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4月8日のニュース
最新のFIFAランキングでマレーシアは2011年以来となる138位に上昇
東南アジア競技大会の男子サッカー組み合わせ決定-マレーシアは「死の組」入り
未だ勝利なしのクランタンUのトーマス・トルチャ監督が今季2人目の「休養」

最新のFIFAランキングでマレーシアは2011年以来となる138位に上昇

4月6日に最新のFIFAランキングが発表され、マレーシアはそれまでの145位から7つ順位を上げて138位となっています。なおマレーシアの通信社ブルナマの報道によると、この138位という順位となるのは2011年以来だということです。、世界のサッカー統括団体であるFIFAが発表した最新ランキングによると、ハリマウ・マレーシアは7つの順位を上げ、世界ランキングで138位に位置しています。

FIFAの公式サイトによると、マレーシアは前回のランキング発表から15.53ポイントを加えて1,082.13ポイントを獲得していますが、これは先月のFIFA国際マッチデーカレンダー期間に行われた、格上のトルクメニスタン戦、そして対戦時はほぼ同じランキングだった香港戦に連勝したことによるものです。

またこの138位という順位ですが、すぐ上の137位にはトルクメニスタン、すぐ下の139位にはセントクリストファー・ネイヴィスがいます。(ちなみにこのセントクリストファー・ネイヴィスは馴染みがない国でしたので調べてみたところ、カリブ海に浮かぶ人口5万人強の島国で、マレーシアと同じ英帝国の旧領土である56の加盟国から構成される国家連合のコモンウェルス(旧称英連邦)のメンバーでした。)

今回発表になたFIFAランキングを東南アジア内で比べると、1位はベトナム(1229.69ポイントでFIFAランキング95位)、2位タイ(1,171.88ポイントで同114位)、3位フィリピン(1,097.67ポイントで同136位)がマレーシアより上位にランクされており、以下、5位インドネシア(同149位)、6位シンガポール(同158位)、7位ミャンマー(同160位)、8位カンボジア(同176位)、9位ラオス(同188位)、10位ブルネイ(同191位)、11位東ティモール(同196位)と続いています。

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今回の最新FIFAランキング発表に合わせて、当地のサッカー専門サイト「スムアニャボラ」は「なぜマレーシアは75位から転落したのか」という記事を掲載しています。この記事では1992年12月に初めて発表されたFIFAランキングでは91位だったマレーシアが、1993年8月の発表では75位までランキングを上げながら、その後は徐々に順位を下げ、2018年3月には史上最低の178位となった理由が詳しく説明されています。以下はこの記事の抜粋です。

FIFAランキング導入当初はポイントの計算式が単純だったことや、それによる東南アジアでも比較的高いランキングのおかげで韓国や中国、オーストラリアさらには中東のイラクやサウジアラビアなどとも国際親善試合が行われていたとし、そんなマレーシアの評価が下落した理由として幾つか挙げていますが、その一つが1994年から1995年にかけて起こった国内リーグの八百長事件でした。この事件では100名以上が警察の取り調べを受け、80名を超える選手やコーチが永久追放処分を受けた大スキャンダルでした。(なお2016年には78名が恩赦を受け、永久追放処分が解除されました。)永久追放処分を受けた選手の中には、1993年のムルデカ大会で韓国を破ったマレーシア代表の選手なども複数名おり、この八百長事件が代表の弱体化へ繋がったと分析しています。

また2006年にFIFAランキング集計システムが変更されましたが、それにマレーシアサッカー協会FAMが適切に対応しなかったことも、ランキング下落の原因と指摘されています。当時のFAMが重視していた試合は東南アジアサッカー連盟AFF選手権でした。このためランキングが高いチームとの対戦はなく、それまでは多くの強豪を招いて開催されていたムルデカ大会でも、そういった代表戦は開催されることがなかったということです。

その代わりにFAMが注力したのは海外のクラブチーム、特に英国プレミアリーグ(EPL)クラブとの対戦でした。マレーシアだけでなく東南アジアでは絶大な人気を誇るEPLとの対戦は人気を集めましたが、当然のことながら国際Aマッチではないため、FIFAランキングのポイントには何ら関係がありませんでした。またAFF選手権以外では、モルジブ、ネパール、スリランカといった国との代表戦をFAMは開催しましたが、こういったランキング下位国との対戦では、マレーシアのランキングは改善するどころか、逆に低下し続けていったということです。

東南アジア競技大会の男子サッカー組み合わせ決定-マレーシアは「死の組」入り

今年5月5日から17日までカンボジアのプノンペンで開催される第32回東南アジア競技大会通称シーゲームズの男子サッカーの組み合わせ抽選が行われ、U22代表が対戦する今大会でマレーシアは、過去16回の優勝を誇るタイ、前回、前々回と2大会連覇中のベトナム、シンガポール、ラオスと同じB組となりました。これまでマレーシアが何度も苦杯を舐めさせられている東南アジアの上位2チーム、ベトナムとタイと同組になったことから、マレーシアのメディアはB組を「死の組」と評しています。なおA組には開催国カンボジア、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、東ティモールが入っています。

近年、マレーシアはシーゲームズでは良い成績を残せておらず、新型コロナの影響で1年遅れで開催された前回大会では、マレーシアはグループステージ2位で準決勝に進出したものの、開催国のベトナムに0-1で敗れ、さらに銅メダルの懸かった3位決定戦ではインドネシアと対戦し、延長戦を終えても1-1と両者譲らず、結局PK戦で敗れています。

またその前の2019年大会では、現在はサバの監督を務めるオン・キムスイ監督が率いたU23代表がグループステージで4位となりメダルどころか、準決勝進出を逃しています。ちなみにマレーシアがメダルを獲得したのは、自国開催となった2017年に決勝でタイに敗れ銀メダルを獲得したのが最後で、、金メダルに至っては2011年大会で開催国のインドネシアをPK戦で破って獲得したのが最後です。

なお今回のシーゲームズの女子サッカーでは、マレーシアはフィリピン、ミャンマー、インドネシアと同組のA組となり、開催国カンボジア、前回大会覇者ベトナム、タイ、シンガポール、ラオスとがB組となっています。マレーシア女子代表の最高成績は、1995年にタイのチェンマイで開催された際の銀メダルですが、前回大会には参加していませんでした。

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この組み合わせ抽選終了後、マレーシアU22代表のE.エラヴァラサン監督がメディアの取材に応え、今回の組み合わせを「興味深くて挑戦的」と表現した一方で、A代表のハリマウ・マラヤ(マレーの虎)に対してハリマウ・ムダ(若虎)の愛称で知られるU22代表が他のチームと同じくらいに準決勝に進むチャンスがあると楽観的であり、2年に1度の競技会で彼のチームが他のチームに負けないようにできる自信があると述べています。

「我々の目的ととビジョンは(組み合わせが決定しても)変わらない。この組で待ち受ける困難な任務に対応する準備が整っており、今の私の仕事は、チームが最高の状態にあることを確認することだ。」とエラヴァラサン監督は述べています。

エラヴァラサン監督は今年2月に初めてU22代表の合宿を行った際には、各クラブの協力が得られれば「最低でも決勝進出」を目標にすると豪語していましたが、シーゲームズはFIFA国際マッチカレンダー外ということもあり、スーパーリーグの中には選手の招集に非協力的なチームが出る可能性があります。

未だ勝利なしのクランタンUのトーマス・トルチャ監督が今季2人目の「休養」

スーパーリーグ第7節を終えて2分5敗と、未だ勝利を挙げていない唯一のチームがクランタン・ユナイテッドですが、今季からこのクランタン・ユナイテッドの指揮を取るトーマス・トルチャが正式に「休養」となったことを、スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロが報じています。

クランタン・ユナイテッドのワン・モハマド・ズル・イクマン取締役は、トーマス・トルチャ監督に対してラマダン(イスラム教の断食月、今年は3月22日から4月21日まで)の終わりまで一時的に「休養」し、ラマダン後にはチームに復帰することを伝えたと話しています。そして今週末の第8節からは、ナズルーラーワン・マクモル コーチが監督代行を務めることも発表しています。

ワン・モハマド・ズル・イクマン取締役は、チームが過去7試合で状況の改善が見られなかったことから、トルチャ監督の休養を決定したと説明しています。また経営陣が現在チーム内の再編を検討しており、その後、トルチャ監督がチームのテクニカルディレクターの役割を与えられる可能性を排除していないと付け加えています。

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4月5日の第7節、クチンシティ戦を封じるクランタン・ユナイテッドの公式Facebookの投稿にもナズルーラーワン コーチの写真しか挙がっておらず、この段階でトルチャ監督「休養」の噂が出ていました。今季は既に同じクランタン州のコタ・バルに本拠地を持つクランタンがJリーグ大分でもプレー経験がある元韓国代表のチェ・ムンシク監督を休養させており、奇しくも同じスルタン・モハマド4世スタジアムを共有する2チームが揃って監督を休養させることになりました。

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