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3月9日のニュース
MFLはプルリス・ユナイテッドFCのスーパーリーグ参加を条件付きで承認
一方失意のKLローヴァーズはまさかのシンガポールリーグ入りを申請か
MFLはクダとKLシティは給料未払い問題解決の最終期限を今月29日に設定

MFLはプルリス・ユナイテッドFCのスーパーリーグ参加を条件付きで承認

昨日のこのブログで取り上げたプルリス・ユナイテッドFCのスーパーリーグ参入が条件付きで決まりました。昨季14位のクランタンFCは給料未払い問題が未解決であることを理由に今季のスーパーリーグに出場するためのクラブライセンスが交付されませんでした。これにより13クラブ編成となっていたスーパーリーグの14番目のクラブとして、マレーシア最北端のプルリス州を本拠地とするプルリス・ユナイテッドFCの参加が4つの条件付きながら決定したことを、マレーシアスパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグが公式サイトで発表しています。

クラブライセンスを交付する第一審機関(FIB)がM3リーグのイミグレセンFC、KLローヴァーズFC、ハリニ・スランゴールFTと昨季の上位3チームと8位のプルリス・ユナイテッドの4つのクラブからのライセンス申請を精査した結果、プルリス・ユナイテッドへの推薦を受けたMFL理事会は、4つの企業から合計2500万リンギ(およそ7億9000万円)のスポンサー料を集めたことを示す書類や、そのうちの一企業による額面500万リンギの小切手のコピー、さらにプルリス州政府とプルリス州サッカー協会からも支援を証明する公式レターが決め手となって、スーパーリーグ参入クラブがプルリス・ユナイテッドに決定したと、MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは説明しています。しかしスチュアートCEOはプルリス・ユナイテッドに与えられた条件についての詳細は明らかにしていません。

その後のブリタハリアンの続報では、プルリス・ユナイテッドFCに与えられた4つの条件の一つが給料未払い問題(!)の解決であることが明らかになりました。プルリス・ユナイテッドFCのシュクリ・オスマン会長がブリタハリアンの取材に対して明らかにしたもので、支払いを終え、それを証明する書類をMFLへ提出する予定であると話しています。

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給料未払い問題を理由にクラブライセンスが交付されなかったクランタンFCに代わるクラブも同様の問題を抱え、それを知りながらMFLはスーパーリーグへ参入を認めるという、なんとも奇妙な状況が起きています。それでもプルリス・ユナイテッドが選ばれたのは、他のスーパーリーグ参入候補として上がっていたイミグレセン(入国管理局)FC、KLローヴァーズFC、ハリニ・スランゴールFTがいずれもクアラルンプールを中心とした首都圏のクラブであったことも影響しているのかも知れません。首都圏には既にKLシティFC、スランゴールFC、PDRM FCがあり、地域性を考えると過去5年間に渡り、スーパーリーグでプレーするクラブがなかったプルリス州のクラブが3部リーグで8位という成績にもかかわらず選ばれたと考えると辻褄が合うように感じます。

失意のKLローヴァーズはシンガポールリーグ入りを申請か

昨季は3部のM3リーグで8位のプルリス・ユナイテッドFCの1部スーパーリーグ参加がほぼ決定した一方で、直前までスーパーリーグ入りが有力視されていた昨季のM3リーグ2位のKLローヴァーズは失望していると思いますが、そのKLローヴァーズが隣国のシンガポールリーグ入りを申請したと複数のメディアが伝えています。

スポーツ専門サイトのアストロ・アリーナは、KLローヴァーズがマレーシアアッカー協会(FAM)に送ったとされる、シンガポールリーグへの参加申請に関する公式文書をX上で公開しています。

また英字紙ニューストレイトタイムズは文書の内容を紹介していますが、そこには「KLローヴァーズは2024年シーズンについてはSリーグに参加すること希望する」とされており、(シンガポール)リーグ参加に関するシンガポールサッカー協会(FAS)の公式文書も添付されているようです。また「2季連続でM3リーグで2位となった実力を持つKLローヴァーズは(シンガポールの)リーグに参加して、マレーシアの名を高めることができると確信している。」とも書かれています。

またその他のメディアによると、KLローヴァーズは、現在9チーム編成となっているシンガポールプレミアリーグに参加するため、クラブライセンス申請を既に昨年の12月20日前に行っているとうことです。シンガポール国内では、10番目のクラブとしてウッドランズ・ライオンズFCとテンガFCがやはりクラブライセンス申請をFASに対して行っていましたが、ウッドランズFCは2月29日に申請が却下されており、テンガFCについては申請そのものがFASに受け付けられたかどうかも不明ということです。

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国内リーグが未整備だったシンガポールは、元は同じ国だったこともあり、シンガポールサッカー協会(FAS)が運営するシンガポールFAというクラブが長年、マレーシアリーグ(Mリーグ)でプレーしていました。シンガポールFAが1994年に解散し、自国リーグのシンガポールリーグ(当時)が1996年に発足した後も、FASはライオンズXIIといったクラブで2015年まではMリーグでプレーし、2013年にはリーグ優勝も果たしていました。また現在もシンガポールには既にアルビレックス新潟シンガポールとDPMM FC(ブルネイ)の2つの国外クラブがリーグに参加しており、KLローヴァーズが3番目の国外クラブとなるのかどうかに注目です。

MFLはクダとKLシティは給料未払い問題解決の最終期限を今月29日に設定

マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、給料未払い問題を抱えるクダ・ダルル・アマンFC(クダFC)とKLシティFCに対して、問題解決の最終期限を今月29日としたことを明らかにしています。

MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、選手や監督、コーチに対する未払い給料について、分割での支払いが双方で合意されている場合、1回目の支払いの50%を今月15日までに、残りも今月29日までに支払うことを義務付けたと述べています。さらに、今回設けられた期限までに支払いが行われない場合には、クラブに対して罰金処分やトランスファーウィンドウ期間の新規選手獲得禁止、更にはスーパーリーグ参加に必要となるクラブライセンスの取り消し処分もありうるとしています。

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といった報道もありますが、ゴリ押ししてプルリス・ユナイテッドFCをスーパーリーグに参加させてリーグのチーム数を14にした以上、クダFCとKLシティFCのどちらかがクラブライセンスを剥奪されることは考えにくいです。またチーム数を偶数にするために一気に両クラブのライセンス剥奪もあり得ないので、結局両クラブにとっては痛くも痒くもない新規選手獲得禁止処分程度に収まり、マレーシア的な誰も傷つかないその場凌ぎの決着となりそうで

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