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前副首相はクアラルンプールサッカー協会会長職に興味なし

クアラルンプール市庁が資金提供を保留していることによる、Mリーグ1部スーパーリーグのKLシティの選手や監督、コーチへの給料未払いは、マレーシア政権与党による野党への圧力と見られていますが、現在、野党政治家のカリド・サマド会長をトップに据えるクアラルンプール市サッカー協会への辞任圧力が高まる中、その後任に名前が上がっているザヒド・ハミディ元副首相は、サッカー関連の職に復帰するつもりはないと、自身のFacebookに投稿しています。

内務大臣時代には現在はMリーグ2部プレミアリーグのPDRM FC、防衛大臣時代には現在は3部M3リーグの国軍FCの運営に関わり、さらにペラ州サッカー協会会長なども歴任したザヒド氏は、現在は他にやるべきことがあるとしてどのサッカー協会の会長になる気はない、と投稿しています。

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マレーシア国内の市町村のトップは直接選挙で選ばれるのではなく、議会多数派から指名される仕組みになっています。またクアラルンプールは連邦直轄地であることから、マレーシア政府連邦直轄地省と担当大臣が市長を任命する仕組みです。また連邦直轄地相はクアラルンプールサッカー協会に就任することが関連となっており、現在のカリド会長も2018年5月の国政選挙で所属する国民信任党を含む連合が政権を取った後、同年7月に連邦直轄地相に就任し、そのままクアラルンプールサッカー協会会長に就任しています。しかし、2020年2月に当時の与党連合が内部分裂して政権が崩壊し、野党議員となったカリド氏は連邦直轄地相を失職しました。代わって新たに政権の座についた国民戦線構成党の構成党でもある統一マレー国民組織所属の議員で、かつてクランタン州サッカー協会会長も務めたアヌアル・ムサ氏が新たに連邦直轄地相に就任しましたが、カリド氏は会長職にとどまっています。昨年9月には内閣改造によりシャヒダン・カシム氏が連邦直轄地相に就任し、この両氏がクアラルンプールサッカー協会と協会が運営するKLシティを掌握するために、資金提供を保留し、カリドサッカー協会会長、さらにはスタンリー・バーナードCEOの辞任を求めているとされています。

2021年シーズンには、クラブ民営化によってそれまでのクアラルンプールFAからクラブ名変更をしようとした際も、当初決定していたKLユナイテッドFCという名を、シーズン開幕の2日前に突然、現在のKLシティFCに変更させたアヌアル氏は当時の連邦直轄地大臣で、サポーターの多くが不支持を表明していました。

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