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11月20日のニュース
FAMとキム監督は2025年までの契約延長で合意
W杯アジア2次予選第2節に向けてマレーシア代表が台湾入り
不当解雇を訴えるリム前監督とでペラFCの争いは労働審判所での決着へ

FAMとキム監督は2025年までの契約延長で合意

先日始まったFIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選の第1節では、FIFAランキング97位のキルギスをロスタイムのゴールで4-3と破った同137位のマレーシア。そのマレーシアを率いる韓国出身のキム・パンゴン監督との契約は今年末までとなっていましたが、マレーシアサッカー協会(FAM)とキム監督は契約を2年間延長することで合意に達したと英字紙スターが報じています。

昨年1月に前任者で現在スランゴールFC監督のタン・チェンホー氏が、東南アジアサッカー選手権2022年大会で、準決勝へ駒を進められなかった責任を取って辞任し、その後任としてマレーシア代表監督に就任したのが54歳のキム監督でした。2年プラス延長1年のオプションを含む契約内容に同意したキム監督の契約期間が残り2ヶ月を切りながら、契約延長の話が出ていませんでしたが、FAMのハミディン・アミン会長は、キム監督と新たに2025年までの2年契約を結んだことを明らかにしています。

ハミディン会長は、キム監督の博識さと勤勉さを評価した結果の契約延長であったと述べ、今回のW杯予選でマレーシアが目指す3次予選出場を果たせれば、長期政権の可能性も示唆しています。キム監督就任以来、マレーシア代表はFIFAランキングで常用を続け、先月10月には過去18年間で最高位となるFIFAランキング134位となっています。10月のFIFA国際マッチデーで同109位のタジキスタンに敗れて、現在は137位とランキングを下げたものの、W杯予選第1節では同97位のキルギスを破ったことで、次のランキング発表では130位も狙えるだけのポイントを獲得しています。

キム監督が就任してからの21ヶ月でマレーシア代表は25試合で17勝2分6敗、勝率68%という成績を収めています。

W杯アジア2次予選第2節に向けてマレーシア代表が台湾入り

明日11月20日に行われるFIFAワードカップ2026年大会アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選のD組第2節に向けて、マレーシア代表が試合地の台湾入りしています。

11月16日に行われたD組第1節ではFIFAランキング97位のキルギスをホームに迎え、ロスタイムの逆転ゴールで劇的勝利を挙げた同137位のマレーシアですが、第2節で対戦する同152位の台湾との試合は今予選初のアウェイマッチとなっています。

マレーシア代表のキム・パンゴン監督は、チーム初となるアジア3次予選進出のために最低でも勝点12を獲得することを挙げており、明日の台湾戦に勝利すると、まだD組ではFIFAランキング72位と最高位のオマーン戦を含めて残り4試合で6点獲得とある程度の計算が立ってきます。

台湾は、D組第1節ではアウェイでオマーンに0-3で敗れています。

2019年に東京ヴェルディーの監督も務めた(ただし成績不振のためシーズン途中で解任)ギャリー・ジョン・ホワイト監督率いる台湾は、今季はホームではタイやフィリピンといった格上チームの引き分けるなど2勝2分と負けなしです。またマレーシアとの対戦成績は直近では2018年9月7日に台北の台北陸上競技場で対戦し、このときはウー・チュンチン(呉俊青)とトルコ出身の帰化選手チュー・エンレ(朱恩樂、トルコ名オヌール・ドガン)がゴールを決めて、マレーシアを2-0で破っています。なおこのマレーシア戦でゴールを決めた両選手は、先日のオマーン戦ではチュー選手はベンチ外でしたが、ウー選手は先発して90分までプレーしています。

報道では台湾入りしたマレーシア代表チームはケガ人もおらず、全員が出場可能ということです。明日の台湾戦を終えると、W杯予選は来年3月21日のオマーン戦(アウェイ)、3月26日のオマーン戦(ホーム)、6月6日のキルギス戦(アウェイ)、そして6月11日の台湾戦(ホーム)が予定されています。

不当解雇を訴えるリム前監督とでペラFCの争いは労働審判所での決着へ

今季途中で監督職を解雇されたリム・ティオンキム氏は、雇用主のペラFCによる不当解雇を訴えて未払い給料の支払いを求めていますが、労働審判所による調停が決裂したことから、労働審判所による審判を受けることになったと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

ペラFCのボビー・ファリド・シャムスディンCEOは、クラブからリム氏に対して調停案を提示したものの、リム氏がこれを受け入れることを拒否したことを明らかにしています。係争中となったため詳細については明らかにできないと話したファリドCEOは、どのような判決が出てもクラブは控訴せずに労働審判所の判断に全面的に従うと述べています。

マレーシアサッカー協会(FAM)とマレーシア政府青年スポーツ省参加の国家スポーツ評議会(MSN)が共同で運営するエリートアカデミーのモクタル・ダハリ・アカデミー(AMD)の責任者を務めたこともあるリム氏は、2001年から10年間、ドイツ1部のバイエルン・ミュンヘンのユースチームでコーチを務めたのち、2013年に国家サッカー選手育成プログラム(NFDP)の責任者として招聘され帰国しています。

さらに2016年からはAMDの責任者とU16代表の監督も兼任したリム氏は、FIFA U17ワールドカップ2019年大会への出場権獲得となるAFC U16選手権2018年大会での準決勝進出が期待されていました。しかしマレーシアで開催されたこの大会では、日本、タジキスタン、タイと同組となった予選A組でまさかの最下位に終わり、準決勝進出どころか、各組の上位2チームが進出するベスト8にすら届きませんでした。

その後、AMD責任者としての月給が17万5000リンギ(現在のレートでおよそ560万円)でしかも非課税であることを当時の青年スポーツ相に暴露されて解任、またFAMには大会敗退の責任を負われる形でU16代表を解任されました。

その後、前年に起こった給料未払い問題によってクラブ史上初の2部プレミアリーグに降格していたペラFCの監督に2022年9月に就任したリム氏は、リーグ改編による1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの合併により、今季は1部スーパーリーグで指揮を取りましたが、開幕から2勝3分8敗で11位に低迷していた5月25日に成績不振を理由にペラFCの監督を解任されていました。

 


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