2023.12.12

敷田唯がレンタル先で示した成長。関東1部で全試合フル出場

2023年12月12日 7時00分　
カテゴリ：コラム • パルセイロ
タグ : AC長野パルセイロ • 敷田唯 • 東京23FC

写真提供：東京23FC

強豪ひしめく関東サッカーリーグ1部で揉まれ、一回りたくましくなった。今季、AC長野パルセイロから期限付き移籍で東京23FCに加わった敷田唯。出場機会を求めて新天地に移り、リーグ戦全試合出場を遂げた。178cmとセンターバックにしては小柄だが、空中戦、地上戦ともに強さを備える。今季限りで長野と東京23FCを契約満了となったが、ベースアップしてさらなる飛躍を誓う。

1年目は出場ゼロ。成長求めて移籍を打診

星稜高校と同志社大学ではキャプテンを務めた。大学4年時は就職活動と並行し、AC長野パルセイロと松本山雅FCの練習に参加。大手企業から内定も受けていたが、大学の先輩である朝比奈伸強化担当（現ブラウブリッツ秋田強化部長）にポテンシャルを認められ、長野への加入が決まった。

「だいぶ焦っていたし、必死だった」。そう当時の心境を明かす。練習参加の際には、勢い余って最年長の東浩史にタックル。大事には至らなかったが、「どうしても爪痕を残したくてやってしまった。しっかり謝った」。そのガッツが評価に繋がった側面もあるかもしれない。

迎えたルーキーイヤーは、開幕からメンバー外が続く。「自信を持ってスタートしたけど、プロの厳しさを身に染みて感じた」。それでも「今までできなかったようなこともできるようになった」と成長を実感。ビルドアップを重視するシュタルフ悠紀前監督のもと、秋山拓也らにアドバイスを受けつつ、恐れずボールを引き出すようになった。

夏にはライバルである喜岡佳太がJ2・モンテディオ山形に個人昇格。チャンスが訪れたものの、秋山や池ヶ谷颯斗の壁を超えられず。対人能力では引けをとらなかったが、技術的な不足は否めなかった。ルーキーイヤーは出場機会がなく、クラブに期限付き移籍を打診。「すごく悩んだけど、試合に出て成長したかった」。

そこで誘いを受けたのが、東京23FCだった。関東サッカーリーグ1部に所属し、将来的なJリーグ加盟を目指す首都クラブ。カテゴリーとしては2つ下に該当するものの、リーグのレベルは決して低くない。元日本代表を数多く擁する南葛SC、全国地域サッカーチャンピオンズリーグを制した栃木シティSCなど、猛者の集う激戦区である。

移籍してまもなく、キャンプ中の長野とのトレーニングマッチも行った。“古巣対決”で0-4と大敗を喫し、「個人的には調子が良くて、チームとしてもチャンスを作れていた。だいぶ気合は入っていたけど、めちゃくちゃ悔しかった」と唇を噛む。山中麗央にハットトリックを許すなどして、「決めるところをしっかり決められた。一つ一つのプレーの質が違った」。