東海大諏訪が5年ぶり北信越へ。アクシデント乗り越え後半逆転
「感無量だね。泣きそうだった」。安藤昌和監督は試合後、そう喜びを爆発させた。
長野県高校女子サッカー選手権の準決勝で、東海大諏訪が松商学園に3-1と快勝を収めた。開始早々に先制されるも、鮮やかな3発で逆転。5年ぶりの決勝進出と北信越大会出場を決めた。
苦しい時間乗り越え、落ち着きを取り戻す
波乱の立ち上がりだった。2分、松商学園の笠井琴葉に豪快なミドルシュートを沈められる。さらに9分、今度はアクシデントに見舞われる。2トップの一角を担う赤羽瑞希が、相手との競り合いから頭同士で衝突。出血を帯びて担架に運ばれ、山田桜樺との交代を余儀なくされた。
「ガッツあるプレーでの負傷だった。チームに熱を加えたところもあっただろうけど、正直、動揺のほうが大きかったと思う」。そう安藤監督が推察したように、以降は落ち着かない時間が続く。後方からパスが繋がらず、ロンクボールで攻め急ぐ機会が多かった。守備でも松商学園に押し込まれる展開。左右ウイングに位置する小松優月と柄澤はな乃の推進力に手を焼く。
その中で突破口となったのが、右サイドバックを務める金田麗花のキックだ。19分に利き足ではない左足でミドルシュートを放ち、20分にも得意の右足で遠距離砲。そして31分、宮崎美怜のロングフィードから右サイドを抜け出すと、クロスがGKの頭上を超えてゴールに吸い込まれた。
「チームに前への推進力を出せるように、自分の特徴を生かそうとやっている」と話す金田。中学まではサイドハーフでプレーしていたが、高校でサイドバックに転向後もダイナミックな攻撃参加を備える。そこに「最初は本当に蹴られなかった」というキック力が重なり、同点弾が生まれた。
同点で迎えたハーフタイム。体調不良を抱えていた左サイドバック・吉原菜々穂に代え、池田汐里を投入する。これはある意味、予期していたアクシデントではあったが、決して盤石とは言えない中で後半へ向かった。
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