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マレーシアカップ
準々決勝セカンドレグ結果とハイライト映像(2)-KLシティとトレンガヌがベスト4進出を決める

ACLとAFCカップによるリーグ中断期間が終わり、マレーシアでは今週末にかけてマレーシアカップ準々決勝セカンドレグが行われています。このブログでも何度か書いていますが、元は各州代表チームの対抗戦という形で始まったマレーシアサッカーの歴史を反映して、リーグ戦以上にマレーシア国内が盛り上がるのがこのマレーシアカップです。昨年はジョホール・ダルル・タジムが優勝していますが、マレーシアカップは2013年、2014年に優勝したパハンFA(現スリ・パハンFC)以来、連覇するチームが出ておらず、ジョホールが連覇するかどうかにも注目が集まる中、そのジョホールは順当に準決勝進出を決め、さらにKLシティとトレンガヌが続いています。
(試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

マレーシアカップ2023準々決勝セカンドレグ
2023年9月24日@ダルル・マクモル・スタジアム(パハン州クアンタン)
観衆:4,041人
スリ・パハン 1-1 KLシティ
(通算成績:スリ・パハン 1-2 KLシティ)
⚽️スリ・パハン:ステファノ・ブルンド(90+6分PK)
⚽️KLシティ:ロメル・モラレス(29分)
🟨スリ・パハン(1):ステファノ・ブルンド、ファドリ・シャス
🟨KLシティ(1):パウロ・ジョズエ、ライアン・ランバート、ジャンカルロ・ガリフオコ
MOM:ロメル・モラレス(KLシティ)

ファーストレグではホームのKLシティがロメル・モラレスのゴールで1-0で勝利しているこのカードですが、セカンドレグは豪雨のため試合開始が1時間以上遅れて始まりました。水が浮いたピッチではボールは転がらず、選手は足を取られる劣悪なコンデションの中、29分に右サイドでKLシティがフリーキックを得ると、パウロ・ジョズエの蹴ったボールをゴール前のロメル・モラレスが頭で合わせてゴール!KLシティが先制すると共とに、通算成績でも2-0とリードを広げます。

KLシティがリードして前半を折り返すと、後半はパハンがギアを上げてKLシティゴールに迫りますが、強固なKLシティDF陣を崩すことはできません。終了間際のロスタイムにKLシティのDFジャンカルロ・ガリフオコがペナルティエリアでクパー・シャーマンを倒してスリ・パハンにPKを与え、これをステファノ・ブルンドが決めて1-1に追いつきますが、スリ・パハンの得点はこの1点にとどまり、KLシティが通算成績2-1でベスト4進出を決めています。

スリ・パハンのファンディ・アフマッド監督は、現役時代にはKLシティの前身、KLFAで1987年から1989年までマレーシアカップ3連覇を達成していますが、監督としてのマレーシアカップ挑戦は準々決勝止まりとなりました。

マレーシアカップ2023準々決勝セカンドレグ
2023年9月24日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:10,743人
スランゴール 1-1 トレンガヌ
(通算成績:スランゴール 1-3 トレンガヌ)
⚽️スランゴール:サフワン・バハルディン(69分)
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート(23分PK)
🟨スランゴール(0):ノー・アル=ラワブデ
🟨トレンガヌ(0):スハイミ・フシン
🟥スランゴール(1):ヤザン・アル=アラブ
MOM:サフワン・バハルディン(スランゴール)

ファーストレグではホームのトレンガヌが2-0で勝利しており、先制点が欲しいスランゴールは試合開始からボールを前に送りますが、トレンガヌは先日のAFCカップ、セントラル・コースト・マリナーズFC戦で完封劇を演じた若い4バックが決定機を許さず、逆にスランゴールからボールを奪ったトレンガヌがカウンターに転じるなど、試合は両チームがせめぎ合って進みます。

好機を作りながらスランゴールが得点できない中、先制したのトレンガヌでした。20分にスランゴールDFサフワン・バハルディンがペナルティエリア内でノー・ハキム・ハサンを倒してトレンガヌにPKを与えてしまいます。これをイヴァン・マムートがど真ん中に決めて先制するとともに、トレンガヌが通算成績でも3-0とリードを広げて前半を終了します。

スランゴールは後半の69分にPKを与えたサフワン・バハルディンが右コーナーキックからのヘディングシュートを決めて1-1と追いつきますが、直近の12試合で無敗のトレンガヌは、この後はスランゴールに得点を許さずに逃げ切って、通算成績3-1で準決勝進出を決めています。なおこの試合終了後には、主審に執拗に抗議したスランゴールのヨルダン代表、ヤザン・アル=アラブが退場処分になっていますが、その際には審判を蹴る様子が映像に残っており、マレーシアサッカー協会FAMから厳しい処分を受ける可能性があります。

昨季はマレーシアカップ決勝でジョホールに敗れているスランゴールは、2021年大会に続く準々決勝敗退となりました。今年で97回目となるマレーシアカップで優勝33回、準優勝17回と圧倒的な記録を誇る「赤い巨人」ことスランゴールですが、2015年の優勝が最後となっています。

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