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都市大塩尻と松本国際が決勝へ。互いに総体ファイナリスト下す

“実力派”の2校がファイナルに勝ち進んだ。全国高校サッカー選手権長野県大会は準決勝。第1試合は都市大塩尻が松商学園に4-1、第2試合は松本国際が市立長野に5-0と、いずれも大勝を収めた。総体ファイナリストの2校が敗れる格好。都市大塩尻は5年ぶり、松商学園は2年連続の決勝進出となった。

都市大塩尻

松商学園

勝負強き都市大。“復帰”の指揮官も賛辞

「点を取るまでは苦しかった」。都市大塩尻の髙橋裕之監督は、そう振り返る。3-4-2-1で後方を固める松商学園に対し、ロンクボールを中心に攻め込むも、なかなかこじ開けられず。均衡を打破したのは、得意とするセットプレーだった。

26分、高橋圭太のFKからスクランブルが生まれると、中村玲央が頭で押し込んで先制。34分にも高橋が自身のロングスローの流れからクロスを上げ、中村がヘディングで仕留めた。2点リードで前半を折り返すと、後半も2点を先取。守備でも持ち前の強度の高さを示し、松商学園の反撃を1点に抑えた。

中村玲央

エースの中村が輝きを放った。185cmの長身を生かして2得点。いずれも中央に「待っていた」形であり、「運がよかった」と笑みをこぼす。そこにいるのも、ストライカーたるゆえんだろう。流れの中でも潰れ役として4点目の起点となるなど、フィジカルを存分に駆使。2トップを組む高橋が「(中村)玲央は収めてくれると信頼している」と口にするように、最前線で頼もしさを感じさせた。

1年時には全国高校総体に出場。大津(熊本)との初戦でいきなり先発に抜擢されたが、「何もできなかった」と振り返る。2年ではケガも響いてメンバー外が続き、順風満帆ではなかった。最終年となる今季は「自分たちの代になって、責任と覚悟を持つようになった。点を取るという気持ちもある」。まさにその決意通りの2発だった。

彼を筆頭に、今季のチームには高さがある。フィールドプレーヤー10人のうち、180cm台は4人。プレースキッカーの高橋は、高精度の右足を誇る。この試合も厳密に言えば、4得点ともセットプレー絡み。髙橋監督が「彼らの持っているものが生かされた」と言えば、キャプテンの高橋も「セットプレーは自分たちの武器。うまく狙い通りにできた」と話す。

武器だけでなく、総合力も磨いてきた。県総体はベスト8で敗退。上田西を相手に1-2と僅差ではあったが、指揮官は「何もできなかった」と思い返す。「あの試合が一番の根源。外側に矢印が向いていたけど、自分自身に矢印を向けることに彼らが気づいた」。

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