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1月30日のニュース-アジアカップ2023関連3題
グループステージ敗退の代表に政府が1億6000万円支給
代表チーム総支出は2億2000万円
韓国戦後の記者会見でキム監督がメディアのこれまでの対応を非難

アジアカップ2023は、マレーシアとベトナムがグループステージで敗退した一方でインドネシアとタイがベスト16に進出。しかしベスト16初進出となったインドネシアはオーストラリアに敗れ、本日、ウズベキスタンと対戦するタイが東南アジア勢最後の砦となりました。2000年代に入ってからはベトナムが2度(2019年、2007年)ベスト8進出した以外は東南アジアのチームはベスト8に残っておらず、強豪ウズベキスタン相手とは言え、頑張って欲しいところです。

政府がアジアカップ韓国戦の健闘を讃えてサッカー協会に1億6000万の報奨金

マレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、マレーシアサッカー協会(FAM)にアジアカップでの検討をたたえて報奨金500万リンギ(およそ1億6000万円)を与えることを発表しています。

「我々よりはるかに優れたチームを相手にしたマレーシア人選手たちの素晴らしい戦いを見た。最初の2試合で負けたにもかかわらず、彼らは最後の試合で実際に個性と強さを示した」と語ったアンワル首相は、ハンナ・ヨー青年スポーツ相の要請に基づき、政府としてFAMに対し代表チーム運営を目的として報奨金500万リンギを与えることを明らかにしています。

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しかしこの後、韓国と引き分けとは言え、0勝1分2敗という成績でグループステージ敗退の代表チームに「報奨金」を与えることに批判が噴出し、この「報奨金」がいつの間にか代表強化費という表現になったというのが次の記事です。

今回のアジアカップ2023出場の代表チームの総支出は2億2000万円

1月25日にアジアカップ2023が開催されていたカタールからクアラルンプール国際空港に帰国したマレーシア代表を出迎えたハンナ・ヨー青年スポーツ相は、今回の大会に出場するための費やした総支出が700万リンギ(およそ2億2000万円)だったことを明らかにしています。

ヨー青年スポーツ相は、この金額が同じグループステージE組の他国と比べると少額だったと説明し、同じE組の韓国は9400万リンギ(およそ30億円)、ヨルダンは2350万リンギ(およそ7億4000万円)、そしてバーレーンは2820万リンギ(およそ8億9000万円)を費やしたとも述べています。

さらにアンワル・イブラヒム首相が発表したマレーシアサッカー協会(FAM)への500万リンギの報奨金については「この500万リンギはFAMが必要とする資金の一部にすぎず、実際にFAMはその以上の資金を必要としている。我々はマレーシア代表が他国の代表チームと同じようにトレーニングを行える環境を確保する必要がある。」と述べて、政府による代表強化資金であること、そしてこれが代表チームに与えられることに理解を求めています。

アジアカップ2023を終えてカタールから帰国したマレーシア代表チームをクアラルンプール国際空港(KLIA)に出迎えヨー青年スポーツ相は、FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長にこの500万リンギの目録を手渡したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

帰化選手モラレス「韓国戦で同点ゴールで夢が叶った」

アジアカップ2023のグループステージ最終戦となった韓国戦で、ロスタイム15分に劇的な同点ゴールを決めたコロンビア出身の帰化選手ロメル・モラレスは、土壇場で決めた同点ゴールを「夢のようだった」と振り返っています。

昨年12月にマレーシア国籍を取得したばかりのモラレス選手は、今回のアジアカップ2023で初めて代表に選出されています。代表戦デビューとなったヨルダン戦では少ない好機を生かせなかったこともあり、厳しく批判されることもありました。しかし韓国戦の同点ゴールとなった代表初ゴールで、韓国と引き分けに貢献しています。

「カタール入りしたときから、チーム内での競争が非常に厳しいものになることは分かっていた。チームに早く適応する必要があったので、ただ出場してベストを尽くし、チャンスを待っていた」と語ったモラレス選手は、さらに「チャンスを与えてくれたキム・パンゴン監督に感謝しており、最後の瞬間までマレーシアのために何かできると信じていた。ゴールを決めた瞬間は夢のようだった。」とマレーシアの英字紙スターの取材に答えています。

最後にモラレス選手は「私は人々がマレーシア代表チームを誇りに思ってくれることを願っている。私たちは全力で試合に臨み、多くのワールドカップに出場しているチームと対等に勝負できたと人々に伝えることができる」と締めくくっています。

韓国戦後の記者会見でキム監督がメディアのこれまでの対応を非難

アジアカップ2023では初戦のヨルダン戦を0-4、続くバーレーン戦は0-1で敗れた間マレーシア代表ですが、この結果について多くの批評家がキム・パンゴン監督の先発XIの選択と戦術を疑問視する発言をしていました。さらに2025年まで契約が残るキム監督がアジアカップ以降も代表チームを率いるのにふさわしいかどうかを疑う声をあげる解説者もいましたが、韓国戦の引き分けという結果を残したことで、キム監督の怒りが韓国戦後の記者会見で爆発したと、英字紙スターが報じています。

韓国戦後の記者会見で報道陣と対峙したキム監督は、2連敗からどの様に選手のモチベーションを上げたのかを尋ねた記者に対し「あなたたちは私を退場させたいのに、私がどのようにして選手たちをやる気にさせたかを尋ねているのです」と回答した上で、「チームの結束は私たちが常に意識してきたことです。我々は言わば家族のようなものです。」

「私は常に言い続けてきましたが、私たちは選手たちに最高の環境を提供する必要があり、それが私たちの仕事なのです。私たちは選手たちのモチベーションを高めることで選手たちに試合で実力を発揮してもらいたいと思っています。」

「しかし、あなた方(メディア)はそういった側面を決して見ることはなかった。私をチームから追い出したいと思っているあなた方は、私を(言葉で)殴っていたにもかかわらず、今日になって突然、私のこと称賛している。」と文字通り手のひらを返す対応をした報道陣に対してキム監督は怒気を含みながら答えたということです。

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