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梅田邦夫駐ベトナム日本国大使“東京五輪””サッカーへの情熱”日越スポーツについてアツく語る

梅田大使とサッカーのかかわりについて

- スポーツ交流、とりわけ、サッカー交流に並々ならぬ情熱を持つ大使ですが、大学時代は、サッカー部でキャプテンを務めていたと聞いています。大使とサッカーの出会いをお聞かせください。

「もともとは野球少年だったんですが、中学生のときに開催されたメキシコ五輪で、日本代表が銅メダルを獲得したのをテレビで観て、サッカー面白いじゃないかと思って、ボールを蹴りだしたのが始まりです。本格的にサッカーに取り組み始めたのは大学に入ってから。外務省に入省後、スペインで2年間語学研修をしたときは寮のチームに入れてもらい、よくボールを蹴っていました。あまりのレベルの違いに驚愕したのを覚えています。当時は、よくスペインリーグも観に行きました。日本に戻って以降、しばらくサッカーから離れていたのですが、あれはJ リーグ発足した後だったか、息子が入団した地域のクラブの監督から、経験者だからという理由でコーチの手伝いを頼まれたんです。そこからサッカーの人脈が広がって、現在まで繋がっているという感じですね。セルジオとも、その頃からの知り合いです。」

- ベトナムに赴任される以前は、サッカー王国ブラジルの日本国大使館で働いておられましたが、ちょうどその時期、ブラジルではリオ五輪とサッカーワールドカップが開催されました。

「大使としてブラジルに行くということは当初、全く自分の頭の中になかったんです。ところが、ワールドカップの1、2 年前のある日、セルジオと友人の平野氏(電通)と食事していて、次はブラジルでワールドカップがあるから、梅田さんが大使になって、日本代表を裏方でサポートすればいいじゃないかという話になり、それで、その気になりました。ワールドカップ開幕の数ヶ月前に赴任して、実際に何をやったかというと、現地での安全対策と応援体制の整備。非常にありがたかったのは、日系人の方々が全ての試合会場でサポートしてくださったこと。リオ五輪のときもサッカー代表チームが練習試合を含めて5 試合を行いましたが、各地でやはり日系人の方々の助けがありました。そして、ブラジルで良い思い出として残っているのは、日本サッカーの発展に貢献した「ブラジル選手に感謝する会」を主催したこと。ちょうどブラジルにいらした安倍首相を迎えての会でしたが、ジーコ、ドゥンガ、サンパイオ、アルシンド、ビスマルク、セルジオ等が参加して、安倍首相から彼らに感謝の言葉をもらい
ました。」

- 2020 年には、日本で56 年ぶりとなる夏季オリンピックが東京で開催されます。ベトナムは前回のリオ五輪で、初の金メダリスト(男子射撃)が誕生するなど、今後は五輪への注目度も高まりそうな気配です。東京五輪に向けて、日越のスポーツ交流も引き続き行われていくことと思いますが、どんなことを期待しますか?

「もちろん男子サッカーで出場できればいいのですが、それ以外の競技でも、一人でも多くのベトナム人選手に東京五輪に出場してもらいたいと思っています。現在、日本で暮らすベトナム人は30 万人にも上り、日本経済を支えてくれています。在日ベトナム人による犯罪が増えているなどの問題も発生してはいますが、基本的には、ベトナムの方々は日本に強い憧れを持っているのも事実です。東京五輪という機会に、良いイメージを国際社会に発信してもらいたい。自国の選手たちが出場して活躍するということが、ベトナムという国の一体感を生み、エネルギーになると思うんです。その舞台が東京五輪であれば、それはとても素晴らしいことです。」

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