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11月23日のニュース
2024/25シーズンのクラブライセンスはクランタンFCを除く13クラブに交付
前スランゴールのヨルダン代表に無期限出場停止処分
U23代表合宿に英国出身のリチャード・チンが初参加
大量の帰化選手について問われたキム監督が台湾メディアに反論

W杯2026年大会アジア2次予選ではキルギス、台湾に連勝し、今年の通算成績を9勝2分2敗で終えたマレーシア代表。FIFAランキングでは格上のキルギスにも勝利したことで、次のランキング発表では120位代も予想されています。代表戦も終わり、国内リーグも今季残り3節となっていますが、早くも秋春制移行の第一歩となる2024/25シーズンに関するニュースが出ています。

2024/25シーズンのクラブライセンスはクランタンFCを除く13クラブに交付

来季2024/25年シーズンのための国内クラブライセンス交付状況が発表され、今季マレーシアスーパーリーグでプレーする14クラブ中、13クラブが来季の国内クラブライセンスを交付される一方で、今季最下位に沈むクランタンFCは未払い給料問題が解決したかどうかについての報告が不十分であることが交付が保留になっています。

国内クラブライセンス交付を行う第一審機関(FIB)のシーク・ナスリ委員長は、ジョホール・ダルル・タジムFC、スランゴールFC、クダ・ダルル・アマンFC、スリ・パハンFC、トレンガヌFC、PDRM FC、ペラFC、ヌグリスンビランFC、ペナンFC、クチンシティFCの10クラブは来季の国内クラブライセンスが交付されたことを明らかにしています、またサバFC、KLシティFC、クランタン・ユナイテッドFCについては、国内クラブライセンスを交付するものの、必要書類の提出が期限を過ぎていた上に、その内容に「誤り」があったことから罰金として2万リンギ(1リンギはおよそ32円)が科されています。

この他、未だ必要書類が提出されていないクランタンFCについては、その遅れに対して罰金2万リンギが科された他、11月30日までに今季の給料未払い問題の解決とその証明を、また12月13日までにFIFAおよびFAMに訴えられている昨季以前の給料未払い問題の解決とその証明を提出することを求め、それが果たされない場合には来季の国内クラブライセンスを交付しないことを表明しています。

また3部に当たるM3リーグの国内クラブライセンス申請については、今季優勝を果たしたイミグレセン(入国管理局)FC、準優勝のKLローヴァーズを含めた7クラブ全てが、ライセンス取得の条件を満たしていないとして、非交付を決めています。この中には、昨季までスーパーリーグでプレーしながら、今季は国内ライセンスを交付されずにセミプロリーグのM3リーグに降格したサラワク・ユナイテッドFCとマラッカFCも含まれています。

クラブが国内クラブライセンスを交付されるためには設備、人件、運営、法務、財務、実務の6つの基準で一定の評価を受ける必要がありますが、さらにFIBは、負債や未払い給料、更には未払いの所得税などがないことの宣誓供述書(宣誓者本人が把握している情報を基に作成した供述書の内容が真実であることを、特定の国家資格保有者の立会いのもとで、宣誓した上で署名している書類のこと)の提出も義務付けています。

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クランタンFCはマレーシアスーパーリーグのシーズン最多失点記録を現在102失点で更新中であることは、このブログでも取り上げていますが、そのクランタンFCを指揮するアイルトン・シルヴァ監督が今季残り試合3試合を残してチームを去るようです。2019年にはチェンライ・ユナイテッドを率いてタイ1部リーグを制覇し、この年のリーグ最優秀監督にも選ばれたシルヴァ監督ですが、給料未払いに加えて、経験不足の若い選手で構成されたチームを指揮することは難しかったのか、或いはシルヴァ監督自体も給料未払いだったのかは不明ですが、このままだと来季のスーパーリーグは奇数の13チーム編成となりそうな気配です。

前スランゴールのヨルダン代表に無期限出場停止処分

マレーシアサッカー協会(FAM)の規律委員会が開催され、9月24日にスランゴール州のMBPJスタジアムで行われたマレーシアカップ準々決勝セカンドレグのスランゴールFC対トレンガヌFCの試合で、ハスロル・アミル主審に対して暴行したスランゴールFCのヤザン・アル=アラブに対して、マレーシア国内で行われる全ての試合について無期限の出場停止処分を科すことを発表しています。

この試合でヤザン選手は、試合終了後に激しくハスロル主審に抗議したことからレッドカードを出されましたが、それに激昂しハスロル主審に向かって唾を吐き、その胸を押し、最後は背中を向けたところで尻を蹴るなどの行為に及んでいました。

なおヤザン選手は、その後の10月3日にスランゴールと契約を両者同意のもとで解除しています。現在は無所属ですが、11月21日に行われたFIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選のG組第2節ヨルダン対サウジアラビア戦ではヨルダン代表としてベンチ入りしています。

この試合で引き分けたスランゴールは通算成績1-3でトレンガヌに敗れていますが、試合後は審判の判定をめぐってスランゴールFCの関係者と審判団が大荒れとなりましたが、その結果、スランゴールFCのアシスタントチームマネージャーのワン・アジマル氏を含む5名にはそれぞれ罰金1万リンギから1万5000リンギ(1リンギはおよそ32円)と公式戦10試合のスタジアム入場禁止処分が、また保安担当ながら審判に向かって水の入ったボトルを投げるなどしたM・ジャヤバラン氏には罰金2万リンギと2年間の全てのサッカー関連活動禁止処分が出されています。またスランゴールFCもクラブとして2万3000リンギの罰金を科されています。

また同じ規律委員会では、リーグ10連覇を果たしたジョホール・ダルル・タジムFCにも2件で合計3万リンギの罰金処分を科しています。7月22日にジョホール州のスルタン・イブラヒムスタジアムで行われたFAカップ決勝のジョホール対KLシティFC戦では、サポーターに暴力行為があったとして罰金1万5000リンギを、さらにJDTのフットサルチームも5月27日のジョホール対スランゴールMACでサポーターに挑発行為があったとして罰金1万5000リンギが科されています。

U23代表合宿に英国出身のリチャード・チンが初参加

11月13日から一昨日21日までクアラ・ルンプールのKLフットボールスタジアムで行われていたU23代表合宿に英国出身で英国3部のチャールトン・アスレティックに所属するDFリチャード・チンが参加していたと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。先月10月に就任したばかりのスペイン出身のフアン・トーレス監督率いるマレーシマレーシアU23代表は、来年2024年4月に開催されるAFC U23アジアカップの出場権を得ており、今回の合宿は大会に向けた準備の一環として行われています。

マレーシア人の父親とセイシェル出身の母親を持つチン選手は、合宿途中の11月15日から参加すると、すぐにその存在感を示していたということです。また11月16日にはU23代表のチームメイトとともに、クアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で開催されたW杯予選のマレーシア対キルギス戦も観戦したということです。

今年22歳になるチン選手は、昨年にはマレーシア代表でプレーしたい意思を表明していましたが、この度、マレーシアのパスポート取得に必要な全ての書類が揃ったことから、今回のU23代表合宿への参加が実現したということです。

現在は英国6部のセミプロクラブ、ダートフォードFCに期限付き移籍中のチン選手は、所属先では守備的MFとしてプレーすることが多いようですがが、この合宿ではサイドバックとして、代表でもプレーするサフワン・マズラン(トレンガヌFC)、ジクリ・カリリ(スランゴールFC)、ウマル・ハキム、フィルダウス・ラムリ(いずれもジョホール・ダルル・タジムFC II)らとのポジション争いに臨んだようです。

AFC U23アジアカップは4月15日から5月3日までカタールのドーハで開かれますが、今年9月にタイで行われた予選H組では、マレーシアはタイに続く2位になったものの、各組2位チームの中で成績上位4チームに入り、前回2022年、2018年大会に続き、2大会連続3回目となる出場権を獲得しています。

大量の帰化選手について問われたキム監督が台湾メディアに反論

一昨日行われたFIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選D組第2節で台湾を1-0で破ったマレーシアのキム・パンゴン監督が試合後の記者会見で台湾メディアから出ていた意見を真っ向否定したと、マレーシア語氏のブリタハリアンが報じています。

試合後の記者会見で、台湾側のメディア関係者から代表チームに多くいる「帰化選手」の存在について指摘されたキム監督は「マレーシア代表には『帰化選手』はいるが、彼らは外国籍選手ではなく、マレーシア国民であると」と反論したようです。

さらにキム監督はFIFAワールドカップ2018年大会で優勝したフランスが「帰化選手」のおかげで優勝したことや、アジアでも日本を含めた複数の国が「帰化選手」によって強化されていると述べた上で、「帰化選手」は外国籍選手ではない点を強調しています。

「マレーシア代表にいる多くの帰化選手は、片親あるいは両親がマレーシア出身ながら国外で生まれ育ったヘリテージ帰化選手であり、彼らは外国籍選手ではなくマレーシア国民である。またマレーシア人の血縁を持たない帰化選手もいるが、彼らにとっては国籍を変えてマレーシア人となる決断は簡単ではない。」と説明しています。

「しかも外国で生まれ育った選手は、国籍を変更する前に自分がマレーシア代表となるだけの能力や献身的姿勢、さらには国家に対する忠節を示す必要がある。それを理解した上で、帰化選手の存在を否定するべきではない。」とも話しています。

台湾との試合でマレーシアは先発XIの内、ヘリテージ帰化選手はDFマシュー・デイヴィーズ、DFラヴェル・コービン=オング(以上ジョホール・ダルル・タジムFC)、DFジュニオール・エルドストール(インドネシア1部デワ・ユナイテッド)、DFディオン・クールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)、MFスチュアート・ウィルキン(サバFC)の5名、帰化選手はブラジル出身のパウロ・ジョズエ(KLシティFC)の1名でした。またベンチにはDFダニエル・ティン、FWダレン・ロック(いずれもサバFC)、MFブレンダン・ガン(スランゴールFC)、MFノーア・レイン(フィンランド1部セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ)の4名のヘリテージ帰化選手と、ブラジル出身のMFエンドリック・ドス・サントス、ガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(いずれもジョホール・ダルル・タジムFC)の2名の帰化選手も入っています。

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