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9月10日のニュース
AFC U23アジアカップ予選-フィリピン戦勝利で最終戦はタイと全勝同士対決へ
国際親善試合-中国相手に14年ぶりの引き分けも43年ぶり勝利の快挙を逃す

AFC U23アジアカップ予選-フィリピン戦勝利で最終戦はタイと全勝同士対決へ

タイのチョンブリーで開催中のAFC U23アジアカップ予選H組は第2節が行われ、マレーシアU23代表はフィリピンU23代表を破って2連勝とし、同じく2連勝中のタイU23代表とH組1位をかけて第3節で対戦することが決まりました。

初戦のバングラデシュ戦では終盤のゴールで2-0と勝利したマレーシアのE・エラヴァラサン監督は、初戦から先発メンバーを大きく入れ替えています。バングラデシュ戦に続いて先発したのはV・ルヴェンティランとアザム・アズミの左右SB、CBのハリス・ハイカル、MFムカイリ・アジマル、FWのT・サラヴァナンの5名で、ここに初戦でゴールを挙げたファーガス・ティアニー、海外組のルクマン・ハキムの両FWが加わり、やはり海外組のMFノーア・レインらが加わった初戦よりも攻撃的な布陣で、タイが5点を挙げているフィリピン相手に大量得点を目論みました。(下はこの試合の両チームの先発XI)

攻撃的な布陣で積極的にゴールを狙うマレーシアは開始27秒、ファーガス・ティアニーの右からのクロスをでキャプテン、ムカイリ・アジマルが押し込んで先制すると、その5分後にはルクマン・はキムの左からのクロスをティアニーがスルー、これをT・サラヴァナンが蹴り込んであっという間に2-0とリードします。さらに23分にはハリス・ハイカルのロングシュートにフィリピンGKが反応できずゴールとなり3-0となります。マレーシアはその後も好機を作りながら前半はこのまま3-0で終了します。

後半に入ってもマレーシアがボールを支配し、62分には再びティアニーのパスをT・サラヴァナンが押し込んで4-0とすると、大量リードに安心したのか終盤はDF陣の足が止まり何度が危うい場面もありましたが、このまま逃げ切って2連勝となりました。

この後の試合ではタイU 23代表がバングラデシュU23代表を3-0で破り、マレーシアとタイはいずれも2勝となり勝点6で並びましたが、得失差でタイが1位、マレーシアが2位となっています。両チームは最終節となる9月12日の第3節でH組1位をかけて対戦します。

AFC U23アジアカップ予選H組第2節
2023年9月9日@チョンブリースタジアム(タイ、チョンブリー)
フィリピン 0-4 マレーシア
⚽️マレーシア:ムカイリ・アジマル(1分)、T・サラヴァナン2(6分、61分)、ハリス・ハイカル(23分)

AFC U23アジアカップ予選H組順位(第2節終了)

順位 チーム 勝点
1 タイ 2 2 0 0 8 0 8 6
2 マレーシア 2 2 0 0 6 0 6 6
3 バングラデシュ 2 0 0 2 0 5 -5 0
4 フィリピン 2 0 0 2 9 0 -9 0

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナの公式YouTubeチャンネルより

国際親善試合-中国相手に14年ぶりの引き分けも43年ぶり勝利の快挙を逃す

一方、直近のFIFAランキング136位のマレーシア代表は同80位の中国と対戦しています。直近の10試合の対戦成績(とはいっても最後の対戦は2013年ですが)では、1勝2分7敗で最後の勝利は1980年、引き分けは2009年とほぼ参考にならない記録です。

今月のFIFA国際カレンダーでは、9月6日に同じ中国の成都市でFIFAランキング94位のシリアと対戦し、その際には相手が2点のリードする展開の中で追いつくなど、良い勢いでこの試合に臨んだマレーシアのキム・パンゴン監督は、そのシリア戦では1列目で持ち前の巧みなポジショニングが制限され、動きが悪かったパウロ・ジョズエを2列目に下げています。センターフォワードにダレン・ロックを起用、シリア戦では目立った動きができなかったアリフ・アイマンに代わり、シリア戦で先制ゴールをあげたアキヤ・ラシドを右ウィング、そしてファイサル・ハリムを左ウイングに配置し、パウロ・ジョズエとエンドリック・ドス・サントスを2列目、その後ろにブレンダン・ガンがボランチ的なボジションに入り、4バックのセンターバックはケガのシャールル・サアドに代わってドミニク・タンと、ディオン・クールズがコンビを組み、両サイドバックは左にラヴェル・コービン=オング、右はマシュー・デイヴィーズと不動のメンバーとなっています。(下はこの試合の先発XI。)

試合は開始1分から激しく動きます。中国DF陣をかわしたファイサル・ハリムからのクロスをダレン・ロックが押し込んだゴールがオフサイドになる一方で、5分には中国もマレーシアゴール前で好機を作るなど立ち上がりから激しくせめぎ合う試合なる中、先制したのはマレーシアでした。GKシーハン・ハズミのゴールキックからパウロ・ジョズエがつないでアキヤ・ラシドへ。このボールを持ち込んだアキヤ選手はロック選手と共に中央へ切り込むと見せかけて中国DFを惹きつけてから右サイドのファイサル選手へパス。中国DFのマークを外したファイサル選手がこのパスを直接蹴り込んで、マレーシアが1-0とリードを奪いました。さらに19分には右コーナーからディオン・コールズがヘディングシュートを放つも枠の外でした。マレーシアに押し込まれた中国は、36分にマレーシアゴール前の混戦から折り返したボールをフリーとなっていた林良銘/リン・リアンミンが落ち着いてゴールし、中国が同点に追いつき、前半は1-1で終了します。

後半開始にマシュー・デイヴィーズ、アキヤ・ラシド、パウロ・ジョズエを、それぞれシャーミ・サファリ、アリフ・アイマン、ジュニオール・エルドストールに代えて投入したキム監督は、シリア戦同様、4バックから5バックに切り替えて、ディオン・コールズを積極的に前線へ上がらせるシステム変更を行いますが、後半は中国が試合の主導権を握る場面が多く、マレーシアは自陣ゴール前で防戦一方となるものの、ゴールポストや相手シュートの精度の低さに助けられる面もあり、試合は1-1のまま進みます。

85分には右サイドでシャーミ選手と李師/リ・シュアイ選手が共にヘディングに跳んだところで衝突し、李選手はピッチに入った救急車で搬送され、ドミニク・タンやエンドリックが痛むものの、交代で入ったシャルル・ナジームやアザム・アジーもしっかりと役割を果たし、試合の終了前には「攻撃は最大の防御なり」をまさに地で行く猛攻を見せたマレーシアが格上の中国を無得点に抑えて試合は終了し、2009年8月15日にシャー・アラムスタジアムでの親善試合で0-0で引き分けて以来、14年ぶりに引き分けています。

*****

最後は観客から「金返せ」の声も飛んでいたこの試合のマンオブザマッチMOMはなんといってもファイサル・ハリムでしょう。マレーシアスーパーリーグの試合後の会見で「『審判に対する批判的な』コメントをした」ことによる1ヶ月の出場停止処分を受け、それが明けたのが8月末でしたが、このFIFAデイズ前のリーグ戦には1試合しか出場できなかったファイサル・ハリム選手を代表に選んだキム監督の期待に応えた活躍でした。ちなみに新華社通信英語版も、人民日報英語版もオンライン版には、日本がドイツを破った記事は掲載されていても、自国の代表がマレーシア代表と引き分けた記事は、この原稿執筆時点では何故か掲載されていません。

国際親善試合
2023年9月9日@フェニックス・ヒル・スポーツ・パークスタジアム/鳳凰山体育公園(中国、成都市)
中国 1-1 マレーシア
⚽️マレーシア:ファイサル・ハリム(11分)
⚽️中国:林良銘/リン・リアンミン(36分)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナの公式YouTubeチャンネルより
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