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松商学園が前半だけで4得点。積み上げたセットプレーで4強へ

飛び道具が冴え渡った。全国高校サッカー選手権長野県大会は準々決勝。県総体王者・松商学園が松本第一に6-0と大勝し、ベスト4に駒を進めた。前半だけで4得点と突き放したが、そのうち実に3点はセットプレー絡みだった。

攻守に充実感。エース不発も憂いなし

県リーグ1部勢同士の対決。均衡した展開も予想される中、開始から松商学園の勢いが止まらなかった。まずは5分、 陶山快斗が自らのロングスローのこぼれ球を拾い、クロスを送る。これを松島敬朔が頭で仕留めた。今大会初出場となった3年生のゴールで先制すると、ここからゴールラッシュが始まる。

10分、中村みらののCKが直接ゴールに吸い込まれて2点目。14分にも峯翔汰のCKが相手のオウンゴールを誘う。セットプレーが当たりに当たると、流れの中からも中村がネットを揺らし、4点リードで前半を折り返す。後半も森田優聖と上田卓輝が追加点を挙げるなど、攻撃の手を緩めなかった。

守備でもアラートさが際立った。松本第一は4-4-2を基本陣形としているが、ボール保持時はボランチの丸山琉稀亜が1列下がり、3バックに可変する。その変化にもすぐさま適応し、チャンスらしいチャンスを与えず。高山剛治監督は「シュートを打たせないところからこだわってきた。今日は打たれたのもロングシュート、CKからのこぼれと許容範囲」と満足感を示した。

今大会ではセンターバックが毎試合入れ替わっているものの、松島は「誰が出ても良いプレーができる。今日も練習通りにできた」と手応えを得る。キャプテンシーの高い今井天志朗とコンビを組み、全体を統率。相手のシュートを3本に抑え、今大会初となる無失点を遂げた。

唯一の懸念材料は、エース・陶山がいまだ無得点なことだろうか。しかしそれも、指揮官が「溜めている」と笑い飛ばすように、さほど大きな問題ではない。「フリーランとかで起点になっているし、セットプレーで潰れ役に行くことも多い。欠かせない存在になっている」。

陶山快斗

(残り 1124文字/全文: 2014文字)

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