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8月22日のニュース
ピッチ内外で話題を振り撒くクランタンFC関連3題

タイのラヨーンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場中のマレーシアU23代表は、今日がグループステージ最終戦の東ティモール戦です。同組のインドネシアは東ティモール相手に1-0で勝利しており、マレーシアが今日の試合で勝つか引き分ければB組1位通過となり、ノックアウトステージとなる準決勝ではC組1位が濃厚なベトナムとの対戦が控えています。苦手なベトナム戦に向けて勢いをつけるためにも今日の東ティモール戦では快勝を望みたいです。

JDT戦大敗のクランタンFCオーナーはその原因がマレーシアサッカー協会にあると

8月20日に行われたマレーシアカップ1回戦セカンドレグでクランタンFCは、エースのベルグソン・ダ・シルヴァにはハットトリックを許し、ジョホールに加入したばかりの邦本宜裕選手にも2ゴールを決められるなど、ジョホール・ダルル・タジムに今季最大となる10失点を喫し、ファーストレグと合わせて通算成績1-15で大敗しています。そのクランタンFCオーナーのノリザム・トゥキマン氏は、この大敗の原因はマレーシアサッカー協会FAMにあると述べていると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

この試合での大敗には失望したと述べたノリザム オーナーですが、前半戦を終えて1勝と苦しむチームに対して、今季2度目のトランスファーウィンドウに合わせて、FWデニス・ブシェニング(タイ)、MFアフメド・マグディ(エジプト)、DFアリー・セサイ(シエラレオネ)、GKアリアクバル・アフメディ(イラン)の4名の外国籍選手を補強しました。しかしノリザム オーナーはFIFAの移籍マッチングシステム(TMS)に問題があったとして、トランスファーウィンドウの終了前までに出場選手登録ができなかったと説明しています。

クランタンFCはそれまで給料未払い問題により新規獲得選手禁止処分を受けており、その後、支払いが行われたことを受けてFAMがそれを解除したのはトランスファーウィンドウが閉じる4日前の7月27日でした。獲得した4名の外国籍選手を8月1日の期限前に登録しようとしたクランタンFCでしたが、その時点でFIFAのTMSに「問題」が見つかり、8月4日までこのオンラインサイトに接続できず、その結果、クランタンFCは獲得した選手の出場登録ができなかったということです。そしてノリザム オーナーは、このTMSの「問題」についてFAMが「二重基準」によるクランタンFCへの十分な支援がなかったとして、FAMの対応に失望したとともにその不十分な支援を非難しています。

マレーシアサッカー協会はクランタンFCオーナーの非難は筋違いと反論

上の記事で取り上げたクランタンFCのノリザム オーナーによるマレーシアサッカー協会FAMへの非難に対し、FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長はその非難は筋違いであり、出場選手登録ができなかったのはチームの運営方法に欠点があったと反論しています。

ノー・アズマンFAM事務局長は、クランタンFCが出場選手登録を行ったのが実際には8月1日を過ぎていたことから登録が認められず、その後にクランタンFCがFIFAへ行った登録アピールについてもFAMは支援を行なったと説明しています。

「クランタンFCを含めマレーシアスーパーリーグ各チームは、FAMのTMSとは別に、個々にTMSのアカウントを保持しており、その担当者はチームが任命することになっている。そしてチームのTMSアカウントに関する問題が起こった場合は、全てのTMSを管理するFIFAとチームのTMS担当者が直接、やりとりすることが原則である。マレーシアの今季2度目のトランスファーウィンドウの最終日となった8月1日に、FAMのTMS担当者が、クランタンFCのTMS上に新規獲得した4名の外国籍選手の国際移籍証明書(ITC)がアップロードされていないことを発見した。」

「これに対してクランタンFCの説明は、前任のチームTMS担当者が現在もアカウントを管理しており、チームがシステムに接続ができない状態にあり、トランスファーウィンドウが閉じる45分前にFIFAへ電子メールを送って、新たなチームTMS担当者の承認を求めたというものだった。8月1日には、スーパーリーグの他のチームもTMSを使って新規獲得選手のITCと国内移籍証明(DTC)をアアップロードしており、システムに接続できないという報告はどのチームからも受けていなかった。」

「クランタンFCが求めた新たなチームTMS担当者としてチームオーナーのノリザム氏をFIFAが承認したのは8月2日であった。しかもFAMはこの問題によりクランタンFCが不利益を被らないよう、FIFAに対してトランスファーウィンドウを8月4日まで延長することを求める文書も送付したが、それは認められなかった。さらにFAMは8月15日にクランタンFCに関して個別にトランスファーウィンドウを延長するようFIFAに求めたが、そういった申請はトランスファウィンドウ期限前に行われた場合に限り考慮できるとして却下された。これがクランタンFCは今季2度目のトランスファーウィンドウで新規獲得選手を出場登録できなかった経緯である」

ノー・アズマン事務局長は出場選手登録ができなかった原因は、クランタンFCが8月1日のトランスファーウィンドウ最終日までにITCをTMSのシステムにアップロードできなかったことにあり、FAMを非難することは全くの筋違いであると述べています。

ケランタンFC買収を望む人物が名乗りをあげる

ピッチ内では大敗続き、ピッチ外では次々と明らかになる運営の問題と話題に事欠かないクランタンFCですが、そのチームを買収しようという人物が現れたことを、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

自称弁護士のカマル・ヒシャム・ジャファル氏という人物が、自身のSNS上で「クランタンFCの尊厳を守るために」金額に折り合いがつけばという条件つきながら買収したいと名乗り出ています。そしてこれがクランタンFCサポーターを中心に拡散し、現在のクランタンFCのオーナーであるノリザム・トゥキマン氏に対して、カマル氏と連絡を取り合い、チーム売買について話し合うよう求める声が上がりました。これを受けてノリザム オーナーは自身のSNSを更新し、自身がヒシャム氏に電話をしたものの出なかった明かした上で、クラブ譲渡について詳しく話し合いたいとして、連絡をもらいたいと投稿しています。

不振を極めるクランタンFCには、これまでも化粧品会社を経営するハスミザ・オスマン氏やフィットネスジムを経営するエルファン・アキフ氏など買収を申し出る人物が複数名、名乗りをあげており、ノリザム氏との話し合いが持たれたものの、いずれも不調に終わっており、今回もその先行きは不透明です。

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