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AFCカップ2023/24東南アジアゾーン
G組第1節-トレンガヌが相手OGで勝利
H組第1節-サバがダレン・ロックの2ゴールなどで快勝

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に続き、AFCカップの2023/24シーズンが開幕しています。ACLの下位大会に当たるAFCカップではマレーシアからは2015年にジョホール・ダルル・タジムFCが優勝、昨季2022年にはKLシティFCが準優勝しています。

ACLとは違い、決勝までの道のりは東南アジア(ASEAN)地区のチームにとっては果てしなく、まずはASEAN地区内でのグループステージで1位あるいは各組2位チームの中で最高位成績を残して、ノックアウトステージとなる地区内準決勝、さらに地区内決勝で勝ち抜けてASEAN1位とならなければなりません。続く南アジア地区代表との地区間準決勝に勝つと、もう一つの地区間準決勝である東アジア地区代表と中央アジア地区代表の勝者と対戦する地区間決勝で勝利すると決勝戦に進出します。決勝では西アジア地区代表となる中東のチームと対戦し、これに勝って初めて優勝となります。このようにASEAN地区からではノックアウトステージで4試合連続で勝利してやっと決勝進出となるのに対して、西アジア地区はノックアウトステージで2勝すれば決勝進出となります。

昨季は新型コロナ禍もあり、グループステージが集中開催方式で行われ、準優勝したKLシティFCはホームのKLフットボールスタジアムがその集中開催地の一つとなるなどアドバンテージもありましたが、今季からはグループステージの開催方法がホームアンドアウェイ方式に戻ります。また来季からはこのAFCカップはAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)とリブランドされることも決まっており、AFCカップの名称で行われる大会は今季が最後となります。

AFCカップ2023/24 東南アジアゾーンG組第1節-トレンガヌが相手OGで勝利

11年ぶりにAFCカップ出場のトレンガヌがまず1勝

AFCカップ2023/24のグループステージが開幕し、G組のトレンガヌFCは第1節でオーストラリアのセントラル・コースト・マリナーズFC(マリナーズ)とホームで対戦しています。昨季2022/23シーズンのリーグ2位としてAFCカップに出場するマリナーズは、現在のマレーシア王者ジョホール・ダルル・タジムFCの前身、ジョホールFAや当時はMリーグに所属していたシンガポールFAなどで1990年代にプレーしていたアバス・サアド氏が暫定監督として指揮を取るチームです。またオーストラリアは2013年から東南アジアサッカー連盟AFFに加盟していますが、AFCカップにオーストラリアのチームが参戦するのは今大会が初めてです。

下はこの試合の両チームの先発XIです。この試合では、トレンガヌは通常の黒白基調のユニフォームではなく、下のような白一色のAFCカップ用ユニフォームを着用。またオーストラリアリーグのセントラル・コースト・マリナーズは、マレーシアの格安航空会社エア・アジアが胸スポンサーというのも、個人的には興味深いところです。

試合は開始1分でマルコ・トゥリオがシュートを放つなどマリナーズが積極的に攻め、10分にはアルー・クオルがトレンガヌGKスハイミ・フシンと1対1になる場面もありましたが、これをスハイミ選手が好セーブでしのぎます。その後もマリナーズは好機を作るもののFW陣のシュートの精度の低さに助けられ、トレンガヌはゴールを許しません。逆にトレンガヌは前半終了間際の45分に右サイドからヌリロ・タクタシコフがゴール前のイヴァン・マムートへクロスを送ります。マムート選手をカバーしていたネイサン・ポールがこれをクリアしようとしたもののGKダニー・ヴコヴィッチが反応できずにオウンゴールとなり、トレンガヌが先制して前半を終了します。

後半に入ってもマリナーズが優勢に試合をするめる中、結局、前半のオウンゴールがが決勝点なり、これを守り切ったトレンガヌが勝点3を獲得する好スタートを切っています。ボールの保持率はマリナーズ53%、トレンガヌ47%、またシュート数がマリナーズが23本(枠内7本)、トレンガヌが11本(枠内3本)と試合を通してマリナーズがトレンガヌを圧倒しましたが、先月から今月にかけてのリーグ戦やカップ戦直近4試合を全て零封しているトレンガヌがこの試合でもマリナーズを完封しています。

ACLカップ2023/24 グループステージG組第1節
2023年9月20日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:5.996人
トレンガヌFC 1-0 セントラル・コースト・マリナーズFC(オーストラリア)
⚽️トレンガヌ:ネイサン・ポール(45+1分OG)
🟨トレンガヌ(2):ヌリロ・タクタシコフ、スハイミ・フシン、
🟨CCマリナーズ(2):ジェイコブ・ファレル、クリスティアン・セオハラス

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより

G組第1節のもう一試合はインドネシアのバリ・ユナイテッドFCがフィリピンのスタリオン・ラグナFCのホームで5-2と勝利し、得失差でG組首位となっています。

ACLカップ2023/24 グループステージG組第1節
2023年9月20日@ビニャン・フットボール・スタジアム(ラグナ州ビニャン、フィリピン)
観衆:350人
スタリオン・ラグナFC(フィリピン) 2-5 バリ・ユナイテッドFC(インドネシア)
⚽️スタリオン:ジュニオール・ンゴン・サム(30分)、エイブラハム・プラシト(88分)
⚽️バリ:イリヤ・スパソイェヴィッチ2(27分、72分)、ハウディ・アブディラ(33分)、モハメド・バッシム(53分)、ムハマド・ラフマト(69分)
🟨スタリオン(1):フアン・トゥリオ
🟨バリ(2):アディルソン・マリンガ、エリアス・ドラ
スタリオン・ラグナFCの野村悠太選手は57分から交代出場、中村玲央選手はベンチ外でした。

AFCカップ2023/24 グループステージG組順位(第1節終了)

順位 チーム 勝点
1 バリ・ユナイテッド 1 1 0 0 5 2 3 3
2 トレンガヌ 1 1 0 0 1 0 1 3
3 セントラル・コースト 1 0 0 1 0 1 -1 0
4 スタリオン・ラグナ 1 0 0 1 2 5 -3 0

AFCカップ2023/24 東南アジアゾーンH組第1節-サバがダレン・ロックの2ゴールなどで快勝

各国のカップ戦覇者が対戦したAFCカップウィナーズカップ(現在は廃止)に1995年に出場して以来、28年ぶりにアジアの舞台に戻ってきたサバ。この試合の両チーム先発XIは以下の通りです。

昨季のマレーシアスーパーリーグ3位と昨季のシンガポールカップ覇者の対戦となったこの試合は、雨が激しく降り頻る中で始まり、サバが開始5分、カブリエル・ペレスのゴールで先制します。さらに代表FWのダレン・ロックが36分にゴールを決め、サバが2点をリードして前半を終了します。

後半に入るとホウガン・ユナイテッドは髙山和真選手が61分にヘディングシュートを放ち、サバGKのダミアン・リムがゴールラインギリギリでこれを防いだように見えましたが、オーストラリア人のジョナサン・バレイロ主審はボールがラインを超えていたとしてゴールと認定、試合は1点差となりましたが、その2分後にロック選手がこの試合2点目となるゴールを決めて、サバが再びリードを広げると、試合はそのまま終了し、グループステージ初戦を制しています。

AFCカップ2023/24 グループステージH組第1節
2023年9月21日@リカス・スタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバFC 3-1 ホウガン・ユナイテッドFC(シンガポール)
⚽️サバ:ガブリエル・ペレス(5分)、ダレン・ロック(36分、63分)
⚽️ホウガン:髙山和真(64分)
🟨サバ(0)
🟨ホウガン(0)
ホウガン・ユナイテッドの日本人選手、髙山和真、栗山直樹両選手はいずれも先発してフル出場しています。

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより

H組第1節のもう一試合は、ベトナムのハイフォンFCがPSMマカッサルを3-0で破っています。

AFCカップ2023/24 グループステージH組第1節
2023年9月21日@ラックチャイ・スタジアム(ハイフォン、ベトナム)
ハイフォンFC(ベトナム) 3-0 PSMマカッサル(インドネシア)
⚽️ハイフォン:エルウィン・グタワ(8分OG)、ルオン・ホアン・ナム(79分)、ジョセフ・ムバンデ(86分)
🟨ハイフォン(0)
🟨マカッサル(0)
PSMマカッサルの日本人選手、南部健造選手は先発してフル出場しています。

ACL2023/24 グループステージH組順位(第1節終了)

順位 チーム 勝点
1 ハイフォン 1 1 0 0 3 0 3 3
2 サバ 1 1 0 0 3 1 1 3
3 ホウガン・ユナイテッド 1 0 0 1 1 3 -2 0
4 PSMマカッサル 1 0 0 1 0 3 -3 0
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