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2023マレーシアスーパーリーグ
第18節結果とハイライト映像

 マレーシアスーパーリーグ第18節は7月28日から30日にかけて開催されました。今節最大の注目カードは首位ジョホールと2位スランゴールの直接対決でしたが、新加入のヘベルチ・ヘルナンデスのゴールなどでジョホールが快勝、エースのファイサル・ハリムが出場停止処分を受けている2位スランゴールとの勝点差を大きく広げてました。
(試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年7月28日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:5,025人
トレンガヌ 1-1ヌグリスンビラン
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート(66分)
⚽️ヌグリスンビラン:エラルド・グロン(89分)
🟨トレンガヌ:シャールル・ニザム
🟨ヌグリスンビラン:アルーン・クマル
MOM:イヴァン・マムート(トレンガヌ)

 前節、前々節といずれも引き分けのトレンガヌは5名の外国籍選手が先発XIに名を連ねる一方で、2連敗中のヌグリスンビランはDFエラルド・グロン(フランス)がただ一人の外国籍選手です。そんな両チームの対戦は、6分にトレンガヌDFシャールル・ニザムペナルティエリア内でハンドの反則を犯し、ヌグリスンビランが先制のチャンスを得ます。しかしグロン選手が蹴ったPKはスハイミ・フシンに止められ、ゴールとはなりませんでした。
トレンガヌが押し気味に進めたものの、ゴール前での精度が低く、前半は0−0で終わります。そして、迎えた後半66分、トレンガヌに待望の先制点が入ります。66分にソニー・ノルデのクロスにイヴァン・マムートが頭で負わせて、トレンガヌが1-0とリードします。その後もトレンガヌは何度かチャンスを作りますが、ヌグリスンビランGKシーク・イズハンの好セーブなどもあり、追加点を奪えません。すると88分にはコーナーキックからグロン選手のヘディングが決まり、ヌグリスンビランが1-1に追いつきます。そして試合はそのまま終了し、ホームのトレンガヌは3試合連続の引き分け、ヌグリスンビランは連敗を2で止めています。

2023年7月28日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:540人
クランタン・ユナイテッド 2-2 PDRM
⚽️クランタン:O・J・ポルテリア(56分)、S・シャーヴィン(71分)
⚽️PDRM:ナビル・ラトピ(47分)、ウチェ・アグバ(54分)
🟨クランタン:アザルル・ナザリス、ラティフ・スハイミ
🟨PDRM:チョー・ミン・ウー、ファディ・アワド
MOM:ウチェ・アグバ(PDRM)

 リーグ7位のPDRMが2度のリードを守れず、13位のクランタン・ユナイテッドと引き分けています。この試合では75分にペラから期限付き移籍してきた元J岡山のハディ・ファイヤッドがPDRMでデビューしています。ペラでは6月に入ってからトップチームので出場が1試合だけで、その後はベンチ入りすらしていなかったので、この移籍をきっかけにU23代表のエースに返り咲いて欲しいです。
数日前には英字紙スターで特集されていたPDRMの鈴木ブルーノ選手は85分から出場、試合終了までプレーしています。

2023年7月29日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
観衆:1,037人
KLシティ 5-1 クランタン
⚽️KLシティ:ザフリ・ヤハヤ(25分)、ロメル・モラレス3(47分、66分、90+1分)、J・パルティバン(83分)
⚽️クランタン:レオナルド・ロロン(54分)
🟨KLシティ:T・サラヴァナン
🟨クランタン:レオナルド・ロロン
MOM:ウチェ・アグバ(PDRM)

 インドネシア1部のプルシブ・バンドンの監督に就任するために、数日前にホダック監督が突然退任したKLシティは、かつてホダック監督の元でコーチを務め、そのホダック氏の後任となるネナド・バチナ新監督がチームに合流するのが8月初旬ということで、この試合ではミロスラフ・クルヤナチ コーチが監督代行を務めました。またホダック監督退任と関係があるかどうかはわかりませんが、この試合では今季ここまでの17試合全てでキャプテンを務めてきたパウロ・ジョズエが今季初めてベンチ外となりました。
それでも今季未だ1勝で最下位に沈むクランタン相手には何の心配もなく、KLシティはロメル・モラレスのハットトリックなど後半だけで4ゴールを挙げて快勝しています。
給料未払いによる新規選手獲得禁止処分を受けているクランタンは、63分に見事なフリーキックで今季2点目となるゴールを決めたレオナルド・ロロンと、インドネシア出身のナサニエル・シリンゴ・リンゴの外国籍選手2名では、FAカップ決勝まで進んだKLシティには見劣りし、結局、今季7度目の5失点ゲームで敗れ、今季の総失点が18試合で68点となりました。

2023年7月29日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆:22, 526人
ジョホール・ダルル・タジム 2-0 スランゴール
⚽️ジョホール::ヘベルチ・ヘルナンデス(78分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(90+3分PK)
🟨ジョホール:ベルグソン・ダ・シルヴァ
🟨スランゴール:シャルル・ナジーム、アレクサンダー・アギャルクワ、ファズリ・マズラン、クエンティン・チェン、ハリス・ハイカル、ブレンダン・ガン
MOM:ウチェ・アグバ(PDRM)

この試合前まで開幕から17連勝中の首位ジョホールと2位で勝点40のスランゴールが対戦でしたが、終わってみればシュート数はジョホールの16に対してスランゴールは0と、さらにはイエローカードがジョホール1枚に対してスランゴールは6枚と、一方的な試合展開ではあったものの、全員が体を張ったスランゴールがジョホールの連勝を止めるのでは、という空気が出始めた78分、ジョホールの今季9人目の外国籍選手がその均衡を打ち破るゴールをあげています。
タイ1部バンコク・ユナイテッドから期限付き移籍してきたヘベチ・ヘルナンデスは後半開始とともに投入されると、78分にはデビュー戦で挨拶がわりのゴールを決め、この試合ではケガによりベンチ外となっていた現在のリーグ得点王フェルナンド・フォレスティエリ不在を感じさせない活躍を見せました。
スランゴールはエースのファイサル・ハリムが、メディアに向けて行った発言がマレーシアサッカー協会FAMの処分対象となり、この試合を含めて1ヶ月の出場停止処分となっており、リーグ戦のいわば天王山にベストメンバーで望めなかったことに悔いが残ります。
この試合の結果、首位ジョホールと2位スランゴールの差は勝点差14となり、早ければ来月末にもジョホールのリーグ9連覇が決まります。

2023年7月29日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
観衆:22, 526人
クチンシティ 0-1 クダ・ダルル・アマン
⚽️クダ::イフェダヨ・オルセグン(39分)
🟨クチンシティ:アミルル・シャフィク、ミハイロ・ヨヴァノヴィッチ
🟨クダ:なし
MOM:イフェダヨ・オルセグン(クダ・ダルル・アマン)

 今年2度目のトランスファーウィンドウでクダに加入したイフェダヨ・オルセグンがこの試合まで出場2試合で3ゴールを挙げ、途中退団した元J甲府のウィリアン・リラ(タイ1部チョンブリーFCに移籍)やリー・タックの開けた穴を埋める活躍を見せていますが、この試合でも決勝ゴールを決め、早くもチーム得点王となっています。
クチンシティはエースのアブ・カマラにボールを集めるものの、ゴールには至らず、この日の敗戦で17試合勝利なしとなりました。
前節は今季初のベンチスタートとなった谷川由来選手は、この試合では先発してフル出場しています。

2023年7月30日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
観衆:4,100人
スリ・パハン 1-0 ペラ
⚽️パハン:クパー・シャーマン(55分)
🟨パハン:エゼキエル・アグエロ
🟨ペラ:ファディル・イドリス、ルカ・ミルノヴィッチ、アフィフ・アシュラフ、ソ・ソンウン
MOM:クパー・シャーマン(スリ・パハン)

 2位スランゴールを破るなど3連勝出迎えた前節では、今季最大となる4失点でサバに敗れたスリ・パハン。AFCカップ出場のかかる2位争いに残るには下位チームとの試合で確実に勝星を詰め上げていく必要があります。現在リーグ4位のスリ・パハンが11位のペラをホームに迎えたこの試合は、立ち上がりは両チームともた慎重に試合を進めますが、徐々にペースをつかみ始めたスリ・パハンは、ケヴィン・イングレッソのフリーキックにステファノ・ブルンドが頭で合わせるとゴールポストを直撃、さらに新外国籍選手のクヴォンディク・ルジエフもミドルシュートを放つもバーの上を越え、さらにバキウディン・シャムスディンのシュートもポストに嫌われるるなど得点には至らず、前半を0-0で終えました。
後半に入っても試合を優勢に進めたスリ・パハンは55分にエース、クパー・シャーマンのゴールが決まり、先制するとその後の好機で追加点は奪えなかったものの、この1点を守って逃げ切っています。

2023年7月30日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:2,434人
ペナン 1-2 サバ
⚽️ペナン:アリフ・イクマルリザル(76分)
⚽️サバ:イルファン・ファザイル(9分)、ラモン・マシャド(45+1分)
🟨ペナン:ハディン・アズマン、ウスマン・ファネ、ハジク・プアド、
🟨サバ:ダニエル・ティン、ゲイリー・スティーヴン・ロバト、イルファン・ファザイル、コ・グァンミン
MOM:ダニエル・ティン(サバ)

 先週は2位のスランゴールとの直接対戦で敗れているものの、スリ・パハン同様、2位争いに残りたい5位のサバが、この試合でもエースのソニー・サアド、さらにDF陣ではカイルル・アクマル・ロキシャムやファリス・シャーなど主力をケガで欠く苦しい布陣の10位ペナンと対戦しています。
試合開始とともにホームのペナンが押し気味に進めた試合でしたが、自力に勝るサバが早々と9分にイルファン・ファザイルのゴールで先制すると、前半終了間際には今月7月加入後の出場3試合全てでゴールを決めているラモン・マシャドがこの試合でもゴールを挙げ、サバがリードして前半を終えます。
後半に入ると、ペナンもKリーグ挑戦からMリーグに戻ったコギレスワラン・ラジらを投入しますが、サバがペナンの反撃を1点に抑えて勝利しています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第18節終了)

順位 チーム 勝点
1 JDT 18 18 0 0 69 3 66 54
2 SEL 19 13 1 5 43 19 24 40
3 KDA 18 12 1 5 35 21 14 37
4 SRP 18 11 4 3 30 18 12 37
5 SAB 19 11 3 5 43 25 18 36
6 KLC 18 8 6 4 33 29 4 30
7 TRE 18 7 5 6 25 22 3 26
8 PDRM 18 7 3 8 18 23 -5 24
9 NSE 18 4 9 5 25 32 -7 21
10 PEN 18 5 4 9 23 30 -7 19
11 PRK 18 3 4 11 13 37 -24 13
12 KLU 18 1 5 12 18 44 -26 8
13 KCH 18 1 4 13 14 37 -23 6
14 KEL 18 1 2 14 19 63 -44 5
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第18節終了-記録はMFL公式サイトを参照)

順位 選手名(所属チーム) シュート 枠内S アシスト
1 フェルナンド・フォレスティエリ(JDT) 17 61 30 7 16
2 エイロン・デル・ヴァイエ(SEL) 15 41 27 3 19
3 ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT) 11 62 25 3 14
4 クパー・シャーマン(SRP) 10 33 19 3 18
アブ・カマラ 9 37 15 1 17
6 ウィリアン・リラ(KDA) 8 36 11 2 14
ファイサル・ハリム(SEL) 8 32 22 7 17
ステファノ・ブルンド(SRP) 8 35 16 0 17
9 パウロ・ジョズエ(KLC) 7 39 22 3 17
ロメル・モラレス(KLC) 7 26 15 2 15
ジオゴ(JDT) 7 18 10 2 9
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC
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