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東南アジア競技大会グループステージ第1節-マレーシアは難敵タイを相手に薄氷の勝利(ハイライト映像あり)

東南アジア競技大会通称シーゲーム2021年大会のサッカーは大会2日目、グループステージB組第1節の2試合が行われ、マレーシアはロスタイムに決勝点を挙げて、グループ内最大のライバルであるタイに辛勝しています。

東南アジアのオリンピックとも言えるこの大会の男子サッカーは、オリンピック同様に各国のU23代表が対戦します。新型コロナの影響で1年順延となった今大会に出場するマレーシアU23代表は、来月6月にウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップを睨んでオーバーエイジ枠を使用せずに臨んでいます。

今大会のグループステージB組では、マレーシアはタイ、シンガポール、カンボジア、ラオスと同組ですが、中でも最も強敵のタイとの試合が大会初戦となりました。

タイとは、昨年10月にモンゴルで行われたAFC U23アジアカップ予選でも同組で、この時は0-0で引き分け、マレーシアがグループ1位で、タイが2位でいずれも本戦出場を決めています。

マレーシアのブラッド・マロニー監督はこのAFC U23アジアカップ予選のタイ戦の先発11名中9名をこの試合でも先発起用しましたが、A代表でも監督を務めるアレシャンドレ・「マノ」・ポルキン監督は、オーバーエイジ枠のGKカウィン・タンマサッチャーナン、MFウォーラチット・カニッシーバンペン、MFウィーラテップ・ポンパーンを先発させるなど、昨年10月のマレーシア戦からは7名が入れ替えられたメンバーでした。

なおAFC U23アジアカップ予選では、マレーシアは今大会同様、マロニー監督が指揮を取りましたが、タイはマノ監督ではなく、チョクタウィー・プロムルット監督でした。また本来は2005年から2007年までMリーグのクランタンでもプレー経験があるワラウート・スリマカ氏がU23代表監督でしたが、シーゲーム直前のドバイカップで3連敗するなどチームが不振を極めたため、先月4月に急遽、マノ監督が今大会に限りU23代表監督を務める事態になっています。

ベトナム戦ではないにもかかわらず3万人近い観衆が見守る中で始まった試合は、開始からタイがマレーシアを圧倒します。8分にはパトリック・グスタフソンがヘディングで、10分にはドリブルで持ち込んだエカニット・パンヤが左足で、そして19分にはウィーラテップ・ポンパーンがフリーキックでマレーシアゴールを狙いますが、得点には至りませんでした。一方のマレーシアも23分にルクマン・ハキムがGKと1対1の場面を作りますが、シュートはゴールポストの上に外れてしまいました。

試合が動いたのは33分、ゴール前のボールを受けたパトリック・グスタフソンがマレーシアDF2人を巧みに交わしてゴール!試合を押し気味に進めていたタイがついに先制しました。

そしてこの試合のターニングポイントは41分でした。ルクマン・ハキムのスルーパスに抜け出したシャヒル・バシャーを倒して止めたDFジョナサン・ケムディーが一発レッドで退場となり、タイは前半終了間際に10人となってしまいました。

後半に入っても数的に有利なマレーシアは、ボールはキープするものの、守備的な布陣のタイを相手にチャンスは作れず、時間が刻々と過ぎていきました。しかし61分には、右サイドで粘ったムカイリ・アジマルからの早いクロスにダニアル・アスリが合わせてゴール!スランゴールコンビの活躍で、マレーシアは同点に追いつきます。

しかしその直後の62分にはタイのDFジャトラパット・サッタムと激しく交錯したDFアザム・アズミが一度は立ち上がったものの、脳震盪の恐れもあることから大事をとり救急車で運ばれるアクシデントが起こります。(その後の報道では、昨日のうちに退院したようです。)またこのプレーでジャトラパット・サッタムにはイエローカードが出されました。

ここでマレーシアのマロニー監督はアザム・アズミに代えてクエンティン・チェンを起用、さらにハディ・ファイヤッドとシャフィク・イスマイルをそれぞれシャヒル・バシャーとダニアル・アスリに代えて投入し、さらに77分にはルクマン・ハキムに代えて、AFC U23アジアカップ予選で2ゴールを挙げているヌル・アズファル・フィクリを投入し、一気に逆転へと勝負手を打ちました。

そして82分にはクエンティン・チャンの右からのクロスにハディ・ファイヤッドが頭で合わせますが、惜しくも外してしまい、この決定的なチャンスを活かせません。逆に90分過ぎにはタイがあわやゴールという場面をGKアズリ・アブドル・ガニが判断良く飛び出して防ぎます。

そして90+3分、途中出場ながら何度かいいクロスを入れていたシャフィク・イスマイルがペナルティエリアの外からドリブルで持ち込み、タイDFをかわしながらゴール前のハディ・ファイヤッドへパス、ハディのシュートはGKカウィン・タンマサッチャーナンに止められますが、そのこぼれ球に詰めていたヌル・アズファル・フィクリがそのままシュート。最後はタイDFのアヌサック・ジャイペットにあたり、そのままゴールとなりました。

ロスタイムに決勝ゴールが決まり2-1で勝利、というのは既視感がありますが、それでもこの勝利はマレーシアにとって大きな勝利です。なおシーゲームズのグループステージでタイに勝利したのは過去4大会ありますが、その4大会はいずれもマレーシアは決勝に進出しているというゲンの良い勝利でした。

東南アジア競技大会2021年大会
グループステージB組 第1節
5月7日(土)
ティエンチュオン・スタジアム(ナムディン-ベトナム)
タイ 1-2 マレーシア
⚽️タイ:パトリック・グスタフソン(33分)
⚽️マレーシア:ダニアル・アスリ(61分)、アヌサク・ジャイペット(90+4分OG)
?タイ(1):ジャトラパット・サッタム
?マレーシア(2):ムカイリ・アジマル
?タイ(1):ジョナサン・ケムディー
(下は両チームの先発XIとハイライト映像。映像はアストロアリーナの公式YouTubeより)

東南アジア競技大会2021年大会
グループステージB組 第1節
5月7日(土)
ティエンチュオン・スタジアム(ナムディン-ベトナム)
ラオス 2-2 シンガポール
⚽️ラオス:Ekkamai Ratxachak(14分)、Chony Wenpaserth(50分)
⚽️シンガポール:グレン・クゥエ(89分)、ジョーダン・エマヴィウェ(90+6分)
?ラオス(0)
?シンガポール(0)
(下はこの試合のハイライト映像。映像はシーゲームズ2021年大会の公式YouTubeより)

東南アジア競技大会2021年大会
グループステージB組 第1節
5月7日(土)
ティエンチュオン・スタジアム(ナムディン-ベトナム)
ラオス 2-2 シンガポール
⚽️ラオス:Ekkamai Ratxachak(14分)、Chony Wenpaserth(50分)
⚽️シンガポール:グレン・クゥエ(89分)、ジョーダン・エマヴィウェ(90+6分)
?ラオス(0)
?シンガポール(0)
(下はこの試合のハイライト映像。映像はシーゲームズ2021年大会の公式YouTubeより)

東南アジア競技大会2021年大会 グループステージB組 順位表(第1節終了時)

チーム 得失差 勝点
1 マレーシア 1 1 0 0 2 1 1 3
2 ラオス 1 0 1 0 2 2 0 1
3 シンガポール 1 0 1 0 2 2 0 1
4 タイ 1 0 0 1 1 2 -1 0

東南アジア競技大会2021年大会 グループステージA組 順位表(第1節終了時)

チーム 得失差 勝点
1 フィリピン 1 1 0 0 4 0 4 3
2 ベトナム 1 1 0 0 3 0 3 3
3 インドネシア 1 0 0 1 0 3 -3 0
4 東ティモール 1 0 0 1 0 4 -4 0

東南アジア競技大会2021年大会 グループステージ日程と結果

5月6日(金)
フィリピン 4-0 東ティモール、ベトナム 3-0 インドネシア
5月7日(土)
ラオス 2-2 シンガポール、タイ 1-2 マレーシア
5月8日(日)
東ティモール対ミャンマー、ベトナム対フィリピン
5月9日(月)
ラオス対カンボジア、シンガポール対タイ
5月10日(火)
ミャンマー対フィリピン、インドネシア対東ティモール
5月11日(水)
カンボジア対シンガポール、マレーシア対ラオス
5月13日(金)
フィリピン対インドネシア、ミャンマー対ベトナム
5月14日(土)
シンガポール対マレーシア、タイ対カンボジア
5月15日(日)
インドネシア対ミャンマー、東ティモール対ベトナム
5月16日(月)
マレーシア対カンボジア、ラオス対タイ

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