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4月1日のニュース
キム代表監督の去就に関する報道を国営メディアが行うも本人が即時否定
本日のサッカー協会年次総会を前に協会を中傷するメールがメディアや関係各所に送信される

マレーシア代表、そしてマレーシアサッカー協会を揺るがすニュースが先週末からマレーシアサッカー界隈を賑わせています。いったい誰が何をしようとしているのでしょう。

キム代表監督の去就に関する報道を国営メディアが行うも本人が即時否定

一連の報道のきっかけとなったのは、「キム・パンゴン監督とコーチ陣が、現在の代表チームのの状況に失望し、退任する準備ができている」とSNS上で流れていた噂レベルの話をマレーシアの通信社ブルナマが3月30日に正式に報じたことでした。この記事によると『代表チームに近い情報筋』からの話として、キム監督とコーチ陣がマレーシアサッカー協会(FAM)に対し、自分たちの貢献がこれ以上必要ない場合、補償金を受け取れば、契約解除に応じる用意があることを書面で知らせてきた、というものです。なおFAMとキム監督およびコーチ陣との現在の契約は2025年1月までとなっています。

さらにブルナマは、「私に伝えられたのは、キム監督とコーチ陣が書面で、もし(契約の解除が)すぐに行われるなら、自分たちそのは準備ができており、補償金として3ヶ月分の給料を要求している」という『情報筋』の話とともに、キム監督とコーチ陣による今回の申し出が、代表チームに起こったいくつかの問題に対する失望と不満から生じた可能性があるという『情報筋』による発言を報じました。。

1月のアジアカップ2023では1分2敗でグループステージ敗退、3月の2026年W杯アジア2次予選ではオマーンに2連敗するなど、今年に入り0勝1分4敗とチームの勢いが明らかに衰えていることから、この報道は真実性を帯びて他のメディアにも拡散しました。

しかしその翌日になると同じブルナマが今度は、キム監督はこの記事内容を完全に否定していると報じています。そして、「ニュース報道を読んだ後、私はすぐにFAM会長のハミディン・モハメド・アミン氏に連絡し、その件について説明しました。」というキム監督の発言をしょうかいしています。

さらにキム監督はFAMの公式SNSに「私はハミディン会長に対して、自分のマレーシア代表での使命はまだ終わっていないことを個人的に保証しました。私はこのチームを簡単に去るつもりはありません」という声明を投稿。さらに2025年末の契約終了までチームを指導し続け、2026年W杯アジア3次予選への進出と、2027年アジアカップ出場権獲得という使命に専念すると述べています。

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今年に入って未勝利とは言え、2026年W杯アジア2次予選突破の可能性が十分に残っているこの時期に出た国営メディアの報道には恣意や悪意すら感じます。元香港代表監督や韓国サッカー協会代表チームディレクターをなども務めた経験を持つキム監督は2022年1月の就任以来、マレーシア代表を42年ぶりのアジアカップに導いただけでなく、FIFAランキングを就任時の154位から一時は130位まで引き上げるなど、その功績は小さくありません。

また今回の噂が広まった理由の一つに、3月26日のW杯予選オマーン戦の際にブキ・ジャリル国立競技場で代表チームのポー・マルティ・ヴィンセント コーチがベンチ入りせず、またその姿がどこにも見られなかったことがあります。元バルセロナU19チームのコーチだったポー・マルティ氏はキム代表監督の片腕としてチームを支えてきたことから、W杯予選という重要な試合にその姿が見られなかったことから、首脳陣の中の離脱者第1号では、という憶測がSNS上にも多数見られました。しかしスポーツメディアのスタジアム・アストロが、ポー・マルティ氏は3月21日のW杯予選オマーン戦(アウェイ)から帰国すると体調を崩しそのまま入院し、退院したのはホームでのオマーン戦後の3月28日だったと報じ、ポー・マルティ氏が代表チームを去ったわけではないことを明らかにしています。

本日のサッカー協会年次総会を前に協会を中傷するメールがメディアや関係各所に送信される

本日4月1日に予定されているマレーシアサッカー協会(FAM)の年次総会を前に、FAMを抽象する内容のメールがメディアおよび青年スポーツ省などの関係各所に送られていることを複数のメディアが報じています。

FAMの第60回年次総会を前に、「FAMの職員の有志からなる『FAMウルトラス』」の署名で送られた電子メールには、「これまで長きにわたり自分たちの意見を公にしなかったのは、FAMのトップが状況を変えてくれることを信じていたからだが、近年、状況はむしろ悪化しており、制御できない危機に陥っている」とした上で、「ノー・アズマン・ラーマンFAM事務局長に関する問題」「職員に関する問題」「代表チームに関わる問題」「ナショナルトレーニングセンターに関わる問題」などについて言及されています。

ノー・アズマン・ラーマンFAM事務局長については「事務局長としての仕事を全うしていない。自身の職務よりも政治的な活動に傾倒しており、媚びるのが上手い人物や、自身に媚びる人物を取り立てて昇進させたり、自身とともに特別な会合に参加させたりしている。この結果、過去3ヶ月間に12名のFAMの職員が辞任しており、その中には歴代の会長の元で勤務していた5名も含まれている。」とメールでは述べられています。

また職員への扱いについては、「FAMの元職員の中には窃盗の容疑により解雇された者がいるが、実際の窃盗を犯した人物を守るためにFAMは十分な調査も行わず、満足のいく証拠も示さないまま解雇した。また2026年W杯予選の放映権に関する贈収賄問題を告発しようとした一部職員への日常的に繰り返されるパワハラがある。特に聖なる断食月ラマダンにもかかわらず不正な買収工作に関わっているのはイスラム教として恥ずべき行為である。」としています。

この他、一部職員が身内贔屓や、不透明なまま理由のまま昇給している点や、代表戦で集客できているにも関わらず、FAMの資金が手薄となっている点を訴える一方で、代表チームに関しては、キム監督が求めたいくつかの要件をFAMが無視したことがW杯予選でオマーンに連敗した原因であるともしています。

さらにはFAMが代表サポーターグループの「ウルトラス・マラヤ」を買収し、キム代表監督を批判して代表監督を辞任するように仕向けていると言ったトンデモ系の主張なども含まれており、ここまでくると何が本当で何が嘘なのかがわからなくなります。

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