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5月9日のニュース
東南アジア競技大会-最後は9人となったマレーシアはグループステージ敗退決定
KLシティのオーナーは国外クラブと提携を模索
AFFフットサルクラブ選手権-パハンレンジャーズは4位、ブラックスティールFCパプアが初優勝

東南アジア競技大会-最後は9人となったマレーシアはグループステージ敗退決定

東南アジア競技大会通称シーゲームズ男子サッカーのグループステージB組第4節が5月8日に行われ、フィリップ・トルシエ元日本代表監督が率いるベトナムU22代表と対戦したマレーシアU22代表は、1-2で敗れて、2大会ぶりに準決勝進出を逃しています。完敗だったシンガポール戦から中1日という日程で臨んだこの試合で、マレーシアU22代表のE・エラヴァラサン監督はMFナジムディン・アクマル(ジョホール・ダルル・タジム-JDT II)を今大会初先発で起用、またタイ戦では先発を外れたFWハキミ・アジム(KLシティ)とMFムカイリ・アジマル(スランゴール)が再び先発XIに復帰するなど、エラヴァラサン監督が絶対的エース不在の中、選手起用に悩んでいることが見て取れます。(以下はこの日の先発XI)

試合は開始7分でいきなり動きました。ベトナムのヴォ・ミン・チョンが放ったミドルシュートが、ペナルティーエリア内でハリス・ハイカル(スランゴール)の手に当たり理ます。ハリス選手は手が自然な位置にあったと抗議しますが、日本人の飯田淳平主審はこれを受け入れず、ベトナムにPKを与えます。グエン・ヴァン・トゥンの放ったシュートはシーク・イズハン(ヌグリスンビラン)が一旦、止めたものの、詰めていたヴァン・トゥン選手がこれを押し込み、ベトナムが先制します。このゴールで勢い付いたベトナムは、試合を優位に進め、33分にはファン・トゥアン・タイがマレーシアDFラインの裏へロングボールを挙げると、これを受けた左サイドのミン・チョン選手がゴール前にクロスを上げ、ヴァン・トゥン選手がマレーシアDFと競ることなく頭で合わせてゴールし、ベトナムがリードを2点に広げます。

この試合で負ければグループステージ敗退が決まるマレーシアは、ここからギアを上げて反攻に転じますが、それが実ったのが43分でした。ペナルティエリアすぐ外でフリーキックを得たマレーシアはアリフ・イズワンがゴール前へ蹴り込みます。このボールは一旦はベトナムGKクアン・ヴァン・チュアンが触れながらも捕球しそこね、それをアイマン・アフィフ(クダ)が押し込んで、マレーシアが1点を返し、後半に望みを託します。

後半に入るとマレーシアは、ラインを押し上げて同点ゴールを狙いますが、ブレーにも荒さが現れ始めました。78分には途中出場のサフワン・マズラン(トレンガヌ)がベトナム選手に手を挙げて一発レッド、さらに前線で機能していたナジムディン・アクマル(ジョホール・ダルル・タジム-JDT II)が84分にレイトタックルで2枚目のイエローをもらうなど、押し気味に進めながらも最後は9人となったマレーシアではそれ以上の反撃はできず、1-2で大会3連覇を狙うベトナムに敗れてグループステージ敗退が決まりました。マレーシアはB組最終戦となるシンガポール戦が

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今大会のマレーシアU22代表は、リーグ2年連続MVPのアリフ・アイマン、ACLでもプレーするなどチームの主力となっているナサニエル・シオ(いずれもジョホール・ダルル・タジム-JDT)といったA代表クラスの選手を、この大会がFIFAカレンダー外だったことから招集できなかった点を差し置いても、最終的には個々の選手の能力に依存し、戦術、戦略ともに準備不足な印象だけが残りました。「目標は決勝進出、最低でも準決勝進出」という目標を公言しながら、先発メンバーを試合ごとに変更した上、公言した通りの結果が残せなかったE・エラヴァラサン監督以下首脳陣が今後もこのチームを率いるべきなのか、の再考が必要です。またベトナムやタイの若い選手が活躍する様子を見ると、今年から始まったU23リーグのMFLカップの外国籍選手枠の見直しなど、マレーシアサッカー協会としての育成方針の見直しも必要かも知れません。

2023年5月8日@プリンススタジアム
ベトナム 2-1 マレーシア
⚽️ベトナム:グエン・ヴァン・トゥン2(7分PK、33分)
⚽️マレーシア:アリフ・イズハン(43分)

https://youtu.be/LTkZQQJGqJI
この試合のハイライト映像。シンガポールのメディア、メディアコープの公式YouTubeチャンネルより

東南アジア競技大会2023 男子サッカーB組順位表(第7節終了時)

順位 チーム 得点 失点 得失差 勝点
1 タイ 3 3 0 0 9 2 7 9
2 ベトナム 3 3 0 0 7 2 5 9
3 マレーシア 3 1 0 2 6 5 1 3
4 シンガポール 3 0 1 2 2 6 −4 1
5 ラオス 4 0 1 3 2 11 −9 1

KLシティのオーナーは国外クラブと提携を模索

今年からスーパーリーグに所属するKLシティのオーナーとなったアズリ・アゼライ氏が、先日、韓国1部の光州FCとFCソウルを表敬訪問したことを自身のSNSに投稿し、さらにKLシティと外国クラブとの提携を模索していると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

今年3月にKLシティの51パーセントの株式を510万リンギ(およそ1億6000万円)で購入した財務コンサルティング企業リナニ・グループ社のトップであるアズリ氏は、英国のプレミアリーグやスペインのラ・リガ、イタリアのセリエAの他、KリーグやJリーグといった各国のリーグのクラブと提携し、KLシティの強化に繋げたいと話しています。

「(表敬訪問した)韓国の両クラブはそれぞれの「雰囲気」を持っていた。光州FCは「落ち着いて家庭的な」雰囲気で、FCソウルはKLシティの本拠地、クアラルンプールと同様の「都会的な」雰囲気を持っていた。」と話したアズリ氏は、今後数ヶ月の内に複数の外国クラブとの具体的な提携関係が正式に調印されることになるだろうと話しています。

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別の記事では、こういった外国のクラブと提携関係が確立された場合、KLシティは海外でプレシーズンのトレーニングを行う可能性があるなどとも報じられています。2022年AFCカップ準優勝のKLシティですが、現在はクラブ専用の練習施設がないことから、アズリ氏は以前のインタビューで、チームに自前の施設を持たせ、選手たちがトレーニンググラウンドを移動する必要がなくなるようにするという、クラブの短期的および長期的な計画を述べ、チーム専用の練習施設を建設するために、土地購入なども検討していることを明らかにしています。

AFFフットサルクラブ選手権-パハンレンジャーズは4位、ブラックスティールFCパプアが初優勝

タイで開催されていた東南アジアサッカー連盟AFFフットサルクラブ選手権に出場していたマレーシアのパハン・レンジャーズは、3位/4位決定戦でタイ・ソンナム(ベトナム)に0-3で敗れて4位に終わっています。

準決勝ではブラックスティールFCパプア(インドネシア)に0-7で敗れていたパハン・レンジャーズは19分にベトナム代表グエン・アイン・ズインのゴールで先制されて前半を0-1で折り返すと、後半開始2分にはトゥ・ミン・クアンのゴール、さらには34分にリズワン・バクリのオウンゴールで0-3となり万事休す。2021年大会のスランゴールMAC以来の3位を狙ったパハン・レンジャーズは4位に終わっています。

なお決勝は延長戦を含む50分の試合でも1-1と決着がつかず、PK戦となりましたが、スティールFCパプアが、ホンイエン・タカム(タイ)を4-3で破り、AFFクラブフットサル選手権優勝を果たしています。

決勝は開始1分でターサック・チャロンポンのゴールでホンイエン・タカムが先制するも、32分にエヴァン・サモレナがボレーシュートを決めて同点に追いつきます。ブラックスティールFCパプアのラクフォル・サイネットン 監督とホンイエン・タカムのコーチ1人にレッドカードが出されるほどの激しい試合は延長に入っても決着がつかずPK戦へ。

4人全員がPKを決めたブラックスティールに対し、ホンイエン・タカムは2名が外し、この結果ブラックスティールFCパプアが初優勝を飾るとともに、前回2022年大会のビンタン・ティムール・スラバヤに続くインドネシア勢による2連覇を果たしています。またホンイエン・タカムにとっては前回大会に続き2大会連続の準優勝となりました。

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