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2月29日のニュース
衝撃!5月の開幕を前にスランゴールFCのタン監督が突如辞任
ジョホールが代表DFアザム・アズミら4名の獲得を発表も全員が国内クラブへ期限付き移籍
フットサルリーグMPFL第2節-早くも全勝はジョホールのみに

衝撃!5月の開幕を前にスランゴールFCのタン監督が突如辞任

昨季スーパーリーグ2位のスランゴールFCはクラブ公式SNSでタン・チェンホー監督の辞任を発表しています。今季末まで契約が残っていたタン監督とクラブは同意の上で違約金を支払って退団し、タイのクラブの監督に就任するということです。なお暫定監督には、かつてスーパーリーグのフェルダ・ユナイテッドFC(既に消滅)での監督経験などもある、ニザム・ジャミル コーチが就任することも発表されています。

昨季はリーグ2位となったことで、今季のACL2の出場権を獲得しているスランゴールFCは5月の開幕を控え、既にプレシーズンのトレーニングを行なっていたこともあり、今回の辞任はあまりにも急な印象です。

クダ州出身で55歳のタン氏は2001年にクダFAで現役を引退すると、2005年からはマレーシアU20代表やA代表のコーチなどを経て、2015年にはクダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)の監督に就任しています。そして就任初年度で2部プレミアリーグで優勝してクラブを1部に昇格させると、2016年のマレーシアカップ優勝、2017年のFAカップ優勝に導くと、2017年に就任したポルトガル出身のネロ・ヴィンガダ マレーシア代表の監督のもとで再び代表チームのコーチに就任しています。しかし2017年5月の就任以来、マレーシア代表の戦績がが0勝7敗となり同年12月にヴィンガダ監督が辞任すると、タン氏がコーチから監督に昇格しました。

U23代表コーチとして2009年の東南アジア競技大会通称シーゲームズ優勝、またA代表コーチとして2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ(当時、現在は三菱電機カップ)優勝を経験していたタン氏は、就任後の最初の大会となった2018年のスズキカップでは、マレーシアを準優勝に導いています。続くW杯2022大会アジア2次予選では同組となったインドネシアやタイには勝利したものの、ベトナムとアラブ首長国連邦にはいずれも敗れて敗退、さらに2020年スズキカップでまさかの準決勝進出を逃すと、2022年1月に通算成績20勝4分16敗の成績を残して代表監督を辞任しています。その後は同年9月には2022年シーズンの数試合が残る中、スランゴールFC監督に就任し、昨季2023年シーズンは前年の5位から2位にへと躍進させていました。

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成績な発表はないものの、タン氏が就任するのは現在タイ1部リーグで14位(16チーム中)のポリス・テロFCだと報じられています。現在はサバFCでプレーするマレーシア代表DFドミニク・タンやJDTでプレーする帰化選手MFモハマドゥ・スマレが在籍したこともあるチームです。2023/24シーズンはランサン・ヴィワチャイチョク監督でスタートしましたが、同氏が昨年11月にポートFCの監督に就任すると、その後はテクニカルディレクターのワラウート・スリマカ氏が監督代行として指揮を取っています。しかし、もしこの報道の通りであれば、なぜ今季ACL2出場が決まっているスランゴールFC監督を辞任し、昨年11月には給料未払いで選手が練習をボイコットしたことも報じられ、現在は19試合を終えて勝点19と最下位から勝点3差と降格争いの真っ只中にあるポリス・テロFC監督就任するのかが気になります。なおポリス・テロFCは個人的にはマレーシアの指導者が国外クラブで指導することは、その手腕が評価されているわけで喜ばしいのですが、アジアの大会に出場することが決まっているクラブを去る理由は何なのかがきになります。

ジョホールが代表DFアザム・アズミら4名の獲得を発表も全員が国内クラブへ期限付き移籍

今季はチーム運営資金を30-40%削減することを発表しているジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)ですが、その一方で相変わらず積極的な補強を進めています。今季もこれまでにアルゼンチン出身ながら先日のアジアカップ2023ではシリア代表としてプレーしたMFジャリル・エリアス(アルゼンチン1部サン・ロレンソから移籍)、ブラジル出身のMFムリロ・エンリケ(前韓国1部水原FC)、ポルトガル年代別代表でプレー経験があるMFフランシスコ・ジェラルデス(UAE1部バニーヤースSCから移籍)、元イタリアU19/20代表のFWニコラオ・ドゥミトル(タイ1部ブリーラム・ユナイテッドから移籍)と既に4名の新外国籍選手を獲得しています。

また国内移籍では、昨年12月にマレーシア国籍を取得し、先日のアジアカップ2023では韓国戦で引き分けに持ち込む同点ゴールを決めたコロンビア出身のロメル・モラレスも獲得、さらに一度は退団を発表した昨季のチーム得点王、FWフェルナンド・フォレスティエリとも再契約しています。

そんなJDTが昨日、マレーシアスーパーリーグの他のクラブから新たに4選手が加入することをクラブ公式SNSで発表しています。トレンガヌFCから加入する23歳のDFアザム・アズミは年代別代表から順調にA代表入りしている右サイドバックの選手で、現在代表でプレーするマシュー・ディヴィーズ(JDT)の後継者と目されています。

また昨日のこのブログでも移籍が秒読みとして取り上げたデクランとライアンのランバート兄弟はKLシティFCからの移籍です。双子の25歳はクアラ・ルンプール生まれながら父親の母国オランダで育ち、2021年途中にオランダ2部のFCデン・ボスから移籍したMFのライアン選手はKLシティでは64試合に出場して4ゴールを、2022年にやはりFCデン・ボスから移籍したDFのデクラン選手は61試合に出場して1ゴールを挙げています。

またクダ・ダルル・アマンFCから移籍する24歳のMFマヌエル・イダルゴは、アルゼンチン出身で現在は英国2部のシェフィールド・ウェンズデイU21でもプレー経験があル、リーグ屈指のAMFです。2021年に同じスーパーリーグのスリ・パハンFCに加入し、2シーズンプレーした後、昨季はクダ・ダルル・アマンFC移籍しており、スーパーリーグでは54試合で12ゴール23アシストの成績を残しています。また今季4年目を迎えるイダルゴ選手は、2026年の4月にはマレーシアでの5シーズン目が終わることから、それまはでは他のクラブでプレーし、マレーシア国籍取得後は昨季のエンドリック・ドス・サントス、今季のロメル・モラレスのようにJDTにマレーシア人選手として加わることが予想されています。

今回発表された積極補強もさることながら、さらに驚いたのはこの4名の選手の内、ライアン選手はJDTに残る一方で、アザム選手とでクラン選手はトレンガヌFCに、イダルゴ選手はスリ・パハンFCにそれぞれ期限付きで移籍することが発表されたことです。これにより今季のJDTのライバルとなる可能性があるトレンガヌFCにはいずれも代表選手のサファウィ・ラシド、アキヤ・ラシドと合わせて3名が期限付き移籍することになります。その際、このブログでも取り上げた「紳士協定」が発動すれば、この3選手はJDTとの対戦では出場できなくなります。主力となる3選手を欠くトレンガヌFCは言わば飛車角抜きでJDTに臨むことになってしまいます。積極的に補強を行ない、今季の台風の目になりそうなスリ・パハンFCも同様で、勝負所となるJDT戦でイダルゴ選手を欠くことは戦力ダウンとなってしまいます。

現在の規則では何も問題はないものの、例えばJDTが他のクラブの主力に次々に高額オファーし、その後、元のクラブに期限付き移籍させることを続けていけば、「紳士協定」が有効であれば、そのクラブとの直接対決では相手主力選手の出場を止めることができるわけです。他のクラブ同士で潰し合いをさせ、JDTとの対戦では主力抜きの相手と戦うことになりかねないこの仕組みは、リーグを運営するMFLに一考を求めたいです。

フットサルリーグMPFL第2節-早くも全勝はジョホールのみに

ひきマレーシアプレミアフットサルリーグ(MPFL)の第2節が2月25日と26日両日に行われ、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)が開幕から2連勝する一方で、昨季の覇者パハン・レンジャーズFCが今季初勝利を挙げています。

2月25日の試合では、レアル・ベティスフットサル元監督のフアン・アントニオ・ミゲル・ガルシア監督率いるスター軍団のJDTが、外国籍選手不在ながら第1節でKLシティを破っていたトレンガヌを8-1で破っています。第1節のゴンバックTOTユナイテッドFC戦に続いて連勝したJDTは、エースのサアド・サニがこの試合でも2ゴールを決めて、通算5ゴールで得点王争いのトップに立っています。

第1節でJDTに敗れていたゴンバックTOTユナイテッドFCは、昨季監督を務めたパット・スリウィジット氏と7名の選手が移籍したサバFAと対戦し、インドネシア出身のグントゥル・スリストヨ・アリウィボワが5ゴールを決める活躍で、サバFAを7-5で破り今季初勝利を挙げています。なおグントゥル選手はこの試合の5ゴールでJDTのサアド選手と得点王争いで並んでいます。

また第1節ではパハン・レンジャーズと引き分けていたシャー・アラムシティは、ケルウィン・ソアレス、イサイアス・フィゲイレードらブラジル出身選手のゴールでKLシティFCを8-3で破り、JDTに次ぐ2位に浮上、一方のKLシティは開幕から2連敗で最下位となっています。

なおパハン・レンジャーズFCは、フェリペ・デ・ソウザとハミディン・ザハリフ・マハムンがそれぞれハットトリックを決める活躍で、スランゴールFCを8-4で破り、今季初勝利を挙げています。スランゴールFCは若きエース、シャヒル・イクバル・カーンが今季初ゴールを決めたものの、反撃が及びませんでした。

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