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7月28日のニュース
2026年W杯アジア予選2回戦の組み合わせ決定-マレーシアはオマーン・キルギスと同組に
スランゴールの代表FWファイサルが観察期間付き1ヶ月の出場停止処分
FIBによるクランタンの新規選手獲得処分が解除-しかしFAMとFIFAによる処分は解けず

2026年W杯アジア予選2回戦の組み合わせ決定-マレーシアはオマーン・キルギスと同組に

今年10月から始まるFIFAワールドカップ2026年大会予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選の組み合わせ抽選がクアラルンプールにあるFCハウスで行われ、予選2回戦から出場するマレーシアはオマーン、キルギス、そして台湾と東ティモールによる1回戦の勝者とともに予選D組となりました。

直近のFIFAランキングでは、マレーシアの136位に対してオマーンが73位、キルギスが97位、台湾が153位、東ティモールが192位となっており、格上の2チーム入るものの、このD組にW杯出場経験のあるチームが入らなかったことはマレーシアにとってはわずかながら朗報と言えるかも知れません。

マレーシアの通信社ブルナマの報道によると、マレーシアとオマーンの通算対戦成績はマレーシアの0勝3敗で最後の対戦は2015年でその際には0-6の大差で敗れており、キルギスとの通算対戦成績0勝1敗で2018年に対戦しているということです。

今回の組み合わせ抽選ではFIFAランキングでAFC27位から46位の20チームはFIFAワールドカップアジア予選1回戦から登場し、この1回戦の勝者10チームと残る26チームの合計36チームが、2回戦の予選A組からI組までの9組に分かれて対戦します。2回戦では各組の上位2チームが3回戦に出場するとともに、2027年にサウジアラビアで開催されるAFC選手権アジアカップの出場権を獲得します。

2020年のキム・パンゴン監督就任以来、着実に力をつけているマレーシアは、来年1月のアジアカップ2023年大会に予選突破では42年ぶりの出場を決めており、今年11月16日から始まる今回のFIFAワールドカップ2026年大会アジア予選では、2回戦で上位2位までに食い込んで2大会連続でのアジアカップ出場を決め、さらに上位18チームによる3回戦進出が現実的な目標となりそうです。

FIFAワールドカップ2026年大会予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選の組み合わせ

国名
A組 カタール・インド・クウェート・アフガニスタン対モンゴルの勝者
B組 日本・シリア・北朝鮮・ミャンマー対マカオの勝者
C組 韓国・中国・タイ・シンガポール対グアムの勝者
D組 オマーン、キルギス、マレーシア、台湾対東ティモールの勝者
E組 イラン・ウズベキスタン・トルクメニスタン・香港対ブータンの勝者
F組 イラク・ベトナム・フィリピン・インドネシア対ブルネイの勝者
G組 サウジアラビア・ヨルダン・タジキスタン・カンボジア対パキスタンの勝者
H組 アラブ首長国連邦・バーレーン・イエメン対スリランカの勝者・ネパール対ラオスの勝者
I組 オーストラリア・パレスチナ・レバノン・モルジブ対バングラデシュの勝者

スランゴールの代表FWファイサルが観察期間付き1ヶ月の出場停止処分

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、マレーシア代表の主力選手でもあり、スランゴールでプレーするFWファイサル・ハリムに対してFAMは懲戒委員会が1ヶ月間の出場停止処分を課したことをノー・アズマン事務局長名で発表しています。

この発表によると、ファイサル選手は4月27日に開催されたマレーシアスーパーリーグ第10節のサバ対スランゴール戦後にメディア向けに発言した内容がFAMの規約に違反したとして指摘されています。なお懲戒委員会はファイサル選手の出場停止期間を4ヶ月(!)としていましたが、7月25日から8月24日までの1ヶ月の出場停止処分が明けてからの1年間の観察処分を条件に、残る3ヶ月の出場停止処分が保留されているということです。

なおファイサル選手は、チームメートのクザイミ・ピーとともに6月26日に行なわれた今年2023年のマレーシアFAカップ準決勝のジョホール・ダルル・タジム戦では審判と揉めるなどの出来語がありましたが、こちらについては厳重注意だけで、出場停止などの処分はないということです。またこれらの処分について、ファイサル選手はFAMの控訴委員会に不服申し立てを行うことも可能であるとも発表されてます。

FAMの発表の最後はMリーグでプレーする選手たちに対してメディア向けの不用意な発言を行わないよう、今回の処分から学んでほしいと締め括っています。

なおこの処分により、ファイサル選手は首位のジョホール・ダルル・タジムと2位スランゴールが直接対決する今週末の第18節、いずれも首都圏を本拠地とするKLシティとの第19節「クランヴァリーダービー」(8月8日)、第20節のヌグリスンビラン戦(8月13日)さらにはPDRMとホームアンドアウェイで行われるマレーシアカップ1回戦(8月3日と19日)に出場できなくなりました。

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ファイサル選手は4月27日のサバ戦後に、主審による判定に不満を述べ、審判が「まるでスランゴールを勝たせないようにしている」といった発言をメディアにしており、これが懲戒委員会の対象になりました。発言の内容は審判を侮辱しており、メディア向けにすべきではない内容で処分は免れないと思いますが、一部SNS上で疑問の声が上がっているのは処分発表までにかかった時間の長さです。上にもあるように試合は4月27日とおよそ3ヶ月前に行われており、この処分発表遅れの結果、2位スランゴールが首位ジョホールとの差を詰める絶好の機会である今週末の第18節にファイサル選手が「偶然にも」出場できなくなったことで、これが「誰かの『陰謀』」ではないか、といった議論も巻き起こる事態となっており、FAMに説明責任があるとする声も上がっています。

FIBによるクランタンの新規選手獲得処分が解除-しかしFAMとFIFAによる処分は解けず

マレーシアでは7月5日から8月1日までが今年2度目のトランスファーウィンドウ期間となっていますが、マレーシア国内のクラブライセンス交付を司る第一審機関FIBは、マレーシアスーパーリーグで現在最下位のクランタンに対して科されていた新規選手獲得禁止処分を7月27日付けて解除することを発表しています。

この発表の中でFIBはクランタンから必要な書類が提出された結果の処分解除であることを明らかにする一方で、マレーシアサッカー協会FAMと国際サッカー連盟FIFAから科されるている同様の新規選手獲得禁止処分については別であるとして、FAMとFIFAによる処分は解除されていないことも説明しています。

クランタンは6月30日が期限とされていた4月と5月分の選手及び監督コーチへの給与支払い証明や、マレーシアでは強制加入となっている労働者積立基金EPFの雇用主負担分の支払い証明が提出されなかったことから、7月3日にFIBにより新規選手獲得禁止処分を受けていました。

FIBによる処分とは別に、かつてクランタンに在籍したマレーシア人選手と外国籍選手への給与未払い問題が解決していないことから、FAMとFIFAによる処分は解除されておらず、こちらの問題が解決されない限り、17試合を終えて勝点5と最下位に沈むクランタンは、残り5日ほどとなったトランスファーウィンドウでの選手補強は難しそうです。

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