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AFCチャンピオンズリーグ2023/24
グループステージI組第1節-ジョホールはマルシーニョのゴールで川崎に敗れる

2023/24シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が開幕し、ACL5季連続出場となったジョホール・ダルル・タジムFC(ジョホール)はグループステージI組の初戦となる川崎フロンターレ戦に臨み、0-1で敗れています。

今季のジョホール・ダルル・タジムFC(ジョホール)はリーグ戦が20勝1分、カップ戦は既にFAカップ優勝を決め、現在進行中のマレーシアカップも準々決勝進出と、年間通算成績が27勝1分0敗で得点114失点8と国内では相変わらずの無双ぶりを見せており、公式戦での敗戦は昨年8月16日のACLベスト16浦和レッドダイアモンズ戦まで遡らなければなりません。そのジョホールは今季のACLでは、奇しくも昨季のACLグループステージと同じ川崎フロンターレ、蔚山現代と同組になっており、クラブ史上初となった昨季のグループステージ突破に続く2季連続となるノックアウトステージ進出に期待がかかります。とは言え、昨季は新型コロナ禍の影響もあり、グループステージI組はジョホールの本拠地での集中開催となったアドバンテージがあったののも事実。本来のホームアンドアウェーに戻った今季のACLで、グループステージを突破して、来季から始まるACLエリート入りを果たしたいところです。

この試合の両チームの先発XIは以下の通りです。ジョホールのエステバン・ソラリ監督は、今季リーグ戦17試合先発のフェロズ・バハルディンではなく、その高さに期待してか今季先発4試合のシェーン・ローリーをCBに起用した以外は、リーグ戦とは大きく変わっていません。なお17ゴールでリーグ得点王争い2位のフェルナンド・フォレスティエリ、5ゴールのレアンドロ・ヴェラスケスはいずれもケガのためベンチ外、また今季途中から加入した邦本宜裕選手もこの試合ではベンチ外となっています。

試合開始から、両チームが激しくせめぎ合う展開となった中、11分にはフアン・ムニスのバックパスをカットしたバフェティンビ・ゴミスが抜け出そうとするところをホン・ワンが倒してPKを与えてしまいます。このPKはジョホールの壁にあたりコーナーキックになりますが、今度はこのコーナーキックからゴール前でフリーとなった家長昭博のシュートが外れるなど、ジョホールは連携の悪さが序盤から目につきました。逆にジョホールは17分、自身がマルシーニョに倒され得たFKをフアン・ムニスが蹴りますが、これを頭で合わせたベルグソン・ダ・シルヴァのシュートは大きくゴールを外れます。

21分にはペナルティエリアの中でアリフ・アイマンがGKと接触して倒れるも今季からグループリーグにも導入されたVARによりファウルとならず、さらにその直後にはムニス選手のパスにベルグソン選手が反応するも、ゴールのわずか左に外れてしまいます。さらに30分には今季のACLに出場している唯一のインドネシア人選手でCBジョルディ・アマトのミスからボールを奪ったマルシーニョがGKシーハン・ハズミと1対1となるも、シーハン選手がシュートをブロックで難を逃れると、その1分後にはベルグソン選手のミドルシュートをGKチョン・ソンリョンが弾くなど両チームの応酬が続きます。

そしてこのまま0-0で終了かと思われた前半終了間際の45分、右サイドの家長選手からのクロスはゴール前の瀬古樹へ、これにGKシーハン選手が遅れ気味に飛び出してしまうと、がら空きとなったゴールに瀬戸選手からの浮き球をファーサイドでフリーとなっていたマルシーニョがオーバーヘッドキックでシュート。これが無人のゴールにきまります。一見するとオフサイドにも見えたこのシュートにもVARが使用されますが、得点が認められた川崎が先制して前半を終了します。

後半開始で選手を入れ替えなかったジョホールは47分にアリフ選手が右サイドから得意のドリブルでペナルティエリアにボールを持ち込みます。この場面、中央にはベルグソン選手がフリーでいましたが、アリフ選手はシュートを選択。しかしGKチョン選手にブロックされて得点には至りません。60分にはジョホールDFラインの裏に抜け出した瀬古選手とGKシーハン選手が交錯するもボールが無人のゴールへ転がりますが、ローリー選手がゴールライン間際で蹴り出して失点を防ぎます。

ホームでの勝点が何としても欲しいジョホールは、FWジオゴをMFアフィク・ファザイルと、MFエンドリック・ドス・サントスをDFラヴェル・コービン=オングと入れ替えるなど攻撃モードに入り、最後まで好機を作りますが、試合終盤に向けて守備の選手を増やした川崎の牙城は崩せず、無得点で敗れていますが、昨季のACLグループステージでも川崎とのファーストレグは0-0、セカンドレグは0-5と合わせると3試合続けて無得点となっています。またこの日の敗戦でジョホールとJリーグチームとのACL通算対戦成績は2勝1分4敗、得点4失点10となりました。(途中で出場中止となった2021年のACLは除く)

この試合のスタッツを見るとボール保持率は川崎51%、ジョホール49%ほぼ互角ですが、ジョホールはパスの出しどころを封じられてDF陣の間でボールを回す場面なども見られ、また国内リーグではドリブルが売りのアリフ・アイマンが全くスペースを得られずドリブルをさせてもらえないなど、試合を見た印象では0-1という点差以上に川崎とは力が離れているように感じました。ゴール前ではマークが厳しくなるこういう試合こそ、ミドルやロングシュートを狙うフェルナンド・フォレスティエリやレアンドロ・ヴェラスケスが元気ならば…というのは恨み節になりますが、個人的には個人技で切り込んで状況を打開できるアキヤ・ラシドがセカンドレグでプレーすることを期待したいです。

ACL2023/24 グループステージI組第1節
2023年9月19日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジム 0-1 川崎フロンターレ
⚽️川崎:マルシーニョ(45分)
🟨ジョホール(5):ホン・ワン、ベルグソン・ダ・シルヴァ、ジオゴ、シェーン・ローリー、フアン・ムニス
🟨川崎(3):車屋紳太郎、橘田健人、ジョアン・シミッチ

試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより

なおI組のもう1試合はホームの蔚山現代がアーダーム・マルティンのハットトリックで、タイのBGパトゥム・ユナイテッドを破っています。

ACL2023/24 グループステージI組第1節
2023年9月19日@蔚山文殊サッカー競技場(蔚山広域市)
蔚山現代 3-1 BGパトゥム・ユナイテッド
⚽️蔚山:アーダーム・マルティン3(28分、73分、78分)
⚽️BGパトゥム:ライハン・スチュワート(41分)
🟨蔚山(1):チョン・スンヒョン
🟨BGパトゥム(1):チャオワット・ウィーラチャート

ACL2023/24 グループステージI組順位(第1節終了)

順位 チーム 勝点
1 蔚山現代 1 1 0 0 3 1 2 3
2 川崎F 1 1 0 0 1 0 1 3
3 ジョホール 1 0 0 1 0 1 -1 0
4 BGパトゥムU 1 0 0 1 1 3 -2 0
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