ボラセパマレーシアJP

マレーシアカップ
準々決勝セカンドレグ結果とハイライト映像(3)-リーグ11位のペラが4位のサバを撃破してジョホールとの準決勝へ

ACLとAFCカップによるリーグ中断期間が終わり、マレーシアでは今週末にかけてマレーシアカップ準々決勝セカンドレグが行われています。このブログでも何度か書いていますが、元は各州代表チームの対抗戦という形で始まったマレーシアサッカーの歴史を反映して、リーグ戦以上にマレーシア国内が盛り上がるのがこのマレーシアカップです。昨年はジョホール・ダルル・タジムが優勝していますが、マレーシアカップは2013年、2014年に優勝したパハンFA(現スリ・パハンFC)以来、連覇するチームが出ていません。リーグ戦では残り5試合で勝点1を挙げれば優勝が決まるジョホールの準決勝の相手はペラに決まり、もう一つの準決勝はKLシティ対トレンガヌとなりました。
(試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

マレーシアカップ2023準々決勝セカンドレグ
2023年9月25日@ペラ・スタジアム(ペラ州イポー)
観衆:14,852人
ペラ 1-0 サバ
(通算成績:ペラ 3-2 サバ)
⚽️ペラ:ワン・ザック・ハイカル(45分)
🟨ペラ(2):アイマン・ユスニ、ハキミ・マット・イサ
🟨サバ(3):ドミニク・タン、スチュアート・ウィルキン、パク・テス
MOM:ワン・ザック・ハイカル(ペラ)

今季最多入場者となる1万4852人の声援を受けたホームのペラが1-0で勝利し、ファーストレグと合わせて通算成績を3-2として準決勝進出を決めています。

13勝3分6敗でリーグ4位のサバは、今月のFIFA国際マッチカレンダーでFWダレン・ロック、MFスチュアート・ウィルキン、DFドミニク・タン、DFダニエル・ティンの4名がマレーシア代表に、またFWサディル・ラムダニがインドネシア代表に招集されるなど国内屈指のチームですが、一方のペラは今季リーグ戦では4勝4分13敗の11位に沈んでいます。今季開幕時に監督を務めていたリム・ティオンキム氏は前半戦をわずか1勝で終える解任され、その後は内部昇格でユスリ・チェ・ラー コーチが監督についたものの、その後も2勝1分6敗と調子は上がりません。しかし、このマレーシアカップではリーグ3位のクダ・ダルル・アマンを通算成績4-3で退けるジャイキリでベスト8に進出しています。

続くサバとの準々決勝ファーストレグでは、ホームのサバが2度リードしながらも、いずれもペラが追いつく展開となり、最後は2-2と引き分けとなっていました。今季のマレーシアカップではアウェイゴールルールが採用されておらず、この試合の勝者が準決勝と進出となることから、両チームともに試合開始から積極的なプレーを見せ、サバ有利の展開となる中ペラGKのT・シャヒースワランの好セーブもあり、試合は無得点のまま進みます。

30分過ぎから試合は落ち着き、ペラも徐々に好機を作り始めます。その直前にも惜しいシュートを放っていたルカ・ミルノヴィッチが37分にゴール前のサンディ・アフォラビへ絶妙なパスを出し、アフォラビ選手と交錯したサバのラモン・マシャドがハンドを犯したようにも見えましたが、ペラの激しい抗議は受け入れられずに試合は進みます。そして45分にこの試合唯一のゴールが決まります。中央のアフォラビ選手から左サイドを抜け出したワン・ザック・ハイカルへパスが渡ると、ワン・ザック選手は詰めてきたサバのウィルキン選手をかわしてシュート。14歳の時にはMリーグのU21チームでもプレーし、JFL時代のFC琉球にも在籍した32歳のゴールが決まったペラがついに通算成績3-2とリードします。そして後半のサバの猛攻をゴールポストにも助けられて逃げ切ったペラが優勝した2018年以来となる準決勝進出を決めています。

この試合で準々決勝は全て終了し、今季のマレーシアカップ準決勝のカードは2021年優勝のKLシティ対2018年準優勝のトレンガヌ、昨季2022年優勝のジョホール対2018年優勝のペラに決まっています。1921年に当時は英国の植民地だった英領マラヤで始まったマラヤカップは、1963年のマレーシア成立とともにマレーシアカップと名前を変えて、2020年は新型コロナ禍により、また1942年から47年までは日本軍によるマラヤ占領などの影響で中断されたものの、今年の第97回大会まで続いています。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ