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5月21日のニュース
・酸をかけられたファイサル・ハリムは今週中にも退院
・代表選手襲撃捜査は警察に任せるべき-FAM
・常設のU22代表チーム、ハリマウ・ムダ復活をFAMが検討

今季2024/25シーズンからマレーシアスーパーリーグ(MSL)にもVARが導入されていますが、第1節では5試合中2試合で「機材トラブル」を理由にVARが使えませんでした。そして先週末に行われた第2節でも、ペナンFC対トレンガヌFCの試合でVARが機能しませんでした。英字紙ニューストレイツタイムズによると、この試合が行われたペナンFCのホーム、シティ・スタジアムの設備に問題があったことがその理由のようです。
なお、この試合でVARが使用できないことがトレンガヌFCのトミスラフ・シュタインブルックナー監督に伝えられたのは、キックオフから20分以上経ってからでした。これについてシュタインブルックナー監督は、試合前にVARが使えないことが伝えられなかったことに不満をあらわにしています。特にこの日は38分にマヌエル・オットのゴールがオフサイド判定されるなどVARが入れば判定が異なった可能性がある場面もあっただけに、悔やんでも悔やみきれないと言ったところでしょうか。

酸をかけられたファイサル・ハリムは今週中にも退院

5月5日に酸をかけられ第4度の火傷を負って入院治療中の代表FWファイサル・ハリムは今週中にも退院する可能性があると、英字紙スターが報じています。この記事の中でスランゴールFCのチームドクター、ハズワン・カイル医師は、ファイサル選手は昨日5月20日(月)の朝に入院後4回目となる手術を受け、数日間医師の観察を受けた後、退院する予定だと話しています。

ハズワン医師はさらに、ファイサル選手が今回受けた「分割皮膚移植」の手術がおそらく最後の手術になるだろうと話す一方で、術後の経過を見るために48時間から72時間待たなければならないと説明し、その経過によって退院の時期が決まるだろうと述べています。また退院後には「筋骨格リハビリテーション」というリハビリを受ける予定だとも説明し、退院後もメンタル面も含めてファイサル選手の具合をを継続的に監視するとしています。

上は5月18日にセランゴールFCのホーム、MBPJスタジアムで行われたセランゴールFC対クダ・ダルル・アマンFCの試合中に、スランゴールFCのウルトラスが掲げたティフォ。モチーフはファイサル選手がゴールを挙げた際に行うパフォーマンス「シウ」のポーズです。(写真は英字紙スターより)

代表選手襲撃捜査は警察に任せるべき-FAM

5月3日にはトレンガヌFCのアキヤ・ラシドが強盗傷害事件で、5月5日にはスランゴールFCのファイサル・ハリムが突然、酸をかけられ、5月7日にはジョホール・ダルル・タジムFCのサフィク・ラヒムが車のリアウィンドウをハンマーで粉砕される、と言った代表選手が被害者となる事件が連続して発生しています。これらの事件については、2週間近く経った現在も犯人逮捕のニュースが流れず、国内サッカーファンからは警察に対する不満がSNS上でも見られますが、マレーシアサッカー協会(MFL)のノー・アズマン事務局長は、3人の元現代表選手が襲われた事件について、事件の捜査するための猶予を警察に与えるべきと述べています。

FAMのノー・アズマン事務局長は、警察の捜査に影響を及ぼすような発言を控え、捜査を静観すべきだと述べています。「警察が捜査を進めている中、例えばスランゴールFCの関係者が次々と脅迫を受けたことを明らかにしたり、ファイサル選手へ酸をかけた行為が選手生命を奪う目的だった、といった声明を発表して、サポーターや一般市民を惑わせるべきではない。」と述べたノー・アズマン事務局長は、こう言った声明は警察の捜査を妨げたり、誤解を招きかねないという懸念を示しています。

警察からは定期的に捜査の状況に関して情報提供を受けていることも明らかにしたノー・アズマン事務局長は、いずれの事件も公共の場で起こったこともあり、FAM、そしてリーグを運営するマレーシアン・フットボール・リーグ(MFL)とも独自の捜査を行うことはできないことを説明した上で、警察が捜査を進める妨げになるような行動や発言は控えることを求めています。

常設のU22代表チーム、ハリマウ・ムダ復活をFAMが検討

ハリマウ・ムダ(ハリマウは「虎」、ムダは「若い」の意味のマレーシア語)は、マレーシアサッカー協会(FAM)が2007年から2015年まで運営していた常設のU23代表チームの愛称ですが、FAMは若手育成プログラムの一環として、このハリマウ・ムダを再び編成することを検討していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

マレーシア代表の愛称がハリマウ・マラヤ(意味は「マラヤの虎」)であることからU23以下の各年代代表の総称として付けられた愛称がハリマウ・ムダですが、FAMのハミディン・アミン会長は、このハリマウ・ムダを復活させた場合の運営費用などについてマレーシア政府の青年スポーツ省のハンナ・ヨー大臣と話し合いを持つ予定があると述べています。

「ハリマウ・ムダに参加する選手、監督およびコーチの給料はFAMから出るため、FAMはヨー青年スポーツ相とハリマウ・ムダの運営費用について話し合いを行う必要がある。もしハリマウ・ムダが復活すれば、以前と同じように海外への遠征なども行う予定だ。なおハリマウ・ムダに参加する選手は、所属するクラブから期限付き移籍という形で集めることになるだろう。」

ハリマウ・ムダ復活は結果的には代表チーム強化にもつながると考えており、その資金については青年スポーツ省からの支援が必要だと述べたハミディンFAM会長は、2028年オリンピックを筆頭に、FIFA U17W杯やU20W杯、2026年アジア競技大会、2027年東南アジア競技大会などを念頭に置きながら、FAMはユース年代からの育成に注力したいと話しています

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2007年に創設されたハリマウ・ムダは、当初はU21チームとしてプロクラブに所属しない選手を集めて、国内2部リーグのプレミアリーグに参戦しました。参加初年度2007/08シーズンは7勝5分12敗で14チーム中8位という成績でしたが、翌年2009シーズンは、現在はサバFC監督のオン・キムスイ氏が監督を務め、20勝2分2敗でリーグ優勝を果たしました。

このチームはそのまま2009年の東南アジア競技大会通称シーゲームズでは、大会がU23代表の対戦となった2001年大会以降では初優勝を果たすと、さらに2011年のシーゲームズでも優勝して2連覇を果たしています。また2009年のシーゲームズ中小チームのメンバーが加わったA代表は、2010年の東南アジアサッカー連盟(AFF)選手権スズキカップ(現三菱電機カップ)でも初優勝を果たしています。

これに気を良くしたFAMはハリマウ・ムダをU22のハリマウ・ムダAとU20のハリマウ・ムダBに分け、さらにその後はU17のハリマウ・ムダCまで創設しています。この後、ハリマウ・ムダAは2011年シーズンは国内1部リーグのスーパーリーグに参戦して12勝7分7敗で14チーム中5位の成績を残すと、翌2012年には国外のチームに門戸を開いていたシンガポール1部リーグに参戦し、13勝3分8敗で13チーム中4位となりました。

2013年には、シーゲームズ3連覇を目指して8ヶ月に及ぶスロバキアでの海外合宿を行ったものの、2013年末のシーゲームズでは3位決定戦にも敗れて4位に終わりました。さらに2014年にはFAMはオーストラリアのクイーンズランド州サッカー協会と提携して、ハリマウ・ムダAは同州リーグに参戦し、9勝6分9敗で13チーム中9位でシーズンを終えた翌2015年には前FAM副会長でもあったカイリー・ジャマルディン青年スポーツ相(当時)がユース年代育成はFAM主導ではなく、各州サッカー協会が行うべきとして、FAMにハリマウ・ムダを解散を命じたという経緯があります。

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