ボラセパマレーシアJP

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン最終節第22節結果とハイライト

10月15日にMリーグ1部スーパーリーグの今季最終節となる第22節が行われました。ジョホール・ダルル・タジムJDTのリーグ9連覇が既に決まっていますが、来季2023年シーズンのAFCカップ出場権が与えられる2位争いは熾烈で今節までもつれ込んでいました。前節まで2位のサバはJDTに敗れて勝点42のままの一方で、勝点差1で3位に付けていたトレンガヌは7位クダに改称して勝点44、同じ勝点差1でサバを追っていた4位のヌグリスンビランは8位のスリ・パハンに敗れて勝点41のままとなり、トレンガヌが2位となりAFCカップ出場権を獲得しています。
また今節でスーパーリーグの最終順位が決定したことで、10月25日に開幕するマレーシアカップの対戦カードも確定しています。

2022年10月15日@シティースタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
ペナン 1-1 スランゴール
⚽️ペナン:ラファエル・ヴィトール(31分)
⚽️スランゴール:ノル・ハキム(36分)
🟨ペナン(1):アブドル・アジム・ラヒム
🟨スランゴール(3):ハリス・ハイカル、ジクリ・カリリ、ヤザン・アル=アラブ
🟥スランゴール(1):シャールル・ナジーム
MOM:ラファエル・ヴィトール(ペナン)
目標は既にマレーシアカップへ
ボールを蹴るたびに水しぶきが上がる、田んぼのようなピッチでの試合は、10人となったスランゴールが追いつき引き分けに終わっています。
スランゴールは29分、自陣ペナルティエリア内でハンドの反則を犯したシャールル・ナジームがペナンにPKを与えるとともに退場となり、早々と10人での戦いを強いられます。タン監督が標榜するショートパスを繋ぐサッカーもこのピッチでは機能せず、最下位が確定しているペナンを相手に同点にするのが精一杯。タン監督就任から続いた連勝も3でストップしています。それでも一時は9位まで下がったスランゴールでしたが、今季を5位で終えています。
この試合でも先発し、ケガのブレンダン・ガンに代わりキャプテンを務めたムカイリ・アジマルは20歳11ヶ月でトップチームでの50試合出場を達成しましたが、これはザイナル・アビディン・ハサン前ペナン監督に続くクラブ史上最年少2位の記録になっています。
最終節となったこの試合前に、ペナンは途中退任のトマス・トルチェ監督に代わってここまで指揮を取ってきたザイナル・アビディン・ハサン監督の「休養」と、マンズール・アズウィラ コーチの昇格を発表しました。2020年にペナンが2部プレミアリーグで優勝した際には監督として指揮をとりながら、1部スーパーリーグで指揮を取るのに必要なAFCプロライセンスを保持していなかったことから、コーチにとどまっていましたが、現在はライセンスを取得したということかも知れません。いずれにしても、本来なら1部でも指揮を取り続ける予定だったマンズール監督ですので、マレーシアカップではそのお手並み拝見、となりそうです。

2022年10月15日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
サラワク・ユナイテッド 1-0 マラッカ・ユナイテッド
⚽️サラワク:ボリス・コック(86分)
🟨サラワク(3):ノル・アジジ・ラムリー、ラジャ・イムラン・シャー、ボリス・コック
🟨マラッカ(1):ワン・アミルル・アフィク
MOM:ボリス・コック(サラワク・ユナイテッド)
この試合で両チームは見納め?
スーパーリーグで12チーム中、来季の国内クラブライセンスが交付されないことが発表された2チームが対戦する皮肉なカードとなったこの試合は、既に両チームとも順位が確定している状況でしたが、11位のサラワクが10位のマラッカを破っています。
マラッカは、給料未払い問題が未解決なことから、リーグ戦後に開幕するマレーシアカップへの出場権剥奪処分をMFLより受けており、この試合で今季の全日程が終了したことになります。

2022年10月15日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 1-0 KLシティ
⚽️PJシティ:ダレン・ロック(40分)
🟨PJシティ(1)):ザイナル・アビディン・ジャミル
🟨KLシティ(2):カマル・アジジ、イルファン・ザカリア
MOM:ダレン・ロック(PJシティ)
ホームで優秀の美
PJシティがチーム得点王ダレン・ロックの今季10得点目、マレーシア人選手としてはリーグ最多となるゴールで上げた1点を守り切って、2連勝でリーグ戦を終えています。スーパーリーグ唯一の外国籍選手が1名もいないクラブながら、リーグ戦最後は2連勝で順位も9位と大健闘しました。
KLシティは来週10月22日にAFCカップ決勝を控えているからか、ここまで全試合に先発してきたキャプテンのパウロ・ジョズエと、守備の要のイルファン・ザカリアがベンチスタート。特にスーパーリーグ屈指のMFパウロ・ジョズエを欠いたチームは単調な攻撃を繰り返しては、PJシティのDF陣に跳ね返される展開が続きました。後半からこの両選手が交代出場したものの、その流れは変えられず、PJシティとは逆に2連敗で今季を終え、最終順位は6位でした。

2022年10月15日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン 2-0 ヌグリスンビラン
⚽️スリ・パハン:デヴィッド・ローリー2(28分、47分)
🟨スリ・パハン(4):ノル・アザム・アジー、バキウディン・シャムスディン、シェルゾド・ファイジエフ、ママドゥ・サマサ
🟨ヌグリスンビラン(3):サイフル・リズアン・スラマット、イズディン・ロスラン、ナスルラー・ハニフ
🟥ヌグリスンビラン(1):ナスルラー・ハニフ(🟨x2)
MOM:デヴィッド・ローリー(スリ・パハン)
逆転2位ならず。
2位のサバに勝点差1の4位でこの試合を迎えたヌグリスンビランは、この試合に勝てば他力ながら、AFCカップの出場権が懸かる2位の可能性もありましたが、8位のスリ・パハンに敗れ、最終順位は4位と変わりませんでした。
この勝利で最終順位を一つ挙げて7位としたスリ・パハンは、マレーシアカップからはマレーシア国籍を取得した英国出身のリー・タックとアルゼンチン出身のエセキエル・アグエロ両選手の出場が可能となります。ヌグリスンビランとの試合で2ゴールを挙げたオーストラリア出身のデヴィッド・ローリー、英国出身のニック・スワイラッドとともに帰化選手が4名となり、外国籍選手5名と合わせた布陣はさながら「リトルJDT』とも言えそうで、マレーシアカップの台風の目となりそうです。

2022年10月15日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
クダ 0-3 トレンガヌ
⚽️トレンガヌ:ファイサル・ハリム(4分)、チェチェ・キプレ2(16分、74分)
⚽️クダ:デシ・マルセル(88分)
🟨ヌグリスンビラン(0)
🟨マラッカ(0):
MOM:チェチェ・キプレ(トレンガヌ)
9連勝でAFCカップ出場権獲得。
一時はリーグ最下位、前半戦を終えて7位だったトレンガヌは、ナフジ・ザイン監督の解任なども噂れる事態でしたが、最後はリーグ戦破竹の9連勝で逆転2位となり、来季のAFCカップ出場権を獲得しています。今季大成長し、代表でもレギュラー定着が見えてきたファイサル・ハリムのゴールで開始4分に先制したクダは、昨季はクダに在籍したチェチェ・キプレの2ゴールで勝利を確定しています。
2020年、2021年シーズンはいずれもJDTに次ぐ2位だったクダですが、クダ一筋だったキャプテンのバドロル・バクティアル、代表DFのリザル・ガザリ(いずれもサバへ移籍)、さらに2トップのクパー・シャーマン、チェチェ・キプレ(いずれもトレンガヌへ移籍)を失って、リーダー不在、攻撃力欠如、といった開幕から懸念されてきた不安が最後まで解消されないシーズンでした。さらに年間を通してケガ人も多く、この試合でも今季13ゴールのエース、ロナルド・ンガがケガのため出場できないなど「シンガポールのグラディオラ」ことアイディル・シャリン監督の攻撃的サッカーも、人材を欠いては機能しませんでした。

2022年10月15日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 3-0 サバ
⚽️JDT:ベグルソン・ダ・シルヴァ2(17分、55分)、アリフ・アイマン(39分)
🟨JDT(0)
🟨サバ(1):アルト・リナス
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)
堅守してきた2位から最後に陥落
既に優勝を決めているJDTが、リーグ新記録となる29得点となるゴールを挙げたベルグソン・ダ・シルヴァの活躍などで優秀の美を飾っています。
後半戦ではこれまで2位を堅持してきたサバは、最終節で敗れ、勝点差1で3位につけていたトレンガヌが勝利したため、逆転されて3位に後退、スーパーリーグ2位に与えられるAFCカップ出場権を逃しています。2位を維持しながらもシーズン終盤の9月、10月で1勝1分4敗と調子を落とし、第20節の直接対決でも敗れたトレンガヌに2位の座を明け渡しています。
サバの加賀山泰毅選手は先発し、76分に交代しています。

2022年シーズン スーパーリーグ 最終順位表

チーム 勝点
1 JDT 22 17 5 0 61 12 49 56
2 TRE 22 14 2 8 39 20 19 44
3 SAB 22 13 3 6 36 26 10 42
4 NSE 22 12 5 5 33 26 7 41
5 SEL 22 8 6 8 39 33 6 30
6 KLC 22 8 5 9 30 31 -1 29
7 SRP 22 8 4 10 33 31 2 28
8 KDA 22 8 3 11 32 41 -9 27
9 PJC 22 6 8 8 22 30 -8 26
10 MEL 22 4 6 12 22 43 -21 18
11 SWU 22 5 2 15 19 50 -31 17
12 PEN 22 2 5 15 22 45 -23 11
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 最終得点ランキング

ゴール数 選手名 所属
1 29 ベルグソン・ダ・シルヴァ JDT
2 14 カイオン SEL
3 13 フェルナンド・フォレスティエリ JDT
13 ロナルド・ンガ KDA
13 チェチェ・キプレ PJC
5 11 グスタヴォ NSE
6 10 ダレン・ロック PJC
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド
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