ボラセパマレーシアJP

2022年シーズン開幕直前!
Mリーグ1部スーパーリーグクラブ紹介第5回
スランゴールFC

Mリーグ2022年シーズンは2月26日のチャリティーカップで開幕しますが、今季開幕を前に今季のMリーグ1部スーパーリーグの12クラブを紹介する第5回は、昨季Mリーグ5位のスランゴールFCです。

スランゴールFC(2021年シーズンスーパーリーグ5位)

本拠地:MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
2021年シーズン成績:5位(10勝6分6敗)得点45(リーグ2位)失点30(同6位)
過去5シーズンの成績:2017年6位-2018年8位-2019年3位-2020年5位-2021年5位
監督:ミヒャエル・ファイヒテンバイナー(ドイツ)
外国籍選手(*は新加入選手):
*FWユーリ・エンリケ・ジ・オリヴェイラ・コスタ(ブラジル)
*FWカイオン(ブラジル)
FWハインテットアウン(ミャンマー-アセアン枠)
*MFバハー・アブドッラフマーン(ヨルダン-AFC枠)
MFアレックス・アグヤクワ(ガーナ)
*DFヤザン・アル=アラブ(ヨルダン-AFC枠)
DFサフアン・バハルディン(シンガポール-アセアン枠)
DFジョーダン・アイムビラ(ガーナ)
DFジョージ・アトラム(ガーナ)

主なマレーシア人選手(*は新加入選手、#は2021年にマレーシア代表に招集された選手):
#GKカイルルアズハン・カリド
*#GKサミュエル・サマーヴィル(ペナンFCより加入)
*#DFクエンティン・チェン(ペナンFCへ期限付き移籍終了)
DFシャルル・ナジーム
DFハリス・ハイカル
DFアシュマウイ・ヤキン
DFR・ディネシュ
*DFファズリ・マズラン
#MFブレンダン・ガン
#MFムカイリ・アジマル
MFハキム・ハサン
MFアリフ・ハイカル
FWダニアル・アスリ
#FWシャーレル・フィクリ

チーム紹介:
1982年のマレーシアリーグ(ただし当時は現在とは違いアマチュアリーグ)発足以来リーグ優勝6回、1921年創設のマレーシアカップでは優勝33回、準優勝16回、そして1990年創設のFAカップでは優勝5回、準優勝3回とマレーシアサッカー界では圧倒的な歴史を誇る「赤い巨人」も、最後のリーグ優勝は2010年と、近年はマレーシアサッカー盟主の座をMリーグ8連覇中のJDTに奪われて久しいスランゴールFC(以下スランゴール)。特にここ数年は、長期的視点に欠けるチーム補強で迷走していましたが、2019年末にミヒャエル・ファイヒテンバイナーをテクニカルディレクターに迎え入れ、さらにマレーシアサッカー協会FAMと青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会NSCが共同で運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPの中核をなすエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDの第1期卒業生34名中、U19代表選手を中心に28名を獲得すると、過去2年はリーグ優勝よりもこの若い選手たちを育成しながら勝つ方針で2年連続5位となりました。

そんなチームからは。U23代表の主将でA代表にも招集されたムカイリ・アジマルや、リーグ戦とマレーシアカップを合わせてマレーシア人選手として昨季チーム最多の6ゴールを挙げたダニアル・アスリ、最終的にはケガで辞退したものの昨年はA代表に初めて招集されたシャルル・ナジーム、期限付き移籍したペナンFCでレギュラーポジションを掴むとU23代表、そしてスズキカップ2020に出場したA代表にも招集されたクエンティン・チャンら経験を積んだ選手たちが今季は主力となってリーグに臨みます。

若い選手たちに期待がかかる一方で、昨季のチーム総ゴール数43(チーム総得点45点中2点はオウンゴール)の内、26ゴールを挙げたイフェダヨ・オルセグンの退団による穴を埋めることができるかどうかが、今季のスランゴールの最大の問題となるでしょう。在籍した過去3シーズンで50ゴール(43試合)とチームの絶対的なエースの代わりをユーリ・エンリケ、カイオンのブラジルFWコンビに託すことになりますが、この2人が期待通りの働きができなければ。若いチームだけに一気にBクラス転落の可能性もあります。

ボラセパマレーシアJP的注目選手
・ブレンダン・ガン
昨年6月のW杯予選後に精巣腫瘍があることが判明し、昨季後半は治療に専念したガン選手ですが、既に今季のプレシーズン練習にも参加しています。また先日はガンの早期検診キャンペーンのイベントにもパネリストとして参加するなど、サッカー選手だけでなくガンを克服した模範として啓発活動を行うことも表明しています。そのガン選手不在が昨年後半のA代表の不振の原因の一つ、そしてスランゴールがスーパーリーグでトップ3に絡むことができなかった原因とも言えるでしょう。いわゆる「ボックストゥボックス」タイプのMFとして攻守に貢献するだけでなく、A代表、スランゴールいずれでも精神的支柱としてチームを鼓舞し続けるリーダーの復帰はクラブ、代表の両方で楽しみです。

・シャーレル・フィクリ、ダニアル・アスリ
新加入のブラジルFWコンビへの期待が高まる一方で、A代表のストライカー不足解消のためにも期待したいのが。昨季は2人合わせてわずか4ゴールに終わった2020年スーパーリーグのマレーシア人得点王シャーレル・フィクリと、同年プレミアリーグのマレーシア人得点王ダニアル・アスリの両選手です。新型コロナにより短縮された2020年シーズンでは、シャーレル選手は11試合で10ゴール、ダニアル選手は11試合で7ゴールを挙げており、実績は十分な2人が今季は合わせて10ゴール以上を挙げることができれば、スランゴールの上位進出の可能性は高まります。

・シャルル・ナジーム
リーグ優勝のJDTは完封勝ちが11試合、2位のペナンFCも無失点勝利が6試合ある一方で、スランゴールのクリーンシートはわずか3試合しかなく、昨季リーグ6位の30失点のDF陣をどう立て直すのかもスランゴールの今季の課題です。シャーミ・サファリ(JDTに移籍)、A・ナマテヴァン(ヌグリスンビランFCに移籍)と経験のあるDF2名がチームを去った中で、シンガポール代表のサフアン・バハルディンとともに今季のDF陣の中心となるのが独特の髪型から「アフロ」の愛称で呼ばれるシャルル・ナジームです。豊富な運動量を誇るものの、張り切りすぎた結果のミスも多い印象だった昨季を経て、チームのセンターバックとして活躍できれば、本人が憧れていると話すアイディル・ザフアン(JDT)に代わって代表のセンターバックとしてプレーする機会もありそうです。

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