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2023マレーシアスーパーリーグ
第17節結果とハイライト映像

 前回の更新からだいぶ時間が空いてしまいましたが、7月14日から16日にかけてマレーシアスーパーリーグ第17節が開催されています。
今月2日から開いているトランスファーウィンドウで、各チームとも選手の入れ替えを行なっていますが、新加入の選手たちが早速、チームに貢献しています。
(試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年7月14日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:5,932人
クダ・ダルル・アマン 3−1 クランタン・ユナイテッド
⚽️クダ:イフェダヨ・オルセグン2(55分、74分)、アミールベク・ジュラバエフ(86分)
⚽️クランタン:イスマヒル・アキネード(90+1分)
🟨クダ:リー・タック
🟨クランタン:ファウザン・ファウジ、ドミニク・バリッチ、シロジディン・ラクマトラエフ、ファンディ・オスマン
🟥クランタン:ファンディ・オスマン(🟨x2)
MOM:イフェダヨ・オルセグン(クダ・ダルル・アマン)

 前節第16節のPDRM戦では、チーム加入後の挨拶代わりのPKを決めるなど加入後、即ゴールを挙げたイフェダヨ・オルセグンがこの試合でも2ゴールを挙げて、チームの連勝に貢献しています。2020年、2021年と2年連続でリーグ得点王に輝いたオルセグン選手のマレーシアリーグ復帰は、他のチームには脅威になりそうです。
クランタン・ユナイテッドも同じクランタン州にホームを持つクランタンFCから移籍したイスマヒル・アキネードがゴールを挙げましたが、反撃はこの1ゴールのみに終わっています。

2023年7月14日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:2,500人
クランタン 0−5ジョホール・ダルル・タジム
⚽️ジョホール:フェルナンド・フォレスティエリ2(10分、60分)、オスカル・アリバス(24分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(65分)、アキヤ・ラシド(78分)
🟨クランタン:ガファル・アブドル・ラーマン
🟨ジョホール:アフィク・ファザイル
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(ジョホール・ダルル・タジム)

 首位を独走するジョホールが最下位のクランタンに順当に勝利し、開幕から無傷の17連勝。リーグ得点王のフェルナンド・フォレスティエリが2ゴールを挙げ、今季17ゴールとしています。
一方のクランタンは給料未払い問題により、今季開幕戦に先発した外国籍選手5名中4名が退団、しかもこの給料未払い問題により、今回のトランスファーウィンドウでは新規選手獲得禁止処分を受けており、戦力の補強ができない状況で11連敗となっています。

2023年7月15日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
観衆:688人
KLシティ 1-1 ヌグリスンビラン
⚽️KLシティ:ロメル・モラレス(40分)
⚽️ヌグリスンビラン:ザイナル・アビディン(94分)
🟨KLシティ:アンワル・イブラヒム、ケニー・パッラジ
🟨ヌグリスンビラン:トミー・マワト
MOM:ロメル・モラレス(KLシティ)

 この試合はスタンドから観戦しました。午後5時30分キックオフながら気温が30度越え中で始まった試合は、観ているだけでも汗だくになるほどで、この暑さの中、両チームとも体力消耗を恐れてか、試合はゆっくりとした展開で始まります。3バックをジャンカルロ・ガリフオコ、セバスチャン・アヴァンジーニ、マトコ・ジルダムといずれも185cm越えの長身選手で固めたKLシティを相手に、エースのカサグランデをケガで欠くヌグリスンビランは中盤ではボールを奪えるものの、ゴール前の好機を作ることができません。
一方で昨季在籍したスランゴールで14ゴールを挙げながら、今季わずか1ゴールと期待外れに終わったカイオンとの契約を解除したKLシティは、U23代表のT・サラヴァナンをFWに起用してゴールを目指しますが、ヌグリスンビランGKシーク・イズハンの好セーブもあり、得点を挙げることができません。それでも40分に左コーナーキックからの折り返しをロメル・モラレスがヘディングシュートを決め、KLシティが先制します。
後半に入ると、ヌグリスンビランがボールを試合する時間が増えますが、KLの最終ラインを崩すことができず、72分には二人しかいない外国籍選手の一人、エラルド・グロンがケガで交代してしまいます。攻守の要となっていたグロン選手が退き、ヌグリスンビランの攻撃もここまでかと思われましたが、今度は85分にやはりケガによりガリフオコが交代すると、KLシティの最終ラインに綻びが生じます。ボヤン・ホダック監督が勝利を確信し始めた選手たちの緩慢に目始めたプレー対する怒声がスタンドまで聴こえる中、ロスタイムにヌグリスンビランがコーナーキックを得ます。ゴール前に上がったこのキックはKLシティDF陣に競り勝ったナスルラー・ハニフ・ジョハンからファーサイドで完全にフリーとなっていたザイナル・アビディン・ジャミルの足元へ。これをザイナル・アビディン選手が押し込み、ヌグリスンビランで土壇場で追いつき、そのまま試合終了。
前節のトレンガヌ戦同様、ホームでリードしながら追いつかれたKLシティは、ヌグリスンビランと勝点を分け合っています。

2023年7月15日@リカススタジアム(サバ州コタ・バル)
観衆:8,022人
サバ 4-0 スリ・パハン
⚽️サバ:ダレン・ロック2(9分、65分)、ラモン・マシャド(43分)、スチュアート・ウィルキン(69分)
🟨サバ:ガブリエル・ペレス
🟨パハン:なし
MOM:ダレン・ロック(サバ)

 昨季開幕前にクダ・ダルル・アマンからサバに移籍し、これまでに41試合に出場、キャプテンも務めていたバドロル・バクティアルが、この試合を前にチーム退団を表明し、激震が走ったサバ。SNS上では出身地のクダ州議員選に立候補すると言った噂がある一方で、チームの主力選手でもあるバドロル選手のシーズン途中の退団は、上位進出を目指すチームにとっては痛手です。しかし、そんなサバがリーグ4位のスリ・パハンをホームに迎えた試合は、16試合で14失点とリーグ最少失点2位のスリ・パハンを相手に4ゴールを挙げて快勝しています。
サバはマレーシア代表FWのダレン・ロックのゴールで先制すると、今年2度目のトランスファーウィンドウで加入したブラジル出身FWラモン・マシャド(アゼルバイジャン1部のガバラFKから加入)が前節のクチンシティ戦に続き2試合連続ゴールを前半終了間際に決めて、前半は2-0とリードします。後半にも2点を追加したサバがこの試合に勝利し、4位のスリ・パハンに勝点1と迫っています。
一方のスリ・パハンは、前節では2位のスランゴールを破るなど3連勝中でしたが、この試合ではシュート数が4本、しかも枠内へのシュートは0本に抑えられ、今季チーム最多の4失点を喫して敗れています。

2023年7月15日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:6,245人
スランゴール 3-0 ペナン
⚽️スランゴール:ヌール・アル=ラワブデ(29分)、リッチモンド・ボアキエ(59分)、ファイサル・ハリム(78分)
🟨スランゴール:アレクザンダー・アギャルカワ、クザイミ・ピー、サフワン・バハルディン
🟨ペナン:ニック・アキフ
MOM:ファイサル・ハリム(スランゴール)

 前節のスリ・パハン戦敗戦で首位ジョホールと勝点差14となった2位スランゴールが、ペナンを下して2位を堅持しています。
ノール・アル=ラワブデのゴールで先制したスランゴールは、後半開始から投入された新外国籍選手のリッチモンド・ボアキエ(リビア1部アル・アクダルFCから加入)が移籍初ゴールを決めるなど3ゴールでペナンを破っています。しかし、ペナンFW陣のフィニッシュの精度の低さに助けられた場面もあり、上位クラブ相手では不安が残る勝利でした。またDF陣も最終ラインを突破される場面が何度かあり、課題の守備についても楽観はできません。

2023年7月16日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
観衆:640人
クチンシティ 1-2 ペラ
⚽️クチンシティ:アブ・カマラ(33分)
⚽️ペラ:ルシアノ・ゴイコチェア(13分)、ソ・ソンウン(80分)
🟨クチンシティ:アズリディン・ロスリ、ジミー・レイモンド
🟨ペラ:サンディ・アフォラビ、ハフィズル・モハマド、ハキミ・マット・イサ、アザリヌラー・アリアス
MOM:セリオ・サントス(クチンシティ)

 開幕戦以来勝ち星のないクチンシティが、引き分けを挟んで5連敗中のペラをホームに迎えた一戦は、一度は追いつかれたペラが終盤のゴールで逆転すると、そのまま逃げ切って今季3勝目を挙げています。
成績不振を理由にリム・ティオンキム監督を更迭後も1分3敗だったペラは、トランスファーウィンドウで加入したDFイエスペル・ニホルム(フィリピン、タイ1部ムアントン・ユナイテッドから加入)が前節に続いて先発、またFWルカ・ミルノヴィッチ(セルビア、セルビア1部FKラドニチュキ1923から加入)が初先発しています。そのペラはこの試合でキャプテンを務めるルシアノ・ゴイコチェアのゴールで先制します。しかし、クチンシティもこの試合では積極的に攻撃に絡んだ谷川由来選手が放ったシュートはペラGKのT・シャヒースワランに阻まれたものの、そのこぼれ球をエースのアブ・カマラが押し込んで、同点に追いつきます。
しかし後半80分には、ケガにより3ヶ月以上チームを離れていたチーム得点王のソ・ソンウンが復帰初戦でゴールを決め、これが決勝点となってチームに4月28日以来の勝ち星をもたらしています。
クチンシティの谷川由来選手は先発して、フル出場しています。

2023年7月16日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:920人
PDRM 0-0 トレンガヌ
🟨PDRM:ジェイムズ・オクウォサ、アリフ・ナジミ・シャアニ
🟨トレンガヌ:アルグジム・レゾヴィッチ、アディサック・クライソーン、ハビブ・ハルーン、ズアシュラム・ズルキフリ
MOM:ジェイムズ・オクウォサ(PDRM)

  前節のクダ・ダルル・アマン戦では0-2で敗れていたPDRMは2試合連続無得点ながら、トレンガヌを無得点に抑えて引き分けに持ち込んでいます。トレンガヌは前節のKLシティ戦に続き2試合連続の引き分けとなっています。
トレンガヌはこの試合で新加入の攻撃的MFヌルリロ・トゥクタシノフ(ウズベキスタン、ウズベキスタ1部ネフチ・フェルガナから加入)がスーパーリーグデビューを果たしていますが、得点に絡むことはできませんでした。
PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発して、73分に交代しています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第17節終了)

順位 チーム 勝点
1 JDT 17 17 0 0 67 3 64 51
2 SEL 17 10 1 3 42 17 25 37
3 KDA 17 11 1 5 34 21 13 34
4 SRP 17 10 4 3 29 18 11 34
5 SAB 17 10 3 4 41 23 18 33
6 TRE 17 7 4 6 24 21 3 25
7 KLC 17 6 7 4 27 28 -1 25
8 PDRM 17 7 2 8 16 21 -5 23
9 NSE 17 4 8 5 24 31 -7 20
10 PEN 17 5 4 8 22 28 -6 19
11 PRK 17 3 4 10 13 36 -23 13
12 KLU 17 1 4 12 16 42 -26 7
13 KCH 16 1 3 12 12 34 -22 6
14 KEL 16 1 1 14 17 61 -44 4
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第17節終了-記録はMFL公式サイトを参照)

順位 選手名(所属チーム) シュート 枠内S アシスト
1 フェルナンド・フォレスティエリ(JDT) 17 61 30 7 16
2 エイロン・デル・ヴァイエ(SEL) 14 38 25 3 17
3 ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT) 10 60 24 3 13
4 クパー・シャーマン(SRP) 9 31 17 3 17
5 ウィリアン・リラ(KDA) 8 36 11 2 14
ファイサル・ハリム(SEL) 8 32 22 7 17
ステファノ・ブルンド(SRP) 8 31 14 0 16
8 パウロ・ジョズエ(KLC) 7 39 22 3 17
ジオゴ(JDT) 7 18 10 2 9
アブ・カマラ(KCH) 7 28 11 1 15
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC
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