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9月14日のニュース
・AFC U23アジアカップ予選-またもタイの壁に跳ね返されてグループ1位通過ならず
・AFC U23アジアカップ予選-マレーシアは予選2位チーム中の成績上位4番目でカタール行きが決定
・AFC U23アジアカップ出場決定もサポーターはエラヴァラサン監督交代を望む

来年2024年4月にカタールで開幕するAFC U23アジアカップに、すったもんだのあげく、滑り込みで出場が決まったマレーシアU23代表。タイU23代表との試合に敗れてから、カタール行きが決まるまでは20時間近く経っていました。

AFC U23アジアカップ予選-またもタイの壁に跳ね返されてグループ1位通過ならず

9月12日にはアジア各地でAFC U23アジアカップ予選が行われ、バンコクのチョンブリーではマレーシアがが入るH組の最終節となる第3節が行われました。第2節を終えていずれも2勝のマレーシアU23代表とタイU23代表が対戦したH組は、この試合の勝者がグループ1位で本戦突破、敗れた方は他の組の結果次第で本戦出場が決まるか否かという状況です。

この試合の両チームの先発XIは以下の通り。マレーシアは第2節のフィリピン戦からは2名を入れ替えています。1人はこの予選初出場となるGKシーク・イズハン、そしてフィリピン戦で2ゴールを挙げたT・サラヴァナンに代えて初戦のバングラデシュ戦でゴールを決めているアリフ・イズワンを起用ししています。なおGKは初戦、第2戦、そしてこの第3戦といずれも異なる選手が先発しています。

ちなみに下は先月8月26日に東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権の3位決定戦でこの両チームが対戦したときの先発XI。今回の予選と違いFIFA国際マッチカレンダー外だったことから、今日の試合とは大きくメンバーが異なります。なおこの試合は90分で決着がつかずにPK戦まで絡れ込み、最後はタイが4-3でマレーシアを破っています。

 

試合はマレーシアは10分にノーア・レインがゴールを狙うもわずか左に逸れるなど好機を活かせない中、タイは10分に右サイドをフリーで上がったフォンサコン・トリサットからのクロスをゴール正面で頭で合わせたヨッツァコーン・ブラファのシュートにGKシーク・イズハンが反応できず、タイが先制します。マレーシアも反撃に出ますが、アリフ・イズワンのシュートがタイGKの正面に飛ぶなどゴールを破れません。結局、この地元チョンブリーFCコンビが演出した1点を守り切ったタイがそのまま逃げ切り、1-0で勝利しH組1位となるとともに、AFC U23アジアカップ本戦出場を決めています。

AFC U23アジアカップ予選H組第3節
2023年9月12日@チョンブリースタジアム(タイ、チョンブリー)
タイ 1-0 マレーシア
⚽️タイ:ヨッツァコーン・ブラファ(20分)

AFC U23アジアカップ予選H組 最終順位

順位 チーム 勝点
1 *タイ 3 3 0 0 9 0 9 9
2 マレーシア 3 2 0 1 6 1 5 6
3 フィリピン 3 1 0 2 1 9 -8 3
4 バングラデシュ 3 0 0 3 0 6 -6 0
*H組1位となったタイがAFC U23アジアカップ出場決定

H組最終節のもう1試合は、フィリピンU23代表がドイツ4部の1.FCシュヴァインフルト05でプレーする18歳のギャビン・ムエンズのゴールでバングラデシュU23代表に1-0で勝利し、3位フィリピン、4位バングラデシュの順位が決定しています。

この試合のハイライト映像。(アストロ・アリーナの公式YouTubeチャンネルより)

AFC U23アジアカップ予選-マレーシアは予選2位チーム中の成績上位4番目でカタール行きが決定

東南アジアからは、ベトナム、インドネシア、そしてタイがそれぞれAFC U23アジアカップ2024予選を所属する組1位での予選突破を決める中、マレーシアが本戦に出場するためには、各組2位の中の成績上位4チームに与えられる出場権を得られるかどうかが焦点となりました。時差の関係から中東や中央アジアの国が開催地となっている組はマレーシア時間では翌9月13日早朝となりましたが、その結果で予選突破か敗退かが決まることから、マレーシアでは多くのサッカーファンが最終順位を気にしていました。

今回の予選では3チームで構成される組と4チームで構成される組があることから、各組2位チームの内の上位4チームの決定については、4チーム編成の組では最下位のチームとの対戦結果を除いた勝点、得失差が採用されることになっていました。2位のチームが1位のチームと引き分けていたF組のクウェート、I組のタジキスタン、G組の中国はいずれも勝点4で上位4チームに入ることが決まり、残る1枠をめぐる争いとなりました。

そしてこの最後の枠にはマレーシア同様、最終節で敗れたイランがいずれも勝点3、得失差4、総得点4と全く同じ成績で並びました。勝点も得失差も得点も同じチームが並んだ場合、AFCはフェアプレーポイントが少ない方を上位とすると規定しています。マレーシアは今回の予選を通じてタイ戦で3枚、フィリピン戦で1枚のイエローカードをもらっていましたが、一方のイランは最終戦となったウズベキスタン戦の4枚を含め7枚のイエローカードが出されていたことから、マレーシアのフェアプレーポイント-4に対してイランは-7となり、まさにギリギリのところで本戦出場を決めています。

フェアプレーポイントと言えば、グループステージのポーランド戦で日本が0-1と負けていながらゆっくりボール回すなどして、ブーイングの嵐の中でさらなる失点を避けた結果、やはり勝点、得失差、総得点で並んだセネガルをフェアプレーポイントの差で上回り決勝トーナメント進出を決めた、2018年ワールドカップロシア大会を思い出す方がいるかも知れません。

ちなみにSNS上では、ウズベキスタンU23代表の選手がイエローを2枚もらいながらプレーを続けたとしてイランがAFCに抗議している、などといった噂も飛び交い、最終的にAFCの公式サイトにマレーシアを含めた予選突破16チームのリストが掲載されたのは、マレーシアU23代表対タイU23代表戦が終わってから20時間近く経った9月13日の午後18時を過ぎていました。

AFC U23アジアカップ出場決定もサポーターはエラヴァラサン監督交代を望む

何はともあれ、U23アジアカップ2024年大会出場を決めたマレーシアU23代表ですが、昨年9月にA代表のコーチでもあるE・エラヴァラサン氏がU23代表監督に就任して以来、ことし5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズではタイU23代表に0-2、ベトナムU23代表に1-2、先月8月の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権ではベトナムU23代表に1-4、タイU23代表に0-0(PK戦3-4)、そして今回の予選では再びタイU23代表に0-1と敗れており、東南アジアの2強に対しては1分4敗と白星がありません。今月のFIFA国際マッチカレンダーでは、FIFAランキングで格上のシリア、中国相手にいずれも引き分けているA代表がキム・パンゴン監督のもとで順調に強化が進んでいるのとはまさに好対照です。

上にも書いたようにベトナムとタイを相手に5試合で2得点9失点という成績は、多くのサポーターを失望させる結果となっており、また今回のU23アジアカップ予選でもタイを相手に戦術的な工夫もなく、良いところなく敗れたチームを指揮するエラヴァラサン監督の手腕には疑問の声が上がっています。

今年5月のシーゲームズではタイ、ベトナムと同組となったこともあり、最低目標とされていた準決勝進出を逃したことから、エラヴァラサン監督交代の声はその当時も上がりましたが、マレーシアサッカー協会FAMはその時点でAFF U23選手権とAFC U23アジアカップ予選が控えていることを理由にエラヴァラサン監督続投を決定した経緯があります。しかしAFF選手権では準決勝に進出したもののベトナムに1-4と一蹴され、今回のAFC U23アジアカップ予選もタイに敗れ、最後はフェアプレーポイントのおかげでなんとか本戦出場を決める事態に及ぶと、その指導力不足などを理由にエラヴァラサン監督交代論がSNS上で一気に噴出しています。

SNS上ではエラヴァラサン監督退陣を求める#ElaOutといったハッシュタグまで登場する始末で、FAMは新たな監督候補を探すべきといった提言や、元マレーシアU17監督で今季途中でペラFC監督を解任されたリム・ティオンキム氏を推す声、さらにA代表でコーチを務める元バルセロナU18コーチのポー・マルティ氏を推す声なども上がっています。

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