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宇野沢祐次率いるパルセイロU-18。初の全国でGS突破狙う

「J3のクラブとしては、今回の出場チームの中で唯一。これはすごいことだと思う」。7月16日のトップチームの試合前に行われた壮行セレモニーで、宇野沢祐次監督がそう語気を強めると、スタンドからどよめきの声が上がった。

7月23日(日)に群馬県内各地で開幕する第47回日本クラブユースサッカー選手権大会。北信越予選を勝ち抜いたAC長野パルセイロU-18は、創設10年目にして初の全国出場となる。指揮官の言葉通り、トップチームがJ3に所属するクラブとしては唯一の参戦。クラブの歴史を知る“ミスター・パルセイロ”のもと、新たなストーリーを作り上げる構えだ。

格上の北信越勢を下し、初の全国舞台へ

柏レイソルやアビスパ福岡でプレーした宇野沢監督は、2010年から10年間にわたってAC長野パルセイロに在籍。2019シーズンをもって現役を退くと、クラブのアカデミースタッフに就任し、2021年途中からU-18チームの監督を務めている。2年目の昨季は鈴木悠太をトップチームに送り出し、3年目の今季は全国初出場と、着実に成果が現われてきた。

宇野沢祐次監督

指導者として掲げるのは、攻守において主導権を握るサッカーだ。長野県リーグ1部ではボールを保持する時間が多い中で、今大会の北信越予選では被保持の時間も少なくなかった。1回戦でカターレ富山に5-1と大勝し、迎えた準決勝。全国出場を懸けた一戦で、ツエーゲン金沢に対して2点を先取するも、1点を返された後は守勢に回る時間が続いた。「普段の自分たちのスタイルとは違った」と指揮官は話したが、「その中でも守り切れたし、守っているときにもFWがずっとカウンターのチャンスを狙っていた。チームとして耐えられたゲームだった」。劣勢に立たされながらも2-1と逃げ切り、これまでにない手応えをつかんだ。

決勝ではアルビレックス新潟に1-2と敗れたが、カテゴリーが2つ上(プリンスリーグ北信越1部)の富山と金沢を下し、堂々の本戦進出。突出したタレントがいるわけではないが、キャプテンの宮下隼が「全員の力」を勝因に挙げたように、一致団結して歴史の扉を開いた。

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