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3月22日のニュース
W杯アジア2次予選-マレーシアはオマーンに敗れて3位転落
KLシティの新たな監督とコーチが決定

アジア各地でW杯アジア2次予選が行われ、東南アジアのチームが格上相手に健闘しています。韓国と引き分けたタイ、中国と引き分けたシンガポール、シリアと引き分けたミャンマーは見事ですし、インドネシアに至っては東南アジア王者ベトナムを相手にアジアカップ2023に続き連勝するなど格上相手に見事な試合をしています。そんな結果を横目で見ながら、マレーシア(FIFAランキング132位)もオマーン(同80位)に挑みました。

W杯アジア2次予選-マレーシアはオマーンに敗れて3位転落

FIFAワールドカップ2026アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027予選D組第3節が行われ、ここまで2連勝で首位のマレーシアは同じく1勝1敗のオマーンと敵地で対戦し、0−2で敗れて同じ勝点6ながら得失差で3位に転落、勝ったオマーンが首位に浮上しています。また同じD組のキルギスも台湾を破って2勝1敗で勝点6となり、得失差でマレーシアを抑えて2位に浮上しています。

マレーシア時間では3月22日午前2時キックオフとなった試合の先発XIは以下のとおりです。マレーシアはアジアカップ2023韓国戦からFWダレンロック(サバ)に代わりFWロメル・モラレス(ジョホール・ダルル・タジム-JDT)が入った他は変更がなく、5バックは左からラヴェル・コービン=オング(JDT)、ドミニク・タン(サバ)、シャールル・サアド(JDT)、ディオン・コールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)、ダニエル・ティン(サバ)、中央は左右にファイサル・ハリム(スランゴール)とアリフ・アイマン(JDT)、ダブルボランチがスチュアート・ウィルキン(サバ)とブレンダン・ガン(前スランゴール)、そしてワントップにロメル・モラレスの5-4-1でこの試合に臨みました。

試合は前半からホームのオマーンが一方的に攻める展開となります。アジアカップ2グループステージ敗退後に就任した元チェコ代表監督のヤロスラフ・シルハヴィ監督がゲキを飛ばす中、積極的にゴールを狙いますが、マレーシアGKシーハン・ハズミの好守で耐えしのぎます。22分にはイサム・アル=サブヒがDFとGKをかわしながらボールはサイドネットに当たるなど、オマーンはゴールを奪えず、またマレーシアは3本のシュートを放ったのみで、前半は0−0で終了します。

後半に入ると58分にオマーンが先制します。左サイドのアリ・アル・ブサイディからのクロスにイサム・アル=サブヒがDFラヴェル・コービン=オングのマークをうまく外してシュート。これが決まって均衡が破れます。マレーシアにとって惜しかったのはその直後の60分に右コーナーキックからコービン=オングがフリーでヘディングシュートを放つもゴールポストに阻まれ、同点の機会を逃します。さらに80分にもエンドリックのパスを受けて抜け出したパウロ・ジョズエのゴールがオフサイドとなるなど1点が遠い中、88分にムーセン・アル=ガッサニがゴール前の混戦から倒れながらもチップキックでゴールを決め、オマーンがリードを広げるとこのスコアのまま試合が終了し、マレーシアの連勝は2で止まると共に首位から3位に転落しています。

素人目線ですが、グループ首位ということもあってか「引き分けで良し」という空気が感じ取れたマレーシアが、この試合は引き分けでもグループステージ突破が危うくなるオマーンに敗れたという印象です。試合中の競り合いでも倒されてアピールするマレーシアの選手を尻目にプレーを続けるオマーンの選手からは必死さが伝わってきました。3月26日に同じカードがマレーシアのホーム、ブキ・ジャリル国立競技場で午後10時キックオフで行われますが、今度はマレーシアがその必死さを見せる番です。

FIFAワールドカップ2026アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027予選D組第3節
2024年2月21日@スルタン・カーブース・スポーツコンプレックス(マスカット、オマーン)
オマーン 2-0 マレーシア
⚽️オマーン:イサム・アル=サブヒ(58分)、ムーセン・アル=ガッサニ(88分)
🟨オマーン(2):イサム・アル=サブヒ、アブドラー・ファワズ
🟨マレーシア(3):ドミニク・タン、ファイサル・ハリム、エンドリック・ドス・サントス

オマーン対マレーシア戦のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより

またD組のもう1試合は台湾がホームにキルギスを迎えました。元東京ヴェルディ監督のギャリー・ホワイト台湾代表監督が開始8分でレッドカードにより退場という波乱で幕が開いたこの試合は、キルギスも24分にDFサイド・ダツィーフ(キルギス1部FCドルドイ・ビシュケク)が早くも2枚目のイエローで退場し、そこから10人でのプレーを強いられます。しかし台湾はこの数的優位を生かすことができず、前半は0−0で終了します。

後半に入るとキルギスは、後半から出場のFWカイ・メルク(ルクセンブルグ1部ユニオン・ティテュス・ペタンジュ)がペナルティエリア内で倒されて得たPKをヴァレリー・キチン(ロシア2部FKエニセイ・クラスノヤルスク)が決めて先制します。さらに昨年11月の同じW杯アジア2次予選マレーシア戦でもゴールを挙げているカイ・メルクが自身でゴールを決めてリードを広げるとそのまま逃げ切り、第2節のオマーン戦に続いてキルギスは2連勝となりました。

FIFAワールドカップ2026アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027予選D組第3節
2024年2月21日@高雄楠梓足球場(高雄市、台湾)
台湾 0-2 キルギス
⚽️キルギス:ヴァレリー・キチン(54分PK)、カイ・メルク(80分)
🟨台湾(1):リャン・メンシン(梁孟昕)
🟨キルギス(1):サイド・ダツィーフ
🟥台湾(1):ギャリー・ホワイト監督
🟥キルギス(1):サイド・ダツィーフ(🟨x2)

W杯2026アジア2次予選予選D組順位表(第3節終了)

順位 勝点
1 オマーン 3 2 0 1 5 1 4 6
2 キルギス 3 2 0 1 6 4 2 6
3 マレーシア 3 2 0 1 5 5 0 6
4 台湾 3 0 0 3 0 6 -6 0

KLシティの新たな監督とコーチが決定

給料未払い問題に揺れるKLシティFCは、辞任したネナド・バチナ監督に代わる新監督にミラスロフ・クルヤナツ氏の就任を発表しています。クルヤナツ新監督は、昨シーズン途中まで監督を務めたボヤン・ホダック氏(現インドネシア1部プルシブ・バンドン監督)のもとでコーチを務め、ホダック氏辞任後にには監督代行として2試合の指揮を取っています。その後はバチナ監督が正式に就任したため、コーチに戻っていました。そのバチナ監督は今季もKLシティを指揮すると考えられていましたが、今月になって契約解除を申し入れ、KLシティFCは監督不在となったことから、チームをよく知るクルヤナツ氏に再び白羽の矢が立ったというところでしょう。

またこのクルヤナツ監督と共にチームを指導するコーチには、KLシティFCのU23チームの監督を務めていたワン・ロハイミ氏が就任することも発表されています。2022年にはPDRM FCの監督を務めたワン氏はペナンU21やプルリスU19など年代別チームの監督経験もあります。

クルヤナツ監督誕生により、5月の開幕を前に監督が決まっていないのは佐々木匠選手が加入したヌグリスンビランFC、クランタン・ユナイテッドFCからリブランドされたクランタン・ダルル・ナイムFC(KDN FC)、そして鈴木ブルーノ選手が所属するPDRM FCの3チームとなりました。前任のK・ディヴァン氏が3部M3リーグのマラッカFCに就任したヌグリスンビランFC、やはり前任のアイルトン・シルヴァ氏が母国ブラジルのクラブの監督に就任したKDN FCにに比べると、前任のユヌス・アリフ氏が筆頭候補のPDRM FCは、その他にもかつてPJシティFCを率いてスーパーリーグを戦ったP・マニアム氏(3部ハリニ・スランゴールFT監督)などの名前も新監督候補として挙がっており、発表も近そうです。

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