振り返る。

後半はディフェンシブサードに押し込まれ、FKから同点に追いつかれるも、防戦一方とまではいかなかった。終盤にかけて伝家の宝刀・ショートカウンターを発動。勝ち越せる感覚もあっただけに、古巣対決の宮本華乃は「少ないチャンスを生かし切りたかった」と悔いる。

宮本華乃

シュート数では8対19と圧倒されるも、GK梅村真央を含めてシュートブロックが光り、クロスバーも味方につけた。梅村とディフェンスリーダーの奥川千沙はいずれも失点を悔やんだが、セットプレーでの1発のみに抑えたと言える。開幕戦で3失点を喫して以降、4試合でわずか1失点。強豪ひしめくリーグにおいて、誇るべき数字だ。

引き続き総力戦。現状のベストを尽くす

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