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10月18日のニュース
ムルデカ大会決勝-タジキスタンがマレーシアを破り優勝

ムルデカ大会決勝-タジキスタンがマレーシアを破り優勝

10年ぶりの開催となったムルデカ大会の第42回大会決勝が10月17日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われ、タジキスタン代表が大会ホストで13回目の優勝を目指したマレーシア代表を2-0で破り、優勝を果たしています。

公式発表では3万6,558名の観衆を集めた決勝戦で、マレーシア代表のキム・パンゴン監督は4-2と快勝した10月13日のインド代表戦からは、MFノーア・レイン(フィンランド1部セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ)とFWアキヤ・ラシド(ジョホール・ダルル・タジムFC)に代えて、MFブレンダン・ガン(スランゴールFC)とFWサファウィ・ラシド(ジョホール・ダルル・タジムFC)を先発に起用、一方のタジキスタン代表はマレーシアスーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFCでプレーするMFアミルベク・ジュラバエフが先発XIに名を連ねています。(以下は両チームの先発XI。タジキスタン代表の写真はアミルベク・ジュラバエフ)

試合は6試合連続無敗と好調のマレーシアが試合開始直後から積極的なプレーを見せ、タジキスタンゴールへ迫りますが、シュートの精度を欠き、ゴールには至りません。そうしている間にタジキスタンが徐々にペースを掴むと、15分には左サイドでマレーシアのパスをカットし、そこから展開して最後はシュクロフ・アリシャーがGKシーハン・ハズミと1対1となる場面になりますが、シーハンがこれを弾いてマレーシアは難を逃れます。マレーシアも20分にはフリーキックからサファウィ・らシドが、27分にはブレンダン・ガンがミドルシュートで、また32分にはアリフ・アイマンがそれぞれゴールを狙いますが、いずれもタジキスタンGKダラー・バロトフに阻まれます。さらに36分にはこの日、好機に絡むこと多かったマシュー・デイヴィーズが右サイドをドリブルで崩してクロスを出すも、ゴール前のダレン・ロックに合わず得点機を逃します。

そんなかで先制したのはタジキスタンでした。44分にルスタム・ソイロフがマレーシアDラインを巧みに抜け出してパスを受けると、そのままゴールを決めてタジキスタンが1-0とします。マレーシアもその直後にサファウィ選手のフリーキックからデイヴィーズ選手がヘディングシュートを放つも、素晴らしい反応を見せたタジキスタンGKに阻まれ、前半はタジキスタンがリードして終了します。

後半開始とともにキム監督はデイヴィーズ選手に代えてアザム・アズミを、アリフ・アイマンに代えてアキヤ選手を投入すると、この起用に応えるように54分には左サイドのラヴェル・コービン=オングからのパスを受けたアキヤ選手がシュートを放ちますが、GKに阻まれてゴールとはなりませんでした。その後もマレーシアはダレン・ロックのヘディングシュートは枠外、ファイサル・ハリムのシュートはゴールポストに阻まれるなど、好機を作るものの得点とはならなりません。

キム監督は、さらにスチュアート・ウィルキンとムカイリ・アジマルをそえぞれブレンダン・ガン、サファウィ・ラシドに代えて投入し、同点を目指してより攻撃的な布陣に変更しますが、逆に88分には前掛かり気味になったマレーシアDFラインを抜け出したシャフロム・サミエフがゴール前に迫ると、ドミニク・タンとシーハン選手のコミュニケーションミスからゴールを決められ万事休す。2-0のまま逃げ切ったタジキスタンがムルデカ大会初優勝を飾っています。

無敗記録が6で止まったFIFAランキング134位のマレーシア代表は、昨年、タイのキングズカップ決勝でも敗れていた同110位のタジキスタンへのリベンジも果たせず、今月のFIFA国際マッチデーは1勝1敗に終わっています。

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試合後の記者会見では、この日の敗戦の責任は全て自分にあると話したマレーシアのキム監督は、結果的にサポーターの期待に応えられなかったことを詫びるとともに、好調が続いてたチームに対して「ホームのサポーターの前での敗戦は辛いが、この敗戦を糧にチームを改善していきたい」と話し、来年1月に開幕するアジアカップ前にまだ多くの改善の余地があることを伝える警鐘だと考えていると述べています。

一方、勝利したタジキスタンのペタル・セグルト監督は、試合終了まで統制のとれたプレーを続けた選手たちを称えるとともに、大会初出場での初優勝はタジキスタンにとって喜ばしいと述べています。

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またこの試合後、マレーシア代表のキム・パンゴン監督はさらに、マレーシア代表が短期間でFIFAランキングを大幅に改善したことについて、正直なところ「震え上がっていた」とも述べています。マレーシアはキム監督が就任した2022年1月から2年も経たない内にFIFAランキングを154位から134位まで上げていますが、キム監督はその間、眠れない夜が何度もあったことを告白しています。

「(マレーシアがFIFAランキング)134位に到達するのは早すぎたと感じている。その結果、サポーターの期待が高まったことはありがたいが、それに応えなければと怖くなり、眠れないことが何度もあった。また、多くの人々が(ムルデカ大会の)優勝を期待していることも理解していたので、この決勝前夜も眠れなかった。」と試合後の記者会見で明かしています。

またここまで好調だったマレーシア代表がこの試合で敗れたことで、キム監督は代表サポーターの自身と代表チームが真に支持されているかどうかが試されることになるだろうとも話し、サポーターだけでなく、メディアも含めた国内サッカー関係者に対して、代表チームの成績にかかわらず今後も応援して欲しいと述べ、その代わり、チームへの批判は選手ではなく自身が全て請け負うとしています。そして来月11月から始まるFIFAワールドカップ2006年大会アジア予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選では、より強力になったマレーシア代表を見せたいと話しています。

ムルデカ大会決勝
2023年10月18日@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラ・ルンプール)
マレーシア代表 0-2 タジキスタン代表
⚽️タジキスタン:ルスタム・ソイロフ(44分)、シャフロム・サミエフ(88分)

試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより。


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